ファーストフードにて
一緒に帰ろう。と可愛らしく頼まれたからには校門で待たない訳にはいかなかった。
否、可愛らしくなんていったらリョーマくんに怒られるだろうけど、彼は格好良くて、可愛いのだから仕方ない。
校門脇にもたれながら、携帯を弄っているとタッタッタッと足音が聞こえて来た。
携帯の時計を確認すれば6時過ぎ、部活が終わったんだろう。
顔をあげると、やはりというかリョーマくんが走ってきた。その割りには涼しい顔でだけど。
「お疲れ様」
「ん……」
「どうかしたの?」
「……腹減ったなぁって」
「じゃあ、どこかに寄る?」
そう提案すると頷くリョーマくんに駅前に行こうと言われ、連れだって歩いていった。
テニス部での話をちらほら聞きながら、私は違う事を考えている。というか背後からくる視線を感じていた。
(……きっと、偶然を装って現れるんだろうな…)
そんなことを思いながら、駅前にあるファーストフード店へと向かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「リョーマくん、何にする?」
「ビッグバーガー3つとファンタ。アンタは?」
「私? 私は「あれ〜、おチビじゃん」…………」
リョーマとカウンター前で選んでいると後ろから聞き覚えのある声がした。
振り返るとやはりというかなんというか、テニス部レギュラー(リョーマ除)が勢揃いしていた。
手塚先輩までいるなんて……リョーマくん、恐ろしい子!
「先輩たち……何してんスか?」
「何って腹減ったからみんなで食べに行こうぜ、ってなったんだよ」
「手塚部長やタカさんまで?」
「あ、ああ」
「たまにはいいかなって思ってね」
「ふーん」
ゴホンと咳払いをしながら答える手塚先輩と、アハハと苦笑しながら頭を掻いている河村先輩に、リョーマくんは珍しいとばかりに見ている。
その間に私は注文して、会計を済ませた。
「おっチビ〜、どうせなら一緒に食べにゃい?」
「うわっ! 何するンスか! 菊丸先輩」
菊丸先輩がぐわしっ!とばかりに抱きついている。
リョーマくんは暴れていたが、私がジーッと見ていると「決まった?」と聞いてきた。
「あー、うん、注文したよ」
そう言った直後、店員さんがお待たせいたしましたーと元気にトレイを手渡してきた。
さて、どうするべきかと思っていたら、リョーマくんにトレイを奪われてしまう。
彼は先輩たちに向かって「じゃあ、オレら行きますね」と言って、ほら、とばかりに眼で促された。
「え〜、おチビ一緒に食べようよ〜」
「そうだよ、越前。大勢の方が楽しいだろ」
菊丸先輩のみならず、不二先輩までが行こうとするリョーマくんを止める。なんか視線が痛いです。
「……せっかくのデートなのに先輩たちいたら邪魔じゃないスか」
ため息混じりに話すリョーマくんだが、とばっちりは私にくる。
桃城先輩なんて睨んでくるし、不二先輩はニコニコと笑っているが見えない青筋が私には見える気がする。
「ほら、行くよ」
「え、あ、うん…」
再度促された私はペコリと頭を下げて、リョーマくんの後を追った。
因みに頭を下げてくれたのは大石先輩と河村先輩くらいなもので、乾先輩はなにやらノートに書き込み、手塚先輩に至っては無表情でこちらを見ていた。
なんか、怖いね。本当に。
To be Continued
あとがき
レギュラーを出しました。はっきりいって彼らはリョーマしか目に入っていませんが、ヒロインのことは知っています。
知っていてヒロインを見ないふりです(苦笑)
むしろ認めたくない、といった感じです。
2011/10/10
-3-
王子様はモテモテです top