日常の会話?

GUNDAM SEED

「艦長って、やっぱりいいですよねぇ〜」

食堂にて突然言い放たれた言葉。
隣でランチを食べていたノイマンは聞き返した。

「なんだ?いきなり…」

「いやぁ〜だって美人だし、優しいし、人情家だし…始めは不安でしたが、やはりいいですよ。胸も大きくてスタイル抜群じゃないですか!?」

そのクルーの発言に、居合わせた男性クルーは皆うんうんと頷いた。
だが、唯一人、同意しない者がいた。

「セクハラだぞ、トノムラ」

「あれ?少尉は、思わないんですか?」

トノムラとチャンドラは不思議そうに見入った。

「いや、別に…」

そう言って、もくもく食事を続けている。
トノムラとチャンドラは、顔を見合わせ思いついたようだ。

「ははーん…さては、好きな人がいるんですね」

チャンドラの言葉に、ノイマンは飲んでいたドリンクを吹き出した。

「なっ…何を言って…」

((なんて、分かりやすい人なんだ…))

「図星の様ですね?誰ですか?教えて下さいよ〜口堅いですし、バジルール中尉とかじゃないかぎり、驚きませんよ。なーんて、そんな訳…………あれ?」

──ビクッ
冗談で言ったつもりだったが当たったらしく、ノイマンは顔を赤く染め固まっていた。
トノムラとチャンドラは、再度顔を見合わせた。

「…えーっと、もしかしなくても…当たりですか?」

ノイマンはこっくり頷くと、食堂に衝撃が走った。
なんせ、あのバジルール中尉に恋する強者がいるとは!!

(信じられん!!)

(なんてチャレンジャーなんだ!?ノイマン少尉)

皆が驚いてる中、ノイマンは口ごもりながらも返答した。

「中尉だって、美人でスタイルいいじゃないか!!仕事も完璧だし…何が違う?」

「それは…そうですが……」

「なんだ?」

一人の男性クルーが言い、ノイマンは聞き返すと皆が口を揃えて返事をした。

「「「だって、怖いじゃないですか」」」

ノイマンは、う゛っ…となるが自分の好みが譲れないのかまた口を開く。

「…バジルール中尉は、根は優しいんだ。……多分」

そうは言ってみたが、厳しい所しか見たことはなく自信なくおとなしく座るとまた、もくもく食事をはじめた。

(なんで分からない? バジルール中尉の良さを!!
あんなに仕事が出来て、美人でスタイルもまぁまぁじゃないか!! そりゃ優しさの点では艦長の方が優しいが…いいじゃないか、厳しさの中で見せる優しさも……)

悶々と考えていると、食堂内はまた艦長の話で盛り上がっていたその時フラガ少佐が現われた。

「フ、フラガ少佐……い、いえ…別に…」

少佐は不思議そうな顔をすると、トノムラ達に再度聞き返した。

「なんだよ、艦長の話してただろ?」

「えーっと…ハイ。……してました」

ビクビクしながら、チャンドラは答えた。
しかし、本当にビクビクしていたのはむしろマリューに憧れる男性クルー達だった。
なぜなら、男性クルー達の間では少佐は艦長狙いだということでかつ、少佐の前では艦長の話をしないでおこう。という暗黙のルールだったからだ。
以前、マリューに気のある男性クルーが後で少佐から鉄槌を食らったとか…である。
何をされるかわかったモノではない。
───なのに、運悪くマリューに憧れてるクルーが多い所へ少佐は現われた。

「どんな?」

すかさず、少佐は聞き返した。
クルー達は泣きそうになり、この場から消えてしまいたくなった。

「……か、艦長って…美人ですよね。って…」

「…ほぅ…」

少佐の眉が少しあがり、クルー達は本当に怖かった。
フラガはぐるりと見渡す。

「…ふーん、艦長狙いが多いのか…よし。大体分かった…」

そういうと、不敵な笑みを浮かべドリンクを受けてると出ていった。
食堂にいたクルーの多数は、しばらくの間少佐と顔を合わせないようにしようと心掛けた。



後日、あの場にいた艦長狙い達は見事にフラガから厳重注意とともに鉄槌を下されていた。
しかし、ノイマンだけは外されていた。
フラガにはノイマンの片思いの相手が分かっていたらしい。
その後、ノイマンはフラガに相談するようちになったが、ロクなアドバイスは貰えなかった。


END

おまけ
ノイマン:「夢を見たんです…。」

フラガ:「夢?」

ノイマン:「ハイ。夢の中で、中尉の好みの男性が……ビル30階から飛び降りても、捻挫程度で済む男性だと……うっ…うぅ…どうしたらいいですか…?」

フラガ:「……………(いや、夢だろ?)」


おしまい。




あとがき

なんとなく書いてみた話です。
たまにはこんな会話がAAでされててもいいかなぁ〜なんて思い書きました。
マリューさんは、なんとなく整備班とかのアイドル的存在かなぁ〜なんて夢みながら(妄想しすぎ/笑)書きました。
男同士、こんな会話するのかな?って疑問ですが…
そしておまけ会話。
しかし、ビル30階から飛び降りるなんて……ヒイロ・ユイ(ガンダムWヨリ)ですか!?
まぁ、確か、ヒイロはビル50階から飛び降りても骨折程度でした。
(普通の人間には無理!!)
30階じゃどうですかね?捻挫ですかね?
コーディネイターはどうなんだろう?
(無理なものは無理/常識的に)



'03/10


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