レモンじゃなくグレープ
ぐずぐず泣いている梨麻を連れて、室内へと入った。
正直こんな一面もあったのかとリョーマは少しだけ笑みを浮かべる。
(……どうせなら抱きついてくれても良かったのに…)
ちょっぴりよこしまな思いを抱きながら、リョーマは梨麻を慰めていた。
「こ、怖かっ……」
「梨麻って、ホラーとかダメなんだ。ちょっと意外」
「あ、ああいう不意打ちみたいのはダメなの……」
しょぼんとする梨麻がまた可愛いと思える。
「だ、だってね、小さい頃にお兄ちゃんとお姉ちゃんたちが夏休み中に毎日ホラー映画見て、たから……なんか足を掴まれるのは……」
「海里先輩、天海先輩……」
妹相手になんてことしてるんだろ、あの人達は。
1人っ子であるリョーマには全く分からないことだが、でもなんだか羨ましいのは兄弟がいるということかもしれない。
「ほら、とりあえずこれでも飲みなよ」
さっき買ったファンタを差し出すと「…ありがとう」といって口をつける梨麻。
横で見る梨麻の口唇に何故か目がいく。コクンと溜飲する仕草にドキッとした。
濡れた口唇がなんだか色っぽい。
「リョーマくんも飲む?」
見ていたのに気付いたのか梨麻はファンタを差し出してきた。
このまま飲めば間接キス。でも俺は………前に先輩らに邪魔されなければ。
無言の俺に不思議そうに首を傾げる梨麻。
「リョーマくん? どうかした?」
「…………梨麻…」
「リョーマくん?」
きょとんとする梨麻の頬に手を添えた。
もしかしたら俺の顔は赤いかもしれないけど。
「リョ、リョーマくん……」
「梨麻……」
目を泳がせた後に、フッと目を閉じた梨麻に俺は自然と顔を近付けて、グレープの味がする梨麻の口唇に口唇を重ねた。
「「………………」」
チュ、とグレープの味と柔らかい感触に目を開けると、互いに恥ずかしくなった。
「……甘い…」
「だ、だって、リョーマくんがいきなり…」
「でも嫌いじゃないよ、この味」
「ファンタはリョーマくんがくれたんでしょ…」
真っ赤になる梨麻が可愛くて、ちょっと意地悪したくなった。
ぐにっと梨麻の頬を摘むとびくっとする彼女。その目は多分羞恥心で涙目になっている。
「だから、もう1回」
そういって摘んでいた手を放し、頬を撫でてからキスをした。
前に誰かが言ってたけど、ファーストキスの味はレモン味とか言ってたけど、俺たちに限ってはグレープ味だ。
To be Continued
あとがき
いきなりキスしやがった(笑)
リョーマさんが動いたらこんな話に……。
多分感想で2人きりに、キスなどとあったからかもしれない(苦笑)
皆さんの意見で話が生まれる連載になるかもしれません。
次回は先輩たちがウザイかもしれない(次回もだよ)
お読み下さり、ありがとうございました。感想頂けると嬉しいです。
2012/01/11
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