02

Treasure

「あ・・・じゃぁ花火取りに「ピッヨーーーーvV」!?」







流架がそういいかけた瞬間突然大きな声(?)が鳴り響く。




「「「!?」」」
「ピッヨォォォォォ☆(翻訳不可能)」







どたどたと地面を揺らすような足音
そしてご丁寧にも(翻訳不可能)という説明つきのあの鳴き声










「そ・・・そっか、ここって北の森・・・・・」
「どうせまた飼育小屋から逃げ出したんだろうな」
「ぴ・・・っピヨ・・・・・・・!!」







淡々と説明をする二人の隣で流架は頑張って抱きつきたい・・・
というか本性をだしたいという願望を押し殺しながら
平静を装っている。







「〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
「・・・・・・・・。」







そんな流架をみながら棗は溜息をついた。
そしてぐいっと蜜柑の首に腕をかけ引っ張る






「っ!?」
「おい流架。俺、用思い出した」
「なっ・・・・棗!?」
「しばらくは帰らないから好きな事やって待ってろ」
「ちょっ棗!!何言っておんねん!!」
「うるせぇ水玉は黙ってろ」
「なっ//////このイヤミギツネーーーー!!!」







棗はそう叫ぶ蜜柑を無視しくるりと背をむけて
スタスタと流架から離れていく











「・・・・・・・・あ・・・・」










流架は棗の真意に気がついたのか誰もいない事を
確認して異世界の住民と化した。



         ***




「ちょぉっ!!棗!!あんま首引っ張らんといて!!」
「・・・・・ギャァギャァうぜぇんだよ」
「うざ・・・って////あんたのせぇやろぉ!?」








蜜柑はひとまず離してもらった首をさすると
未だ棗が何故にあの場を離れたのか理解できず首をかしげる。











「なぁ・・・棗、なんで流架ぴょん置いてきたん?」
「用思イ出シタカラ」
「その片言っ絶対嘘やろ!?・・・・・なんでなん・・・?」







蜜柑はずんずんと歩いていく棗に小走りでかけより
顔を覗き込んだ。
だんだんついてきた身長差のせいでいくらか上目遣いになった








「・・・・・・・っ////あそこにいたのはなんだ」
「・・・・・ビッグピヨ・・・・」
「流架の様子お前は見たか?」
「へ・・・・・・・・・・あ!!!」








蜜柑はぽんっと手を叩き納得といった表情で頷く。
そして棗がなんであそこから離れたのかがわかると
なんだか温かい気分になってくる











「棗、優しいなぁ」
「どこが」
「なんだかんだ言ってすっごく気遣っておるやん」










棗の即答に蜜柑は笑いながら説明する。
憎たらしい事をいいながらも周りの人間を常に気遣って
自分が損をするような事でも何も言わずやりのけるトコロ。












「ウチ棗のそういう所は大好きっ!!!」
「・・・・・っ!?」
「もちろん嫌味な事言われるんは嫌やけど・・・・・」












蜜柑は大して何の意味をこめたわけでもなくただ
純粋に「大好き」と言ったが実際に言われた方は顔を背けると
真っ赤になる顔を手で隠した




「ん?どうしたん棗。顔隠してしもうて・・・。」
「・・・・・お前のブサイク顔が近づいたから」
「なっ///////ブサイクは余計や!!!!///////」
「あぁそうかよ。」
「むぅ____________っ/////」






あえてポーカーフェイスで。
気づかれてはいけない気持ちだから






沈黙が流れた。
どうしても棗と居る時は会話が続かない
とぼとぼと行く宛もなしに歩いているようだった。






「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・疲れた」
「は?」






突然の棗の言葉に蜜柑は一瞬立ち止まる。
棗は「疲れた」とだけ言うと近くの木の側まで行き
蜜柑の事などすっかり忘れているのかという感じで座ってしまう。









「な・・・っ、疲れたってあんた・・・;」
「どうせ行く場所なんてねぇんだから休ませろ」
「〜〜〜〜〜〜っ、蛍達帰ってくるかもしれへんやん・・・」
「あいつらなら流架の方が大事だろ(写真売るのにぴったりだし)」
「・・・・・・・なんでやねん・・・・」









蜜柑もしょうがなしに棗の側までいき
立ったまま木によりかかる。






「花火終わっちゃったんかな―――――・・・・。」
「さぁな」
「・・・・・・・・・・もうなんやねん・・・」











そして再び訪れる沈黙
生暖かい風が二人の間を通り抜けた
















ザワァアアアアアアアアアアアアッ














「___________っ!!!」
「なんだよ」











突然寄ってくる蜜柑に嬉しさを感じながらも
怪訝な面持ちで見返す。







「な・・・||||なんかぶぶぶ不気味やなぁ―――――って・・・あはは」
「怖いのかよ」
「怖くない!!く・・暗いのが嫌いなだけや!!!」











否定になっていない言葉に棗が呆れて溜息をつく。
蜜柑はいちいち風が吹くたびに、物が揺れるたびに
音が立つたびに、とにかくどんどん1cm、1cmと
棗に近づいていく。








「・・・・・・・・・・ハァ」












グイッ











突然肩を強い力で引き寄せられたかと思うと
温かい体温が身体を包み込む











「な・・・っ/////////」
「好い加減うざい」












蜜柑が見上げると棗がそっぽをむいて
肩に手を回してきている。












「・・・・・・・ありがとう///////」
「黙れ」










その行為に甘えて肩にある手とは反対側の手に
自分の手を添える



「棗あったかい__________・・・」
「・・・・・黙れ・・・・//////」










再度「黙れ」と繰り返しても添えられた手は
未だに離れずむしろ余計強く力を加えられる。



















温かい――――――――――・・・・・



















手から伝わってくる温もりが存在を感じさせる
肌に靡く、くすぐったい栗色の髪







































理性崩壊まっしぐら





























「おい水玉」
「なんや・・・・・」
「こっちむけ」
「は?」















強引に向かせ頬に両手を添える
吸い寄せられるようにキスをした










「ん・・・・っ・・・・//////」











漏らされた声に角度を変えてまた唇をおとす




















「な・・・/////棗・・・・・//////」
「うるさい、喋るな」





どんどん奥に入ってくる深いキスに蜜柑は
涙目になりながら抵抗しようとするがだんだんその力も
薄れていきなされるがままになっている






「せ////せやかて・・・/////」
「前みたいに唇切ったら困るんだよ」
「な・・・っ////////・・・あれは・・・ごめん・・・・」
「大人しくしてろ」






"前みたいに"という言葉に一気に赤くなる蜜柑に
不意をついてまたキスをする



































「・・・・・・っ」






蜜柑はやっと開放された唇をかみ締め
バクバク高鳴る心臓に真っ赤になっていた。




「少しはうまくなったんじゃねぇの?」
「何が」










そう聞いたのがいけなかった。
棗は悪戯な目をし耳元に顔を近づけると囁く





「何って・・・キ「言わんでええ!!!」・・・・そうかよ」























花火みたいな"ウタカタ"ではなく










今しっかりここにある確かな証













まがいなりにもこれは"恋"















「戻るぞ/////」
「・・・・うん__________/////」





















素直 じゃない のは 上等








こんな 恋も いいかも しれない








なんて







思う この 夏の 夜







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まずは初めに読んでくださった方、訪問してくださった方に
80000hitありがとうございます!!!
今回のフリー小説は選択式という方法をとらせて頂きました〜
最初は三角関係というのも考えたのですが
それよりもどっちか直線(←?)の方がいいのかなぁと。
もし貰ってくださると言う奇特な方は掲示板などで報告して下さると嬉しいです♪

もちろんどちらか一方でも構いませんし、または
両方でも構いません。(貰って下る方がいればのお話ですが・・・)

    

           ***
   

『夏祭り』ずっと書きたかったお話ですね〜
おかげでちょっと早めになってしまいました(七月やん・・)
微妙に七夕とも重なっていると言う・・・・おーい待て。という感じですね
それではここまで読んでくださった方ありがとうございました♪
これからも管理人ともどもどうぞよろしくお願いいたします!!
では失礼致しました〜。


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