ホラーは苦手なんです
倒れたモジャ頭、というかクセっ毛の人は誰も気にしないのか、放置されたままだ。
彼を気にせず踏んだジャージを羽織った人は同じジャージを身に付けているのに、放置って凄すぎる。ついでに倒れてる人が哀れになった。
「リョ、リョーマくん…」
「ん?」
「この人、どうしたらいいの?」
「放っておけば? 幸村さんだってそう言ってたし」
「幸村さん?」
「あぁ、さっきこの人と試合してた人。あの人のテニス、最悪なんだよね」
「最悪?」
「うん。まぁ、梨麻は近づかない方がいいよ」
「う、うん。分かった…」
なんだか怖い感じがしたから、梨麻は頷き、視界に入った未だ倒れてる人をそれでもどうしたらいいのか分からなくなっていた。
とりあえず、しゃがんで肩をトントン叩いてみる。
「…あ、あの〜…大丈夫、ですか?」
「ちょっと、梨麻。放っときゃいいじゃん」
「で、でも、ここにいたら邪魔になるし、危ないし」
邪魔なんだ、と先に出た言葉にリョーマは梨麻をみた。危ないというのが後にくるのも笑えてしまう。
「あぁ、それじゃ誰かに頼んで運んでもらう?」
「そうだね。でも誰に? 私、皆さんのこと知らないし…」
声をかけるとなんか怖いし…そう呟いた。怖いというのは視線がだ。リョーマと一緒にいるのと、彼女という立場にほぼ睨みつけられている。
青学の先輩は知っているが良くは思われていない、氷帝は知らないし、立海も然り。あ、でも蓮二くんは知ってる。
キョロキョロと辺りを見回すと蓮二の姿を見つけた。が、蓮二がスラッとしているのを見て、無理があるかも…と悩んでしまった。
かといってリョーマくんでは体格的に無理があるし……と考えているとガシッと足を掴まれた。
え、掴まれた? 何に?
びくびくしながら、顔を下に向けると足首を掴まれている。癖毛の人に。そしてなぜか目が赤くて、口から緑の液体が出てる。
……ホ、ホラー…
「っ、っ、っ、…」
「梨麻? どうか「ひゃあぁぁぁぁっ!」梨麻っ、どうかしたのっ!?」
あまりの怖さに悲鳴をあげてしまったら、隣にいたリョーマくんを驚かせしまった。
リョーマは梨麻の顔色が青い事に気付いて、どうしたのかと聞こうとして、それが視界に入った。
切原が梨麻の足首を掴んでいるのだ。しかも梨麻はショートパンツを履いている。
「ちょっとアンタ! 何、梨麻の足掴んでる訳? さっさと離せよ!」
「……うるせぇよ」
「ひぃぃぃ〜、は、早く離して……」
涙目になりながら訴える梨麻を見て、リョーマのアーモンド形の眸は吊り上がっていく。
「ちょっと、いい加減にしなよ!」
「テメェこそ……コイツの何がいいんだよ…」
「はぁ? いいから早く梨麻から「コイツはお前の何なんだよ!」……彼女だけど? それが何」
意味が分からないとばかりに、リョーマは切原の手を軽く足で蹴り上げた。
「大丈夫?」
梨麻に話し掛けると、なんとも言えない顔で(涙目で)頷いた。
とても大丈夫そうに見えないがリョーマは梨麻を切原から離れた場所へと移動させる。
ついでに騒ぎに気付いたのか、近くにいた柳、乾、そして真田がやってくると、リョーマが事の顛末を説明した。
切原は真田により叱責をくらい、そして柳は涙目になっている梨麻を見てから、切原にグランド50周と練習量を増やしたのだった。
乾は切原の乾汁の結果をノートに取り、ペナルティーまでも用意して切原を震い立たせた。
「…………リョーマくん、」
「梨麻?」
「他の学校の人も怖いんだね…」
今まであからさまな態度はあったものの、直接何かされたりはなかった。
足首を掴まれただけだが、それだけで梨麻は怖くてしょうがなくなった。
To be Continued
あとがき
久々ですね。
話のオチがないのでだんだん話が詰まっていきます。
どんな話にすればいいのか、うん、分からなくなってきました。
今回は赤也をまた絡ませてみました。短くてすみません。
お読み下さりありがとうございました。
2011/12/25
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