これって禁断症状?
合宿が始まって、4日。
梨麻に会えなくて5日。
どうやら俺は幻覚が見えるようになったらしい。
合宿には青学(うち)、氷帝、そして立海が参加している。
俺は練習をただしたいだけなのに、何か分からないことによく巻き込まれている。
今もそうだ、桃先輩がストレッチ組もうぜ。と声を掛けてきたかと思えば、菊丸先輩、不二先輩、そして跡部さんや忍足さん、何故かあの赤目に、立海の部長さんが「たまには俺と組もう」と言ってきた。
誰でもいい俺は、構わないと言ったら、ぎゃあぎゃあ騒ぐ始末。
なんなんだろ、この人たち。
どうしようもなくて、部長たちを見たら、部長と立海の真田さんはこめかみに手を当ててるし、乾先輩と、柳さんは面白そうに何かをノートに書いている。
なんとかしてよね、本当に。
そんなことでため息を吐いていると、声が聞こえた。空耳かと思いながら、見ればそこに梨麻がいた。
「リョ、リョーマくん……」
困ったように手を振る梨麻に俺は唖然とした。
幻覚かと思って、眼を擦ってみた。
「……梨麻?」
「えと、なんか久しぶり? あ、でもまだ5日ぶり、なんだよね…」
えへへ、と耳に髪を掛けて笑う梨麻の姿をびっくりして見つめていると、両脇をガシッと掴まれた。
「なっ、海里先輩? 天海先輩?」
「もう、リョーマくん、感謝してよぉぉ〜」
「……感、謝…?」
「梨麻ちゃんに会いたかったでしょ〜?」
「ちなみに梨麻も会いたがってたのよ〜」
二人が話しだすことに驚き、天海先輩がコソッと言った言葉にバッと天海先輩を見た。
先輩はニヤリと笑い、「本当だよ」と言ってくる。
梨麻、と名前を呼ぼうとしたら背後から大声が聞こえた。
「あーっ! 海里に天海!? なんで此処にいるんだよぉ!」
「クスッ、天海? 何、越前にそんなにくっついているんだい?」
「あーん? なんでテメェらがここにいる? 部外者はさっさと出て行きな」
「つーか、何、越前にくっついとんねん。早よ、離れや」
「誰だよ、アンタら!」
「海里と天海じゃないか、フフッ、早く離れなよ」
一斉に話してくる彼らに天海先輩はまたニヤリと笑った。
「やっほー、英二に不二、久しぶり〜。跡部くん、此処には先生方から許可を貰って来ているわ。幸村くんも久しぶりね、あと……」
天海先輩は言葉を途切らせると、ギュッと俺を抱きしめた。
「ふふん、羨ましかろう!」
「「「天海っ!」」」
「お、お姉ちゃんっ!」
先輩たちと同時に天海先輩を呼んだ梨麻。その顔はなんだか怒っているみたいだった。
天海先輩は、アハ!と笑うとゴメンゴメンと梨麻にだけ謝った。
「もう、梨麻ちゃんはリョーマくん大好きなんだから〜」
「お姉ちゃんっ!」
天海先輩が軽口を叩くと梨麻はむ〜って膨れている。
ああいう梨麻もなんだか可愛い。
「げぇ、野原まで来てる」
「くそ〜、海里たち余計なことを〜」
「クスッ、なんで彼女まで」
ブツブツ言っている先輩たちがいたが、俺は天海先輩が離れたのを良いことに梨麻へと近づいた。
「……梨麻、」
「あ、えと……練習、邪魔してごめんね」
「いや、まだ大丈夫だけど、なんで…」
此処に?と聞こうとしたら、梨麻は苦笑しながら、乾先輩たちと話してる海里先輩を見た。
ちなみに天海先輩は菊丸先輩たちと騒いでる。
「お兄ちゃんたちに連れてこられたんだけど……なんか、取材とか言ってたよ。先生たちから許可出たから乾先輩が連絡くれたんだって」
「……乾先輩が?」
ちら、と彼らを見ると気付いたのか手を振って近寄って来た。
「やぁ、越前。今、どんな気持ちだい?」
「嬉しいに決まってるよね〜、梨麻に会えたんだし」
「お前には聞いていないぞ、海里」
「いいじゃん、俺がリョーマくんの気持ちを代弁したって。蓮二は相変わらずだな〜」
「これでも蓮二は海里たちに会えるのが楽しみだったんだぞ」
「へ、そうなの? 貞治」
なんだか昔からの知り合いみたいに会話する彼らに、梨麻と顔を合わせようとしたが、彼女はジッと柳さんを見上げている。
てか、この三人でか過ぎて首が痛くなる。でも梨麻の視線に気付いたのか、柳さんは梨麻を見つめた。
「…………」
「…………」
「…………」
「まだ気付かないのか、梨麻。蓮二だよ、昔隣に住んでた蓮二」
何も言わない梨麻に海里先輩は苦笑しながら、柳さんの肩に手をやっていた。
え、と柳さんに顔を向けると、隣にいた乾先輩が口元を緩めていたことに俺は気付かなかった。
To be Continued
あとがき
合宿に潜入です(笑)
さて途中から、ヒロイン空気で、後からリョマスキーたちが空気になりました(笑)
相変わらず、柳贔屓です。彼はいつだって美味しいポジションを得るのさっ!
内容の通り、柳は東京時代のヒロイン宅の隣にいました。
ヒロインも昔は可愛がってもらってましたよ、きっと、柳は過保護であろう。
王子のヤキモチ、あまり出なかった(苦笑)でもきっとムッとしている。
お読み下さりましてありがとうございました!
2011/11/20
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