ライバル宣言

テニスの王子様

今日も今日とてリョーマくんはモテモテだ。
帰宅部である私は真っ直ぐ帰ろうとしたら、お兄ちゃんとお姉ちゃんにテニスコートまで連れて来させられた。
お姉ちゃんが言うには校内ランキング戦という、ひと月に一度試合をしてレギュラー選抜を行っているらしい。強さの秘密はそれか〜と思いつつ、お疲れさまですとも思った。
因みにお兄ちゃんたちは取材らしい。なんで、私も?と疑問を抱いていると、お兄ちゃんが頭をポンポンと叩きながら、親指を立てた。

「だってリョーマくんが寄ってくるだろ☆」

ナイスアイディア俺!とふざけたことを言ってるお兄ちゃんの親指を逆向きにしてやろうかと考えていたら、声を掛けられた。

「あ、あの……野原さんも、リョーマくんの応援に来たの…?」

おずおずといった感じで聞いてきたのは、長い三つ編みの、確か……竜崎さんだったろうか。その隣には「リョーマ様ぁぁ!」と騒いでいる子がいた。
あっちは確か、リョーマくんの親衛隊?とか言っていたような気がする。
だけどいくら公式戦ではないとはいえ、テニスの応援ってこんなに騒がしくしてていいのかな?と疑問を抱く。
結構どうでもいいことを考えちゃうんだよね、私。
ボーッとしていたのか、「あ、あの!」と声をかけられた。

「え、あ、ああ……ごめんね。……まぁ、うん、応援?」

「ちょっと! なんでそこで疑問系なのよ、野原さん」

曖昧に答えたのが悪かったのか、さっきまで騒いでいた子がギンッと目を吊り上げながらこちらを見ていた。

「と、朋ちゃん……」

「えっと、ごめん。試合してるの知らなかったし…」

部活の話は聞いていたが、よく知らないせいか、ランキング戦とかをやっているなんて知らなかった。

「知らないって、アンタそれでもリョーマ様の彼女なの! 信じられないっ!」

「と、朋ちゃん……声が大きいよぉ〜」

ランキング戦でレギュラー選抜をしてるだけあって、試合中の選手は集中しているが、見ている1年生や、試合していない人たちはなんだなんだとこちらに注目していた。
リョーマくんも騒ぎに気付いたのか、こちらを見ている。あ〜、邪魔はしたくないのにな…。

「えー、と……話あるなら向こうで聞くから移動しない?」

まだ何か言いたそうな彼女にコートから離れようと指を差したら、興奮しているのかフンッと鼻息を大きくさせて、ヅカヅカ歩いていくのに付いていった。


   ◇◇◇◇◇◇◇◇◇


コートから離れた場所に移動すると、『朋ちゃん』と呼ばれる彼女と向き合った。

「えと、あなた名前何て言うの?」

まず名前を知らないと会話にならないと思い訊ねたら、信じられないという顔をされた。え、有名人か何かなの?

「私は小坂田 朋香。リョーマ様ファンクラブの会長よ」

ファンクラブまであるんだ、としみじみリョーマくんの人気は凄いだな〜と考えていると、その小坂田さんがビシッと指を差して来た。
人を指差しちゃいけないって知らないのかな?

「言っておくけど、あなたがリョーマ様の彼女だなんてファンクラブは認めてないから!」

「……………は、ぁ…」

「何よ、その気の抜けた返事は。私はリョーマ様が入学した時からファンなんだからね」

勝ち誇ったかのようにフフンと言われて、どうしたもんかと悩む。
因みに竜崎さんは彼女の横でおろおろしている。
ジーッと見ていたら視線に気付いたのか、何故か悲しそうな顔をして俯かれた。
あぁ、この子もリョーマくんが好きなんだな、と気づく。
先輩たちだけでなく、やはり女子にもモテモテなリョーマくん。
自慢したい唯一の事がリョーマくんだが、別に優越感を得体訳ではない。
むしろ、何故か胸が痛い気がする。

「…………ふーん、」

何故かそんな応えしか出来ず、会長さんは怒って言ってしまった。もちろん、竜崎さんも。
一方的とはいえ、ライバル宣言をされた私はリョーマの姿を見ることがなんとなく出来なくて、そのまま家に帰ることにした。

勘違いから始まったお付き合いだが、どうなるのだろうと考えながら。



To be Continued



あとがき

今回は女の子たちを出しました。朋ちゃんがちょっと…ごめんなさい。
そしてヒロインの気持ちも多少なりと変わってきました。元々は罰ゲームかなんかだと勘違いしてOKしたので、成り行きで付き合っているんです。嫌いではないし、好きでもまだ恋愛の好きではなかったので(苦笑)

そしてまた贔屓で立海の彼が絡むかもしれない(苦笑)


2011/11/11


-8-

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