あなたの願い事が叶いますように
粉雪が舞うクリスマスイブ。
都心では珍しいホワイトクリスマスだ。
ふわり、ふわり、と手袋の上に降りてくる雪を見つめ、見える雪の結晶に綺麗と呟くけれど、それは瞬く間に溶けて消えていく。
こんな風に自分の気持ちも消えてしまえばいいのに……。
名前は苦笑を浮かべて、ふわふわと雪が降りてくる天を見上げる。
不思議な光景に別次元にいるような感覚に陥る。
小さな頃、一緒に同じ天を見上げた幼なじみはロマンチックのカケラもなく「ゴミが落ちてくるみたいだよね」と笑っていた。
幼心にそうかもと思ったりもしたが、やはり不思議な光景はゴミではなく雪が降りてくる。
目を閉じて、幼なじみを想う。ずっと一緒だと思っていたが、それは独りよがりだった。
彼は夢を追っていた、駆けていく彼。私は置き去りにされた。
天を見上げ、涙が溢れた。
あぁ、わかった。この不思議な光景がなんなのか。
この世にまるで独り置き去りにされたような感覚なのだと。
そっと両手を天に掲げ、目を閉じる。
May your Christmas wishes cone true
呪文のように、そっと囁く。
あなたが、元気になりますように
あなたの、願い事が叶いますように
それが私の願い事
精市に幸せを……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
粉雪を見つめ、俺は好きな子を想う。
幼なじみで、大切な君。
いつからか離れ離れになってしまった俺たち。
いつになったら、彼女と昔のように話せるのだろう、からかえるのだろう、手を繋げるのだろう
指先に降りて来た雪はサッと溶けていく。
願うが叶うならば、届けて欲しい。名前が好きだということを。
天を見上げて、目を閉じた。
雪にそっとキスをして、彼女を想う。
好きだよ、名前
会いたいよ……
君に、会いたい
END
あとがき
なんだか突発的に書いてしまいましたが、意味が分からない。
多分、幸村は中2で入院中のクリスマス話。
ヒロインは幼なじみだけど、幸村と距離を取ってしまい、会いに行きたくても行けなくて、ただただ願う話です。
せっかくのクリスマスなのに切なくてごめんなさい。
でも結果的には両思い。
お読み下さり、ありがとうございました。
2011/12/25