悲しみの天使
とあるホテルの一室に二人はいた。
周りからみたら恋人同士に見える二人の関係は【恋人の親友】と【親友の恋人】
である。
フレイは、気だるそうに起き上がりつい先程まで身体を重ねあわせたキラの背中
を眺めていた。
「……じゃあ、僕、帰るね」
なんでもなかったかの様な口調でシャツを羽織るキラにフレイは、一言述べた。
「……次は…いつ…」
会えるの…?と尋ねる事にキラは、困ったような顔をした。
「……さぁ、わからない…」
一言、そう告げるとフレイの顔から目を逸らし部屋から出ていく。
それでもフレイは、少し作り笑いをして笑顔で見送った。
(…キラ…キラ……行かないで…)
そんな事を言える訳もなく、閉ざされたドアを見つめていた。
そして、いつもの様に窓際に立ちキラに手を振ろうかと思ったが今日はそんな気
にはなれなかった。
キラには、すでに恋人がいる。
それは、自分の親友だという事も分かっている。
自分の気持ちに気付いた時には、キラはラクスと付き合っていた。
それでも、キラは優しくてそれに嘘偽りは何一つなかった。
だから、それにつけ込んだのは自分
一人残された部屋をみて、突き付けられた事実は、自分は決してキラの恋人には
なれないという事。
抱かれていても、表面的には愛してくれても…
心の中ではラクスに申し訳ないと思っているし、感じてる。
そうだ…私たちは共犯者
でも…ラクスは裏切れない。
大事な恋人だから…
大事な親友だから…
何も知らないラクスに懺悔の思いが駆け巡る。
涙で街のネオンが霞んでいくのが見える。
出来るなら…ラクスより早くキラに会いたかった。
もう一度、キラと知り合う前に戻れたら…
好きになんてならなかったら…
そうしたら…こんな気持ちにもならず
平凡な幸せを掴めたかも知れないのに…
あのまま、サイを好きなままでいたら……
よかったのに
…でも…それでも…
キラが…好きなんだ…
寂しくなっても……
虚しくなっても……
愛されないと分かっていても……
こうして…キラを待っているんだ……
こんなにもキラが好きなんだ……
優しさにつけ込んで……
抱かれていたって……
キラの心はラクスのモノなのに……
欲しいのは…キラの心なのに……
それすら、私には手に入らない……
ネオンを見つめてると、知らずに涙が頬を伝わり、流れていた。
なんで 愛しているだけじゃダメなんだろう
なんで それだけでは満たされないんだろう
愛されるならば、なにもかも手放したっていいのに……
どうして キラじゃなきゃダメなんだろう
声掛けて、幸せにしてくれる人なら他にもいるはずなのにっ!!
街を彷徨い、長すぎる一日を持て余して……
こんな…こんな自由なんかいらない!
あぁ……キラっ!!
こんなにも貴方が………
そっと触れた口唇にまた涙が溢れてくる。
キラ……あなたもまだ感じてる?
昨夜のキスのその余韻を―――
あとがき
何を書きたかったというと…キララクフレの3角関係です。
ってか、出だしからエロちっく!ですが…裏ではありません。
まぁ、このあと二人は友達に戻ろう。としますが…まぁ、色々あります。
ドロドロな3部作へ続きます。
不倫の唄を聞いて書いた話でした。
'03/9
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