静かな夜
窓の外を覗くとふわふわと粉雪が舞っているのを見てラクスは、声を張り上げた。
「まぁ♪キラ、来て下さいな。雪が降って来ましたわ」
「えっ、ホント?」
キラは、ラクスの横に立つと窓を開け桟に手をかけ雪を眺めた。
「……最後の雪ですわね」
「…うん、そうだね」
「………今日………」
ぼそりと呟くラクスの言葉に、キラは一瞬動揺しだが何気ないそぶりで聞き返した。
「今日がどうかしたの?ラクス」
「…そういえば、今日はフレイさんの誕生日だったなぁって」
「…へぇ、そうなんだ。ってラクス?お祝いしなくていいの?」
ラクスは、キラの方を振り向くとニコリと笑い
「いいんですよ、今日は約束があると前から申してましたから……たぶんサイ様とお食事なんじゃありません?」
「――えっ!?じゃ……あっ、いや…サイと食事かぁ〜」
キラは動揺を誤魔化す様に笑って雪を眺めた。
「……何か、温かい飲み物煎れますね」
「…うん、ありがと…」
ラクスは、笑顔を作りそそくさと部屋をあとにする。
ドアが閉まる音を聞き、キラは再び窓の外を眺める。
「………フレイ…」
注意しなければ聞き取れない言葉を発しキラは俯く。
もう君にしてあげられる事は
『友達』として花束をあげる事しかなかった…
君も…僕も…ラクスを裏切れない。
親友であり、恋人であるラクスを……
どうしてもというから、一度だけ肌を重ねたけど…
いけない事だったんだ…
僕達は間違っていたんだ…
君が『ラクスより早く出会いたかった』と泣いた夜、僕は慰めの言葉を持たなかった。
なぜなら、僕は君を『好き』だけど、ラクスの事を『愛している』から…
そんな僕がどんなふうに慰めるんだい?
傷つけるとわかっているのに…
だから、今夜は『友人』としと花を贈ったんだよ…
君の髪と同じ、真っ赤に燃える様な紅薔薇を…
パタンとドアを閉じ、ラクスはしばらくそのままドアにもたれていた。
「……………」
ドア越しに小さな声が聞こえる。
発せられた言葉は聞こえなかったが、何を呟いたかは想像できる。
『フレイ』だ……
ラクスは顔に手をあて覆った。
二人を壊したのは私…
(キラを好きだから…)
二人が惹かれあっているのを知っていながら…
(取られたくなかった…)
私は互いが気持ちに気付く前に割り込んだ。
(卑怯な私……)
そう……邪魔したのは私
キラを自分のモノにしたかったから……手に入れた。
恋とはそういうモノだから…決して譲れない人だからどんな手を使ってでも欲しい。
それは果てしない欲望。
たとえ、それ故に親友を裏切ってでも。
そして…あの二人は私を裏切る事は出来ない。
ラクスの口元が微かに歪む。
「くくっ…」
ラクスは嘲笑うとキッチンに向かう。
『逃がしはしない』
そう思いながら、愛するキラに紅茶を煎れた。
最後の雪が狂った雑音をかき消した。
辺りは静寂が包み込む夜
END
あとがき&解説
ドロドロ3部作第2弾は『Silent Night』のキララクverです。
わかってます!激しく纏まっていません!!という事が!!矛盾してるし…(=_=)
前半はキラの思い、後半はラクスの(歪んだ)思いです…たぶん。
えーっと、補足?↓
■ラクス・キラ・フレイは仲良し三人だったんですが、本来キラフレになるはず
が、まだ互いが好き合っている事に気付いていないのをイイコトにラクスが先手を打ちました。
■優柔不断でもあるキラは、ラクスも好きだし付き合う事に(でもいつしか本気で好きに)ラクスにキラを獲られて自分の気持ちに気付くフレイはキラに迫りますが、ラクスを信じてる二人は激しく後悔しました。
■実際、キラはラクスを愛してますが、伝わっていません。
■ラクスは、キラが本当に好きなのはフレイだと勘違いしてます。
■フレイは、キラを本気で好きだからこそキラが好きなのはラクスだと分かって
います。
…分かりずらくてすいませんm(__)m(自分でも分かんなくなってきた)
さぁて、こんなに分かりづらい話を読んで下さって本気でありがとうございましたm(__)m
-52-
GUNDAM SEED / TOP