意識しちゃいます

テニスの王子様

リョーマくんとキスをした。
その事実に梨麻は恥ずかしくて、リョーマの顔が見れない。
既にリョーマたちは午後の練習を済ませ、今はミーティングをしている。
梨麻はリョーマが練習に戻ってからまだ会っていないが、まともに見れる自信がない。
姉から『夕食だよー』とメールが送られてきた為、籠もっていた部屋から出てきたが、その足取りは重い。

「………う〜〜」

廊下の壁に額を押し着け、唸り声を出しているその姿は奇妙としか言い様がない。
最も、本人は恥ずかしさのあまりどうしようもなくているのだ。

(……リョーマくんにどんな顔して会えばいいの〜〜…)

なんだか泣きたくなる感じがしてきて、梨麻はその場にしゃがみ込んだ。

「梨麻? 何してるの?」

「リ、リョーマくんっ!」

聞き慣れた声にビクッと肩を震わせて、顔を上げればどこか呆れたように見てくるリョーマの姿があった。

「夕飯、食べないの?」

「た、食べる、よ…」

「じゃ、行こ」

「え、あ…」

グイッと腕を引っ張られ、立ち上げるとそのまま食堂へと向かう。
リョーマくんが1人でいるなんて珍しいと思ったのも束の間、食堂に入ると皆さんがリョーマくんを待ち構えていました。

「越前、どこに行ってたんだよ」

「おチビー、早く早く場所取って置いたよ!」

「アーン? 越前、たまにはこっちで食えよ」

「そうやで。せっかくの交流合宿なんやから、学校別じゃなくてもええやろ」

「そうだせ、越前。俺の隣に来いよ!」

「なんで向日先輩の隣なんですか」

「昨日は氷帝んトコで食ってたんだから、今日は立海だろ、越前リョーマ」

「たまには俺たちと食べんしゃい」

またしてもカオスだ。
梨麻はなんとなく逃げたくなった。キョロキョロと辺りを見渡して、隅にお兄ちゃんとお姉ちゃん、蓮二くんと後輩を踏んでいた人がいるテーブルを見つけた。
「あ、」と声を出す前に梨麻と目があった柳が席を立った。

「梨麻、越前。こっちだ」

「……柳さん?」

リョーマは名前を呼ばれたから振り返り、柳たちがいる席を見つめる。
傍らの梨麻を見てから、腕を引っ張りそのテーブルへと向かった。

「おい、越前!」

「そっちで食べます。柳さん、ありがとうございます」

「あぁ、気にするな」

「ちょ、ズルいっスよぉ、柳先輩! 俺もそっちに行ってもいいっスか?」

「悪いが赤也、席は埋まっている。そちらに座ってくれ」

「えぇー、くそっ! ズリィ!」

確かにテーブルは六人掛けだ。
梨麻、リョーマ、海里、天海、柳、幸村で埋まってしまう。
隣の席には、乾、手塚、真田、河村が座っているが、席は空いてはいなかった。
席に近づくと座っていた天海が手を振ってきた。

「梨麻〜、迷わなかった?」

「う、うん……えと、お邪魔、します…」

天海の隣に座ろうと思っていたが、彼女の隣には柳が座り、その隣は海里がいた。
海里の向かいに幸村がいて、梨麻は幸村に挨拶をしながら、天海の向かいに腰を下ろした。

「そういえば梨麻には紹介したことがなかったな」

柳が幸村を見てから、梨麻に顔を向けた。

「え、あ……あの幸村さん、ですよね」

「知ってたのか」

「えと、さっきリョーマくんに教え……」

チラッとリョーマを見た時に視界に入ったのが口唇で、梨麻は語尾を小さくしていく。
次第に顔を赤くして、俯いてしまう。そしてまた目に飛び込んできたのはファンタのグレープ。

「ほら、越前。君はこれだろう」

不二がリョーマのお気に入りのジュースを持ってきた。
ボンッと赤くなる梨麻に、周りの柳たちは首を傾げた。
だが、リョーマはそれと梨麻を交互に見て少しだけ笑った。

「……まだまだだね」

その頬を少しだけ赤く染めながら。
テンパっていた梨麻は、リョーマの隣に座っていた幸村さんの自己紹介はあまり頭に入らなかった。
後から、改めて自己紹介した時に不二先輩とどことなく似ていて、背筋がゾクッとしたのは内緒にした梨麻だった。
それでもリョーマの姿を見るたびに顔を直視出来なくて、顔を覆ってばかりの梨麻にリョーマは嬉しくていたのを知るのは極僅か。


To be Continued



あとがき

久しぶりの更新で、ちょっと話が訳分からない状態に(苦笑)
前話でキスをした2人ですが、リョーマはあまり出さないものの、互いに意識しております。
だってまだ中1だし(笑)
っていうか幸村が空気!エア幸村!まぁあまり出張ってこられるのも困りますね(苦笑)
まぁそれをいうなら兄姉も柳たちもですがね。

どこまでどう話にしたらいいのか分からなくなりました。
とりあえずお読み下さりありがとうございました!


2012/02/03


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