素直をお届け

Treasure

廊下を走る蜜柑

「…蜜柑」

棗が蜜柑に話しかける

「あっ棗っ、また後でなっ」

バタバタと急ぐように特力クラスに向かう蜜柑

「…………」

無言で立ち尽くす棗

「ねぇ…蜜柑見なかった?」

廊下に立ち尽くす棗に蛍が話しかける

「知らねぇ…」

棗は機嫌が悪そうに特力の教室を睨む

「………」

蛍が特力クラスに向かって歩き出す
蛍が特力クラスを覗くと蜜柑と翼の姿があった

「翼先輩っ、遅くなってホンマにごめんなぁ!」
「お、チビ!!買っといたぞ〜っ」
「わぁっ、ほんまにありがとな翼先輩っ☆…好きやろうか…?」
「ああ!そうだな!きっと大好きだぞ〜っ」

笑いながら蜜柑を抱っこする翼

「きゃははっ、何や翼先輩、殿先輩に似てきたなぁ」
「げっ…それって、かなり…やばくねぇか…?」
翼がひきつる

「…蜜柑…ノート」
「あっ蛍や!!」

蛍は蜜柑にノートを渡すと教室から出ていった

「ありがとな蛍〜っ」


廊下には、さっきと同じ場所に棗が立っていた

「…………」

無言で通り過ぎる蛍

「…おい」
「何…?」
「蜜柑…」
「フフ…気になるの…?蜜柑に直接会いに行けばいいじゃない…私が見た時は…好きとか何とか言い合ってたわね…」
「…………っ!!?」

蛍の言葉を聞いた棗は慌てて特力に走って行った

「………ホワロン手に持ってたから…ホワロンが好きかどうか言い合ってただけ…だと思うけど…」

ボソッと棗が行った後に呟く蛍




「…蜜柑っ!!」

ドアを強く開ける棗

「あっ、棗や」

翼に抱っこされている蜜柑

「…………っ」

翼を睨む棗

「おお…!?な、何だよ」「離せよ…」
「あ―…はいはい」

翼が蜜柑を降ろす

「なぁなぁ棗もホワロン好きやろっ?あんなっこれ…」

棗の側に走り寄る蜜柑

「…いらねぇ…」
「なっ…何でアンタはいっつもそうなんよ!!もっと幸せな反応でけへんの!?なぁ翼先輩!」
「へっ、え―…あ、うん」

翼がキョドる

「……………」

蜜柑に炎をつける棗

「ほわちゃぁあっ!!!……なっ何すんねんっ」

蜜柑が慌てて炎を消す

「テメェがベタベタしてる前で何が幸せだよ…」
「ベタベタなんかしてないやろっ」
「してんじゃねぇか…」
「な、何なんアンタ!!意味分からん事で喧嘩売るなっ」
「まぁまぁチビ…落ち着けって…」

翼が蜜柑を止める



「…お〜い…大丈夫か〜…?」

悔しそうに立ち尽くす棗に翼が話しかける

「…………ちっ」

ガン!!!

翼のイスを蹴り倒す棗

「あっ!!何しやがるっ」
翼がイスを直す

「影野郎…蜜柑に近づくんじゃねぇ…」
「いや…そんな事言っても俺とチビは授業一緒だしな…」

翼が困る

「テメェが授業出なきゃいい話だろ…」
「ああ!?無茶苦茶だな……面倒くせぇ嫉妬だよな〜…」
「うるせぇ…!テメェに言われたかねぇ…」

落ち込む棗

「………もっと素直になってみろよ!そしたらチビにも伝わるかもな!」

翼が笑いながら棗の肩を叩く

ボッ…―

「だぁぁあっちぃ!!!」

翼の手に火をつける棗

「……おい」
「あ…?(このクソガキ#);;」
「協力しろ…」
「協力?…何のだよ?」

翼が面倒くさそうにする

「テメェが言ったんだろっ…素直になれって…」
「……………まじか?」

棗の言葉に驚きを隠せない翼

そして棗の特訓(?)は翼の協力を得て…始まった


「棗っ☆え〜と…これなっ…!///う〜ん…ウチが作ったんですのよぉ(?)」

殿がモジモジしながら棗にマフラーを渡す

「……」

無言で殿を睨む棗

「おいおいおいおい!!!駄目だ駄目だぁ〜っ!!お前素直の特訓してんだろ!?こういう時はなぁっ…」
「相手にならねぇ…」

棗が呆れる

「あ…?ちょ聞いてんのか!?」

殿がマフラーを片手に怒る

「…………大体何でコイツ(殿)がいんだよ…」

棗がうんざりする

「…知らねぇよ…途中で教室に入ってきたのお前も見ただろ…」

翼が殿を呆れた目で見る

「…はぁ…テメェに頼んだ俺が悪ぃ…」
「おっ!!だよなぁ〜!だからお前がチビちゃんやれ!」

殿は棗にマフラーを渡すと素早く髪を二つに結んだ

「ぷっ…わははははっ!!」

棗の可愛さに殿と翼が吹き出す

「テ・メ・ェ・等…」

黒いオーラを放つ棗

「だはははっ!!怒んなって!可愛い可愛いっ」

殿が棗の頭を撫でる

ぎゅむ〜…

棗が殿の足を踏みつける

「あだだだだっ…!!このクソガキ〜っ…」

こうして特訓一日目にして殿に『棗素直になろう』作戦はバレ、更にややこしくなっていった...




『棗・素直になろう』


特訓三日目…

「ウチ…が…作った…」

棗が嫌々殿にマフラーを渡す

「ありがとうハニーvVん〜…Vv」

殿が棗にキスをしようとする

「…っ!!?テメェ近づくんじゃねぇ!!!」

バチーン…!!!!

棗の平手打ちが殿の顔にクリーンヒットする

「炎じゃなく拳でもなく平手打ち…!?…なんてか…素直より…女の子っぽくなってんなぁアイツ…」

翼が呆れる

「いってぇ〜…容赦なく平手打ちしやがって…」

殿が痛そうに頬に手を当てる

「じじいが悪いんだろ…;」
「…………フン」
「いいかチビ!素直って言うのは、何かしてもらう事に対して感情を出す事にあんだぞ」

翼が話し始める

「おっ…なかなか良い事言うじゃねぇか翼!」

殿が関心する

「…もういい……やめた」


棗は無愛想にポケットに手を突っ込みながら教室から出ていこうとする

「あっ…あとな、あの時チビは俺が好きとか何とか言ってたんじゃねぇぞ」
「あ?」
「チビはお前がホワロン食べて笑う顔が見てぇんだとよ…なのにお前と来たらホワロンより嫉妬に心がいっちまって笑う所かチビを傷つけた…」
「………」

棗は黙って教室から出ていった

「まったく…世話が妬けるなぁ」

殿が笑う

あれから蜜柑と話さなくなってから四日目…
棗は凄く緊張していた

「…………」

無言で蜜柑の隣に座る

「………」

もちろん蜜柑はツーンとして棗に反応しない

「…………」
「…………」
「…………」

お互い一言も話さない

「はぁ……」

棗はため息をつく

「………おい蜜柑」
「狽チ……」

話しかけられたのにビックリしたのか棗の目を見る蜜柑

「やる…」

棗は蜜柑に可愛くラッピングされたホワロンを渡した

「ホワロン…?」

蜜柑が不思議そうに箱を受け取る

「…笑えよ」
「へ…?」
「ホワロン食って幸せになるんだろ…食って…前みたいに笑えよ」
「…うん」

蜜柑がホワロンを食べた
くふふっと幸せそうに笑う

「やっぱりホワロンはおいしいなぁ☆ほらっ、棗も食べて〜なっ」

蜜柑がホワロンを渡す

「…サンキュ」

棗はホワロンを食べると笑ってみせた

「………っ」

蜜柑の目がキラキラする

「あ…?」
「棗っ…今幸せなんやなっ!ウチも幸せやっ」

蜜柑が嬉しそうに棗に抱きつく

「……幸せ…だな///」



二人が仲良さそうに廊下を歩く姿を見る殿と翼

「お?クソガキは素直になれたみてぇだな☆いや〜…やっぱり俺の活躍あってこそだなっ!!」
「それはどうかと思うぜ〜?」

翼が苦笑する





END



あとがき

どうもミミです☆
如何でしたでしょうか…(¬_¬;

風邪をひいているせいか頭が回らない上に意味不明(笑)

まじで勘弁して下さい(泣)

かなり駄作だな…こりゃ(泣)

次の小説では、もっと楽しい話にします(泣)

ひ〜…(逃走)






というワケで、ミミ様のサイトにて3000番のキリ番を踏んで頂きましたvV
棗が翼や殿を頼ってまで、素直になるっていう努力に微笑ましさを感じつつ…笑いましたvV
だんだん乙女化していく棗…平手打ちって…ι
でもかなり面白くて笑いましたvV
ミミ様ありがとうございました(≧ω≦)


-30-

Treasure / top