プレゼント
戦争が停戦で終わり、マリュー達は地球のオーブ近海の島で静かに日々暮らしていた。
あれから、随分経つがマリューの元には毎日というくらい、キラやラクス、カガリ達が顔を出していた。
それは、もちろんマリューに会いに来ていたのだが目下のお目当ては、最終戦の折にマリューの胎内にいた赤ちゃんが生まれたからである。
彼らは、代わる代わる様子を見に来てくれていたのだった。
キラ達は、赤ちゃんが生まれた時もそばにいて、一斉に
「「「妹が出来たvV」」」
とはしゃぎ、喜んでいた。
戦争に身を置くコトになってしまっていた少年少女達には、新しい生命が愛しく思え、それは果てしなく希望に近い感動だったのかもしれない。
そんなある日、キラからメールが届いた。
『マリューさんへ
もうすぐ、お誕生日ですよね。素敵なプレゼントがありますので、当日は必ず自宅にいて下さい。
キラ・ヤマト』
マリューは不思議そうに首を傾げ、金髪に近い髪をした淡いブルーの瞳をもつ愛娘・リィナの顔を覗き込みながら
「なにかしらね?リィナ」
と微笑むと
「あぁ〜あ?」
と喋り、キャッキャッと笑った。
「マリューさん、喜ぶかな?」
メールの返事が届き、キラは振り返りながらカガリ達をみた。
「喜ぶに決まっているだろう」
「っていうか、さっさと教えてあげれば?」
「喜ぶっていうより、驚くと思うけど…」
「大体、今頃になって連絡くるなんて…」
みんなの会話でカガリが不満そうに呟いた。
「仕方ありませんわ。でもきっとお喜びになられますわvV」
ラクスがにこやかに笑い、みんなも微笑んだ。
それからも、みんなは出来るだけマリューとリィナの元を訪れては楽しそうに過ごした。
時折、マリューが
「プレゼントは何なのかしら?」
と聞いても、笑いながら
「「秘密、秘密♪」」
と口を閉ざしていた。
マリューも敢えて追求せずに、楽しみね。
と言っては微笑んでいた。
誕生日当日――10/12
カガリ・ラクス・ミリアリアは、早めにマリューの家に来てパーティの準備をしていた。
マリューが
「私も手伝うわ」
と言ったら、カガリに
「自分の誕生日の準備をするなんて、バカみたいだそ。ここは、私らに任せてリィナと出掛けてきてくれ」
と言われ、マリューとリィナは追い出されたのだった。
マリューはリィナを連れ、近くの海へ散歩に出掛けた。
「…こんな年にもなってお祝いしてもらうなんて…おかしいわね。リィナ」
クスクスと笑い、砂浜に座って遊んでいるリィナに話し掛けた。
(………欲しいモノ…なんて…)
マリューは物思いにふけながら遠くの地平線を見つめた。
そこへ
「マリューさん、リィナちゃん」
キラがマリューらを呼びにきた。
「あら、キラ君。準備は整ったのかしら?」
「はい。準備出来ました。みんな待ってますよ。」
キラは、砂いじりしていたリィナを抱きかかえると笑い伝えた。
「みんな?」
「はい、ノイマンさんやキサカさん、あとでバルトフェルドも来ますよ」
「まあ…わざわざキサカさん達まで呼んだの?やぁね…」
と談笑し、キラと一緒に家に向かった。
家に入るなり、一斉にクラッカーがなり
「「Happy Birthday マリューさん♪♪」」
とみんな口々に、おめでとうと言った。
マリューは、笑いながら
「ありがとう、みんな♪」
と応え、ラクス達が作ってくれた料理やケーキを食べ、談笑した。
宴もたけなわの頃、バルトフェルドが遅れてやってきた。
「やぁ、マリュー。誕生日おめでとう」
「バルトフェルド、あなたまで…ありがとう」
「君に素敵なプレゼントを持って来たよ。
おっと、僕からはこのスペシャルブレンドコーヒーを…」
「いいから、早くしろよ!!」
長くなりそうなのをカガリが遮った。
「そうかね、それではマリューにビックなプレゼントだよ」
「……生きて……た…の…?」
「…あぁ、なんとかな。
一時はもうダメかと思ったけど、坊主が作ってくれていた脱出ポッドがギリギリで作動し、サーペンテールの奴らに救われた。
遅くなっちまったのは、ショックと怪我がなかなか治らなかったからだ…」
とムウは少し笑いながら話した。
その言葉にみんながワッとなり、マリューは
「いいのに…そんなの別に………………」
と言った瞬間、目を見開いた。
そこには、キラがドアを開いている先には、信じられない姿があったからだ。
「マリュー、Happy Birthday vV」
「……ム……ウ………?」
「あれ?俺の顔忘れちゃった?」
「…えっ…だって………本当に…?」
マリューの未だ信じられないという顔を見て
ムウは優しくマリューを抱き寄せた。
そのぬくもりは忘れられない。確かにムウのモノだった。
マリューは確かめるように、髪や顔、身体に触れ
「この前やっと連絡が取れたらしくて、せっかくだからマリューさんの誕生日に会いたい。
っていうからこんな風になったんですよ」
見ていたキラはそう付け加えると、ムウは振り返り
「キラっ!!内緒にしとけって言っただろ!!」
と嗜めたが、バルトフェルドも一緒になり
「何を言っているんだ、フラガ。みんなに心配かけた上に、マリューを驚かそうなんて」
「だーかーら、お前だって『いいアイディアだね』って言ってたじゃねーか!それに気安くマリューって呼ぶな!!」
そんな会話を聞き、マリューは嬉しくて笑った。
みんなが笑っていると
「ムウさん、赤ちゃん見ました?」
ミリアリアがリィナを抱っこして連れてきた。
ムウは、うーんと眺めると
「これ、誰の子?」
と真面目に聞いてきて、カガリは呆れたように
「ったく、身に覚えはないのか!?」
と言われ、ムウはもしかして…?という顔をしてマリューを見ると、笑って頷いたのでびっくりした。
がすぐ笑って、ミリアリアからリィナを受け取り高く抱きあげた。
「パパだよ〜〜vV…えーっと…」
「リィナよ」
「リィナ〜〜vV」
―チュッvV
とほっぺにキスをした途端、リィナはびっくりして
「…ふぇっ……うわ〜ん」
大泣きして、またまた笑いがおきた。
マリューはその光景を見て、キラ達みんなに深々と頭を下げ
「ありがとう、最高のプレゼントだわ♪」
と礼をした。
その瞳には涙が溢れていた。
キラ達は、照れていたがマリューは本当に嬉しくて最高のプレゼントをもらった。
END
あとがき
この話は、マリュー誕生日話に書いたモノです。
'03/10/12
ちなみに、リィナは一歳にもなってません。
幸せになって欲しくて書きました。
やはり、マリューさん至上主義です。
今年は考える暇なかったです(笑)
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