桜吹雪

Treasure

4月初旬…

寒い冬を越し、暖かい春の到来である。

アリス学園内は、お花見のシーズン真っ盛りだ。

…しかし、初等部B組の教室内はドス黒い邪悪なオーラが発生してあることによって重苦しい雰囲気に包まれていた。

そのドス黒いオーラの発生源は、男ボス・棗、女ボス・蛍、流架、委員長である。

何故、彼(+彼女)らがドス黒いオーラを発しているのか。

その理由は――――


『蜜柑…明日の10時にセントラルパークで…』

『はい!お弁当沢山作ってきますから楽しみにしていてくださいね!!』


『プリンセス・ミカン』会長の皆川が、蜜柑をお花見に誘ったからである。

当然、蜜柑LOVEな蛍、棗、流架、委員長は「行くな」と、大いに反対するのだが

蜜柑は、「ゴメン…。先約した人をほったらかすわけにはいかんから…」と言われてしまったのだ。


「…何で、よりによって『プリンセス・ミカン』なんかと一緒に…」

「あの変態下半身男…。お花見と見せかけて妙なことを企んでやがったら
 
 今度と言う今度こそは、ぜってぇ許さねぇ!!」

「こういう時こそ…これが役に立つかもしれないわ…」


そう言いながら、核ミサイルをバッグの中から取り出す蛍。

蛍よ…。何処からそんなものを入手した?









「皆川せんぱ〜〜い!!こっちです〜〜!!」


セントラルパーク内の桜が見事に咲き誇っており、桜吹雪の下でお花見をやるのが楽しみな蜜柑は

皆川たちより早めに起き、お弁当を大量に作り、絶好の場所を取って待っていた。


「蜜柑、遅くなってゴメン!ゴメン!!」

「美味そうな弁当だな〜!!」

「…久志(ひさし)、君は『花より団子』かよ」

「場所取りまでしてもらって、悪かったな〜」

「よし!!お花見開始だ!!」


皆川、児玉、椎野、山岸、功刀(くぬぎ)の5人は、蜜柑と共にお花見を開始した。





一方、初等部寮の食堂の間では…


「蜜柑ちゃん、皆川先輩たちとお花見に行ったって言うけど、大丈夫かな…?」

「大丈夫だとおも……あっ…」


ピシッ…


蛍の使用しているマグカップにヒビが入った。

まるで、不吉な予感を暗示させるかのように…。

そして、棗と流架の2人には……

外で散歩中……黒猫やら、カラスの中でも滅多に見かけない白カラスに遭遇し

縁起でもないような生き物ばかりに遭遇した。

夜の6時を過ぎた頃……

蛍、棗、流架、委員長は昼間の不吉な出来事が気になって仕方がないのか

急いで、セントラルパークに向かった。

現地に辿り着いた4人は、金縛りにあったかのように凍りついた。


「蜜柑〜……酌してくれ〜〜……//////」

「み、皆川先輩……(汗)」


20歳以上にもなっていないのに、皆川たちは酒やビールを飲み、すっかり泥酔していた…。


(注:お酒は20歳以上になるまで飲んではいけません。

   良い子は決して真似をしないでください)   


皆川は、蜜柑に酌をしろと命令する。

蜜柑は、どうしたらいいのか分からずにいた。


「蜜柑〜〜……膝枕させて〜〜……//////」


功刀は、酔った勢いで蜜柑の膝の上で寝転がる。

昼間の不吉な出来事は、このことを告げたかったのだろう。

この許されざる光景を目の当たりにした蛍、棗、流架、委員長の4人は……。


「「「「……テ・メ・ェ・ら…いい加減にしろーーーーッ!!!!」」」」(怒りの火山噴火)


ズドガガガガガガ……!!!!!!

バサバサッ…!!

ボオォォォォ……!!!!

カッ……!!


蛍は、ケチャップ弾を乱射し、流架は、鳥笛を吹いて泥酔している皆川たちを締め上げ、

棗は、黒い炎を出して皆川たちの髪をもずく状態にし、委員長は、今まで以上にエグイ幻覚を皆川たちに見せた。

蜜柑は、唖然としながら……


「ほ、蛍……?何で、蛍たちが此処に……??」

「そんなことはどうだっていいのよ……」(←目がすわっています)

「もしもし……学園本部ですか?

 学生にも関わらず、飲酒をしている生徒がいましたので締め上げました。

 場所は、セントラルパークです…」

 
流架は、近くの公衆電話(学園内のみ通じる)を使って本部に連絡する。


「蜜柑ちゃん……僕たちと一緒にお花見をしよう」

「えっ…!?でも…皆川先輩たちは…?」

「ほっとけ、そんな奴ら。(キッパリと)

 そいつらは、生活指導室行きだ」

「佐倉…。小笠原と梅ノ宮が待ってるから行こう…」

「あんただって、本当はこの場から逃げたかったんでしょう…?」


蛍、棗、流架、委員長の4人は、蜜柑(+蜜柑の作ったお弁当)を取り戻した。


一方、酔いが醒めた皆川たちは……

生活指導室行きとなり、神野にお灸を据えられたのは言うまでもない…。



終わり






後書き


随分、待たせてしまって申し訳ありません!!
約束通り、10000hitのキリリク小説を寄贈致します……。
リクエスト内容の期待に応えられたかどうか分かりませんが、何とか頑張って書きました。
ストーリーと小説のタイトルが一致してないかもしれませんが
そこは、スルーしてください…。
ほいじゃ!!


2005年 4月2日 粕谷 理沙 (椎名雪音)


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