Marriage Panic
出会ってから一年位……
もういい年な訳だし結婚を考えていないわけでもないが…それも今更な気がする。
「ムーウ? 目玉焼き? オムレツ? どっちにするぅ?」
だって一緒に暮らしている訳だしな。
ベッドに寝転がっているムウにキッチンからマリューが話し掛ける。頭をポリポリ掻きながらムウは
「オムレツ〜」
そう返事をして、のそのそ起き上がると身体を伸ばす。
「ふあぁ〜いい天気だなぁ〜」
カーテンを開き、空を仰ぎ見る。雀が屋根に留まり囀りしている。
「出来たわよ〜」
恋人の声がして、ダイニングに向かうとテーブルにはパン・サラダ・ミルク、そしてさっきリクエストしたオムレツが並んでいた。
「おはよ、マリュー」
「おはよう、ムウ」
軽くおはようのキスを交わすと席につき、朝食を食べる。
「いただきまーす♪ あれ? マリューは食べないの?」
マリューの手元を見るとあるのはミルクだけ。ムウは不思議そうに顔を見る。
「えぇ…なんだか最近食欲がね…でも気にしないで、食べる時は食べ過ぎちゃうんだから」
「なら、いいんだが…」
「ほらほら、食べて。冷めちゃうわ」
……最近、マリューの様子がおかしい…。夜の営みも『眠いから…』『疲れてるから…』と断られてばかりいる。
オレ、嫌われた?…そんなバカな…だったらこんな美味い朝食作ってくれる訳ないだろ?
そう考えながらムウは、パンを5枚、大きなオムレツなどを食べきった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
今日は二人とも仕事が休みでゆっくりできる。
リビングでコーヒーを飲みながら新聞をみていると、マリューが隣に座り話し掛ける。
「ねぇ、ムウ? 話があるんだけど…」
新聞を読むのを止め、ムウはマリューを見やる。
「なに?」
「…えっと……その…あのね…」
心なしか段々マリューの頬がピンク色に染まる。
「…どうした?」
「あっ、あのっ……出来ちゃったみたい…なの」
「何が?」
「な、何がって……その…赤ちゃん…」
「へぇ〜赤ちゃん………赤ちゃん!?」
ムウは持っていたコーヒーをだらりとラグの上にこぼした。
「ちょっ…ムウ!! コーヒー!!」
マリューは慌ててラグにこぼれたコーヒーを拭き取ろうとするが
「マリュー! そんな事どうでもいいからっ!! っていつ!? いつ分かったんだ!?」
しゃがみこんでいるマリューをソファに座らせムウは聞いた。
「えっと…少し前から…もう安定期に入っちゃたし…」
「……つまり…今、何ヵ月?」
ムウがマリューの言葉を聞き、恐る恐る聞くとマリューは指を広げ
「…5ヵ月……」
「…ごっ…5ヵ月ぅ〜!? な、なんで黙ってたんだ!?」
「だっ、だって仕事忙しかったし、気付かなかったんだもの〜」
「〜〜〜だからって……マリュー、ありがとう」
ムウは、はぁとため息を吐いてからマリューを見つめると笑いながら言った。
「…産んでもいい?」
マリューは自信なさげにムウを見つめる。
「もちろん、お願いいたします。奥さん」
ムウは嬉しそうにウィンクするとマリューの腹部に向かって
「パパだよ〜」
と話しかける。
マリューは笑いながら
「そんな大きな声ださなくても大丈夫ですって」
「そぅお? じゃあ、色々やらなきゃな。まずは引っ越しだろ? 結婚式…間に合うかな? あとは…赤ちゃん用品の準備…」
ムウが立ち上がり、あれこれと考えて指折り数えていく。
「引っ越しするの!?」
マリューは驚き、声をあげる。
「あぁ、いっその事、家を買うか? ここも狭くはないが子供と3人じゃ狭くなるぞ?」
「そ、そうかしら…?」
ここは、ムウのマンションで3LDKの大きさだ。互いに仕事部屋を持ち寝室があるが別に狭くはない。゙むしろ十分なくらいなのだ。が、ムウは張り切っている。
「…結婚式も!?」
「だってマリューのドレス姿見たいしさぁ〜あーでもお腹目立っちゃうよな? どうする?」
ムウは、うきうきとマリューのドレス姿を思い浮かべながら話すが、思い出したように腹部を見る。
「…どうするって…そりゃドレスは憧れるけど…大きいお腹で式挙げるのはちょっとイヤだわ…」
マリューだって、ウェディングドレスに憧れを持っているし、結婚する以上は着てみたい。が、結婚する理由が理由なのでなんともいえない。
「そうだよなぁ〜それに疲れたりするしな…!! そうだ、生まれてからするってのはどうだ?」
ムウが思いついたように発言する。その言葉にマリューも嬉しそうに
「そうね、落ち着いたらそれもいいわね。でもとりあえずは、入籍が最初よ? ムウ」
ムウは、一瞬きょとんとするが笑いながら
「あっ、そうだな…じゃあ。とりあえずは入籍を済ませますか、マリューさん♪」
「そうね、そうしましょ。それからみんなに報告しなきゃね」
マリューも微笑み返して二人は、やさしくキスを交わした。
そして1週間後には、マリューはフラガ姓を名乗っていた。
END
あとがき
こんな感じで結婚に漕ぎつかせてしまいました。…しかし、5ヵ月になるまで気付かず仕事していたとはマリューさん…すごいね(笑)
きっと悪阻はひどくなかったのでしょう。羨ましいね、軽い人って。
まぁ多少はやたら眠かったりしたと思いますが…吐くまでではなかったということで。
しかし、二人はいったいどんな仕事を?(考えてません)
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