Life is love
流れるような栗色の髪。
大きな瞳は純粋に染まって。
端正な顔立ちに、どこか幼さを残す愛らしさ。
小柄な体つきに似合わぬスラリと伸びた手足。
その美しさに目を見張るほど誰もが振り向いた。
艶やかな黒髪。
赤い燃えるような瞳。
綺麗な顔立ちと、細身の身体。
バランスの取れたその容姿。
息を呑むその美しさはまさしく誰もが惹かれる。
これは2人の恋人のお話です。
+. * Life is love... * .+
「あーもう、遅いやん!
何やってるんやろ…。」
ぷくっと膨らました頬は、寒さからかほのかに赤く色付いていた。
約束の時間を20分も遅れてくる"彼"に悪態の1つでもぶちまけたいが今日は特別な日、出来れば喧嘩はしたくない。
「はーっ…寒いぃ〜。」
白い息を吐き掛け、あまり変わらぬ自分の手を見つめるが、その小さな手は赤くなっていた。
「忘れてるんかな…。
いくらなんでもそこまで残酷と違うし…。」
ぽつりと呟く言葉に覇気がない。
下を向けば涙が零れそうになる。
目頭が熱くなり、鼻先がツンとしてきた。
――あかん泣いたら!!!
今日は笑顔でいたい。
―ぽすっ
誰かの温かい胸の中に抱き込まれた。
「ふえ…?」
そろ〜っと顔を見てみれば愛しい"彼"の姿が目に入った。
「悪ィ、遅れた。」
ハァ、ハァと息を荒げフッと微笑みかける"彼"に溜め込んでいた不安が一気に溢れ出す。
「ッ…棗のアホっっ!!!
遅すぎや!!!
…来てくれへんかと思った。」
ぎゅうっと抱きしめる腕に力を込めると、蜜柑もそれに答えてくれる。
「来ねぇわけねぇだろ。
今日は、俺とお前が付き合い始めた日だからな。」
ニヤリと不敵な笑みを溢すと、蜜柑はまた棗に抱きついた。
「これを買いに行ってたんだよ。」
ゴソゴソとコートのポケットから小さな白い箱を出した。
「なんなんこれ?」
きょとんとした顔で棗を見つめる。
「開けてみろよ。」
「え?あ、うん。」
そっと、慎重に箱を開けると…
シルバーのシンプルな指輪が光る。
「わぁっ!!!
綺麗…っ///」
目をキラキラと輝かせ、きゃっきゃっとはしゃぐ。
「ほら、貸してみろ。」
蜜柑から、指輪を受け取ると左手薬指にはめてやる。
「こ、これって…えっ///!?」
おろおろと慌てる蜜柑に呆れる棗の眼差しが突き刺さる。
「普通、男が女に渡す指輪のプレゼントって言ったらエンゲージしかねぇだろ…。」
なんでコイツはあっけらかんと照れくさいことが言えるのだろう。
「…………//////」
パクパクと金魚のように口を開けている蜜柑にもう一度真剣な目を向ける。
「俺と、結婚してくれ。」
「な…っ/////////!!?」
驚き焦る蜜柑にもう一言。
「てか結婚しろ。」
「命令かい!!!」
さっきまでの甘い雰囲気はどこに行ったやら。
けれど…
「はい…///」
甘い口付けを交わし、もう一度確かめるように誓いを交わす。
Fin.暁拝.
『LOVE UNLIMITED』様との相互小説です。
マキ様以外はお持ち帰りしないで下さい。
(する人はいないと思いますが…;)
『LOVE UNLIMITED』は『恋する蝶のように』の旧名です