Monkey trick Panic
ふと気付いたら、携帯に不在着信を告げるマーク。……マナーモードにしていた為気付かなかった。
記録を調べると…
「…アスラン?」
高校時、共に生徒会にいた男だ。今でも交流はあることはあるが……いや、ディアッカの方が行き来は多いだろう。日々命を狙われているようなことを言っていた。
全くもって馬鹿馬鹿しい!
俺はあいつ―アスランが気に食わない。現在は当時から一緒にいた煩い女と所帯を持ち、子供もいるという話だ。
……まあ、そんなことはどうでもいい。それ以前に俺は日々研究に勤しむ毎日。あんな奴と話す暇などあるかっ!
携帯のリダイヤルを押し、電話をかけ直す。
俺が忙しい身だということを分かっていようものを……ここは文句の一つでも言ってやらねば気が済まないだろう!
……もしかしたら滅多に連絡など寄越さないあいつのこと、急な用件かもしれんからな
――耳元に続く発信音。カチャっと音が途切れ…
「おい、アスラン!貴様何の用…」
{あぅあ〜〜}
機械越しに伝わる甲高い声に、俺は固まった。
「…え?い、いや…ι」
{あだーあー!○※◆◎△★□$〜!}
……い、一体何を喋っているんだ?ιそもそも何故こんな事が起こる!?
多分電話の向こうにいるのは子供だろう。生まれたての頃に一回会った以来だ。
あれからもう二年……そうか、もうこんなに大きく………じゃないっ!!
一体親は何をしているんだっ!!??
―一方のザラ家
「カガリー、今日の新聞はー?」
「テーブルの上に無きゃナンナだろー?こっちは今忙しいんだから、お前が探せよ!」
洗い物をしている妻に問い掛けてみたが、答えは予想通り。
「はぁーーιまたかι」
昨日は棚と壁の隙間。その前はぐちゃぐちゃにされて読めなかったっけ…ι
子供の成長はいたずらの拡大にも比例する。どこの子供も同じだと育児の先輩は言っていたが。
……一度に男女二人を授かった義理の弟夫妻に、多少の羨みと激しい哀れみを感じずにはいられない。
ふと、ごみ箱を見ると…見慣れた灰色の紙の束が入っていた。
「今日はここかぁ…ι全くナンナは……って、あれ?ナンナ!?」
先程まですぐ側でハロと戯れていた娘がいない。…と思ったら、隣の部屋からはしゃぐ声が聞こえてくる。
……仕方ないな。それでは、可愛くて愛しいいたずら姫を迎えに行きますか……
「ナンナ〜こんな所に…って、どうした?」
ハロが飛び回っている中央で、ナンナは誰かと話しているようだ。しかも、ちっちゃな手で持ってる物は……俺の携帯!!??
「あぅー!あー!」
「ナ、ナンナιちょっ……」
慌てて近寄ると、機械越しに聞き慣れた声が聞こえてくる。
……俺は、そっとスピーカーのキーを押した。
{…あーーιお前の父親はどうした?}
「う?あ〜?□▲◇☆◎※#〜!」
{…うιうぬぅーーι}
ブッ!!っと吹き出しかけてしまった。どうやら電話の相手はイザークらしい。
……さすが我が娘。いたずらで電話をかけてしまったようだ。
.
{あー…えーーι…お、お前の……パ…パパはどうしたんだ?ι}
「パパ?パぁパ?パッパ!」
「しぃーー」
ナンナが見上げてきたが、口元に人指し指を立てた。
「ちぃ?ぱぁ、ちぃーー♪」
『ナンナっ!バラすな!(心の声)』
さすがに慌てたが
{だぁーー!!何を言ってるんだかサッパリ分からん!!(@_@;)}
電話の向こうの友人の嘆きにホッとした。
分からないなら電話を切ってしまえばいいものを…ι
一々付き合いのいいこの友人は、俺は嫌いではない。むしろ、面白味のある奴だと思っている。
「あれ、アスラン?何してんだ?」
「しぃーー」
洗い物が終わったのだろう、カガリが部屋を覗き込んできた。
俺が人指し指を立てながら手招きをすると、カガリは首を傾げながらも、そぉーっと俺の側に座った。
{おい、母親でも構わんから変わってくれ……って分かるか?ι}
「キャッキャッ♪」
{いや、笑われてもだな……ι}
「…ぷくくっιア、アスラン…ιこれって…ι」
何が起きてるのか、カガリにも察しがついたんだろう。今にも吹き出してしまいそうだ。
「律義な奴だよな、あいつ☆」
{あぁーーもうっ!!埒があかん!!貴様いい加減に…!!}
「Σっ!…あぅ……うゅ……ふぇぇー……(;_;)」
{Σわぁーー!!悪かった!!悪かったから泣くなっ!!!}
「ぶっ……あはははっ!!イザーク面白過ぎ!!子供相手にムキになるなってぇ〜〜(≧▽≦)」
{Σ!!??}
「ば、馬鹿……カガリ…バレるって……あーーもう限界だ!あはははっ!!(≧▽≦)」
{あーー!パパぁ!ママぁ!}
電話の向こうから聞こえる大笑いと、それらを呼ぶ子供の声。
わなわなと手が震え始め、頭に血が逆流しているのが自分でも分かる。
そして……ぶちっと何かが切れた。
「き、き…貴様等あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
.
―数日後…
「よく来てくれたな、イザーク♪」
「……ふん。何の用だ…」
俺は憎々しい奴の家に招かれた。奴の腕の中には小さな子供……思い出すだけで忌々しいっ!!
「そう恐い顔するなよιこの前のは不可抗力だったんだ。ちょっと目を離した隙にこいつが携帯を弄ったらしいんだよな……なぁ〜ナンナ?vV」
「あいっ!!」
子供は父親の言葉に反応して、小さな手を上げている。
「ははっ、意味分かってないくせに返事は元気いいんだからな〜☆」
ケタケタと笑う小さな子供…全くいい気なものだ。
……まあ、可愛いと思えなくはないが…
「可愛いだろ〜?vV」
「あぁ………ってΣえっ!?///」
「良かったなぁ〜ナンナ可愛いってさvV」
「キャッキャッ♪」
不覚にも返事をしてしまった。何と腹立たしいことだ!!
……しかし…子供の笑う顔を見ていると…怒ることが馬鹿らしく感じてしまう。
……もういい!過ぎたことだ!水に流して…
「あーあー」
「ん?あのお客さんが気になるのか?あれは『オカッパ』だぞ☆」
「あー?あっぱぁ?」
「はっはっは☆それは皐月が住んでる地域ではとっても危ない言葉だから、ナンナは使っちゃダメだぞぅvV」
「き、貴様あぁぁぁぁぁっ!!誰がウ〇〇だっ!!!誰が〇ソだあぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「あーー?」
終われι
2004年12月某日。
皐月の携帯に不在着信のマーク。記録を見てみると…
「…マキおねぇちゃん?」
…やべぇ、着信気付かなかったιってことで慌ててかけ直すと、呼出し音の後すぐに相手は出て…
「もしもし、おね…」
{…あぅあ〜}
「…へっ?ι(困惑)」
{○▲※□◎$〜(何かを喋ってるのは分かるが、内容は理解不可能ι)}
「………〇〇(息子さんの名前)君?」
{キャッキャッ♪}
「……え…えーっと…ママいる?」
{ママ?まぁま?}
ここで遠くから声と足音が聞こえてきて…
{〇〇ー?何やって……って、アンタ何やってんのぉーー!?}
正直言って、この時はホッとしましたι
ここでおねぇちゃんに変わって、改めて話し始めると…
「私に電話くれた?」
{え?してないよ?}
「ってことは……ι」
全て息子さんの仕業でした(笑)どうやらリダイヤルを押して、私の所に電話をかけちゃったらしいιまだ二歳なのに凄い!!
…という実話から出来た話でしたvV
この時から息子さんからの電話はたまに起きてまして、今ではもう会話を楽しんでます♪
イザークで遊んでしまってすみませんιでも……適役だったなぁ(笑)
ちなみに学園シリーズとはリンクしてません。
それでは、ここまで読んで下さって、ありがとうございましたm(__)m
-91-
GUNDAM SEED / TOP