サンドウィッチ

Treasure

「おいし〜vv…最後の一個、貰い〜!」

蜜柑がお皿のクッキーに手を伸ばした。すると…

バカン!

バカン砲で撃たれた。

「ほぉ〜たぁ〜るぅ〜!」

蜜柑は怨めしそうな目で蛍を見るが、当の彼女は何食わぬ顔で最後の一枚を頬張った。

「あんた食い意地張りすぎや!」
「そうかしら?」

蛍は、しれっとしている。

「…太っても知らんよ」

ボソッと呟くと、蛍はバカン砲を構えていた。

バカン!!

「蛍の地獄耳〜」

そういいながら蜜柑は吹っ飛んだ。

「…そう言うあんたもよ。ちょっと太ったんじゃない?」
「え!?ほんま?ショックや…」

(あら泣いたわι冗談のつもりなのに)

だが、蜜柑はすぐに落ち込むが、復活も早かった。

「よっしゃ!ウチ、ダイエットする!!痩せたるで〜!!」

蜜柑は手の甲で涙を拭い、拳を突き上げた。
そして、自分の部屋に去っていった。

「あれは本気ねι…面倒だから放っておきましょ」

ドライな蛍であった。


―数日後の朝―

蜜柑は朝食を殆ど食べずに寮を出た。

「…おはよ〜。って、まだ誰もいるはずないかι…あれ?」

教室に入ると、急に目眩がした。
床に倒れると思ったが、誰かに受け止められた。

「誰?…え…棗?」
「何ボケてんだよ?」
「いや…なんであんたがおるんかなぁ、と思って…」
「いちゃ悪ぃかよ」
「べつに…」


二人は椅子に座り、沈黙…


それを破ったのは棗だった。

「おい。なんで最近飯食ってないんだよ?」
「ダイエットや。蛍に太ったって言われたんや」

「おまえ、太ってなんかねぇよ。むしろ他の奴より細いぞ」

蜜柑は意外なことを言われ、ビックリした。

(元気付けてくれてんかな?なんだか嬉しいなぁ)

「それに、一番先に痩せるのは胸って知ってるか?」
「え!?そうなん!?」
「まぁ、おまえは減りようがねぇけどな」
「なんやて!!」

(前言撤回!やっぱり棗は棗や!!)

「これでも食っとけ」

棗は蜜柑の口にサンドウィッチを突っ込んだ。
蜜柑はそれを一口食べると、満面の笑顔になった。

「おいしい!」
「そりゃよかったな」

棗は、いつもの意地悪な笑みではなく、嬉しそうな優しい笑みを浮かべた。
すると…

(な、なんや!なんか胸がキュウ〜ってする///…棗の笑顔って、なんか反則や///)


「なぁ、なんでウチがご飯食べてないの気付いたん?」

食べ終わり、蜜柑は棗に聞いたが…


「さぁな…」

棗は答えなかった。


「なんや、それιま、ええかv
棗…ありがとう」
「どういたしまして」




言えるわけないだろ…

「おまえのこと、ずっと見ていたから…」

なんて///




【Fin】



■後書き■

久しぶりの棗蜜柑でした。
蜜柑は自分の気持ちに気付いていません(^-^)
ちなみに、サンドウィッチは棗のお手製だったりします(笑)

マキ様、6000&リク
ありがとうございました。
2005.1.15


琉架さんのサイトからキリリク頂きましたvV
キャー!!キャー!!と読んだ時ニヤけました〜★
蜜柑も可愛いけど、棗が可愛すぎ!!
手作りサンドウィッチ…いいなぁぁ〜vV
ありがとうございましたvV


'05/1/16


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