なつみかん誕生!?
「蜜柑、1日20個限定の特大ホワロン買ってきたわよ」
「私は、食べたいって言ってたケーキを作ってきたよ」
「私は、前に美味しいって言ってくれたババロアをまた作ったよ」
放課後、蛍の部屋で野乃子ちゃん、アンナちゃんたちが蜜柑の数学のテストの結果が平均点以上のお祝いをしてくれている。
3人が好物の物を蜜柑の目の前に並べたとき
「うっ気持ち悪い…」
「「「気持ち悪い!?」」」
そう言い残し蜜柑は自分の部屋へと走り去った。
(*お食事中の方大変申し訳ありません)
大喜びするはずの蜜柑のいつもとは違う反応に3人はただ唖然としていた。
『あの蜜柑がホワロンを食べないなんて。きっと何かあるわ』
『蜜柑ちゃん具合悪いのかな〜?新作のお薬が効くかも。』
『具合悪くなるなんて、蜜柑ちゃんよっぽど勉強したんだ。』
3人とも考えることは別々だった。
〜次の日
「おはよう。蜜柑」
「おはよう。蜜柑ちゃん」
「あれっ蜜柑ちゃんもう食べないの?」
「うん。最近食欲なくて…。それより野乃子ちゃんアンナちゃん蛍。昨日はごめんな。」
蜜柑はまだ手を付けていないような朝食をもう片づけようとしていた。
「熱はないみたいね。」
「それ、食べないなら私にちょうだい」
「うん。ええよ。じゃあ、ウチ授業まで部屋で休んでくるから」
そう言うと蜜柑は部屋へとよろよろと帰っていった。
「蜜柑ちゃん食欲ないって大丈夫かな?」
「後で一緒にお見舞いに行こう。」
「ここのカルボナーラは美味しいわ〜」
『『………本当に心配してるのかな?』』
二人は横目で蜜柑の朝食を幸せそうに食べる蛍を見ながらそう思っていた。
「うぅ〜、こんなこと恥ずかしすぎて絶対みんなには言えへん//////」
蜜柑は一人、自分のお腹を見ながら部屋で悩んでいた。
その日の夜、蜜柑はとうとう食事にも来なかった。
「やっぱり蜜柑ちゃんどっか具合悪いんだ。私、新作のお薬もってってあげよう」
「じゃあ、私はおかゆでも作ってってあげようかな」
二人は蜜柑の部屋へと向かった。
コンコン
「蜜柑ちゃんいる?」
「あ、野乃子ちゃんにアンナちゃん。」
蜜柑は真っ青な顔をして出てきた。
「あのね、良かったらこの薬飲んで?」
「何も食べないのは体に悪いからおかゆ作って来たんだけ・br>
「なつめ〜。ウチやけど開けてくれる?」
「はっ?お前どうし…って今井!!!?」
蛍は変声マイクで蜜柑の声を出していたのだ。
ドアが開くなりいきなり棗を壁に押しつけ怒鳴りだした。
「ちょっと、あんた!あんたが18、蜜柑が16になるまで手を出すなって言ったでしょ!!!(ちっ、一生手を出させないつもりだったのに)」
「はっ?お前何言って…俺は18になるまでアイツには何もしねえよ」
「何言ってるのはあんたよ!蜜柑に子供ができたのよ!責任取りなさい。私は蜜柑は養うけどあんたの子なんて養わないからね」
「おい待てよ。俺たちまだ14だぞ。」
「だからおおごとなのよ!この変態スケベ野郎!」
「なっ!?(でも今井はマジだ。まさか本当に蜜柑に子供ができたのか!?でも俺はまだキスしかしてねぇし………キスで子供ってできるのか!?(汗))」
蛍のものすごい剣幕に棗の頭は働かなかった。
『『やっぱり〜!』』
『えっ!?蜜柑ちゃんに子供が!?どうしよう。前代未聞だ!鳴海先生に相談しなきゃ!』
『へぇ〜面白いこときいちゃった☆』
『私のなつめくんがぁ〜〜〜(泣)』
『パーマじゃ無理だって。でも流架君も残念だったね』
『いや、俺は二人が幸せなら。でも佐倉に子供ができたって…//////』
物陰で蛍たちの会話を聞いていた野乃子ちゃん、アンナちゃんは納得し、委員長は青い顔をして泡を吹いている。
パーマは泣き叫び、キツネ目君はビッグニュースに嬉しそうにしている。
流架は真っ赤な顔をしつつ落ち込んでおり、それを心読み君が慰めている。
その頃…
「うぅ〜、野乃子ちゃんたちにバレてしもうた。(汗)蛍知ったら怒るやろな〜。棗にだけは隠し通さんと!」
蜜柑は何か決意を固めていた。
あいつに子供が…まさか
『えへっv翼せんぱ〜いVv』
『蜜柑ダメだって。お前の彼氏にバレたら俺が殺されるっ(汗)』
『大丈夫やよ。棗は今日いないし絶対バレへんって。なぁ、翼せんぱ〜い。だめ〜?』
『ったく蜜柑はしょうがねぇなあ。』
『えへっVv翼せんぱい大好きVv』
はっ、俺は何を考えてるんだ?
あのバカにそんなことは出来ないはずだ。
「ちょっと!?聞いてるの?(怒)」
うーん、じゃああれか?
蛍に問いかけられてもまだ妄想中の棗。蛍はとってもご立腹だ。
妄想中〜
『きゃっ!な、何するん?』
『お前の彼氏生意気なんだよ。お前にも礼儀ってもんを教えてやる』
『へっ?いやや、来ないで!いやぁぁ〜!!助けて…なつ…め』
妄想終了〜
はっ!!
「蜜柑!!!おい、これ貸せ!」
「はっ?何よ?って言うかどこ行くのよ?ちょっと!?待ちなさいよ!」
棗は妄想から抜け出すと同時に蛍から変声マイクをひったくり蜜柑の元へと走って行った。
「うぅ〜。ぎもぢわるい…。やっぱりちょっと無理したからな。」
相変わらず具合の悪い蜜柑。
薬を目の前にして悩んでいる。
「これさえ飲めば!けど、粉薬って苦いしウチ飲めへんしなぁ。やっぱり野乃子ちゃんに頼んで…でも恥ずかしいわぁ///////」
その時、ドアをノックする音がした
「蜜柑ちゃんいる〜?夕食に来なかったでしょ〜?大丈夫?具合でも悪いのかな?」
「鳴海先生?今開けます〜。」
蜜柑は平静を装いドアを開けた
「鳴海先生?心配せんでもウチは…ってきゃっ!棗!?」
蜜柑はいきなり棗に部屋の中に押し込まれ壁に押しつけられた。
「おい、お前。最近飯食ってねぇみたいだけど腹の具合でも悪いのか?」
「なっ!?そ…そんなことあらへんよ。えへっVv元気元気////」
蜜柑'sスマイルで棗をごまかし、テーブルにあるものを隠そうとしたがあえなく失敗。
逆に奪われてしまった。
「あっ…それは!だめっ////」
蜜柑を押さえ棗が手にしたものを読んでみると、
「『この度は、ケーキ食べ放題!ペアで1時間の間に3万種類全部を食べられたら1万円!を見事クリアされましておめでとうございます!またのお越しをお待ちしております。』ってなんだよこれ?」
「せやから、蛍にケーキ食べ放題に誘われて行ってみたらイベントやっとったから参加したんや/////」
「じゃあ、飯を食わねぇのも、顔色が悪いのもそのせいか?」
「//////////うん」
「ったくお前は…んっこれはチャンスかも」
棗はそう呟くと蜜柑をベッドに押し倒した。
「わぁっ!?な、なにするん?/////」
「今井も、誤解してるみたいだし、なんなら事実にしてやろうかと思ってな」
「へっ?って、う…ぎもぢわるい…」
「はっ?っておい蜜柑!」
ベッドに押し倒された蜜柑は急に顔色を変え棗を突き飛ばしてバスルームへと走って行った。
『ったく覚えてろよ。腹が治ったら絶対!!!もう18になるまでなんて待てるか!』
なにやら燃えている棗。
蜜柑にとって胃もたれが治るのは良いこと?
それとも悪いこと?
「なんだ。バカ蜜柑。たったの1万個食べただけで具合が悪くなるなんてダメねぇ。ったく、時間さえあれば私が3万個全部食べられたのに」
棗の後を追ってきた蛍は真相を聞くと、偵察機をはずし帰っていった。
ちなみに蛍は2万個食べたが気分は悪くならなかった。
次の日〜
蜜柑が教室に入ると、突然クラッカーが鳴らされた。
パンパンパ〜ン!!!
「「蜜柑ちゃん!おめでとう〜Vv」」
笑顔の野乃子ちゃんとアンナちゃん。
「あ・・・、ありがとう(苦笑)」
苦笑いしながら答える蜜柑。
「蜜柑ちゃんに子供が・・・(悩)前代未聞だ|||」
委員長は青い顔で一人ぶつぶつ何か呟いている。
「佐倉さん〜(泣)」
「うわっ!パーマやん、どないしたん?(汗)」
昨晩大泣きしたのだろう、目を腫らせてまだ泣いているパーマが蜜柑の背後に立っていた。
「うぅ〜、悔しいけど棗君はあなたに譲るわ。その代
わり、棗君を幸せにしなかったらどうなるか分かってるでしょうね〜?(般若)」
「へっ?は・・・はい!!」
スミレの迫力に圧倒され、蜜柑は一応返事をした。
「聞いたか?星なしの奴、棗さんの子を・・・」
「おい、星なしはまずいだろ。なんたって、棗さんの・・・フィアンセ(?)なんだから」
「じゃあ、蜜柑さん?ってか、結婚するのか?」
「蜜柑さんはマズイぞ、棗さんは佐倉のことを『蜜柑』って呼んだ奴(男)を片っ端から燃やしたらしいからな」
「じゃあ、姐御?ボスの彼女だしな。おい、お前はどう思う?」
「いや〜、さすがは棗さん。棗さんは男の中の男だ!」
「もし女の子だったら、佐倉に似た子が良いな〜Vv」
初等部B組の今日の話題は、大きな誤解のなつみかん誕生だった。
「そうそう、蜜柑。心配料として、2500円(25ラビット)払ってね。(怒)」
「ふぇ?う・・・うん(汗)(でも、なんで蛍は怒ってるん?しかも、棗も何かウチをジーっと見てくるし、みんなにはあのことバレてもうたし、最悪や〜(泣))」
この誤解が解かれる日は来るのか?
それとも、先に棗に事実にされてしまうのか?
それは神のみぞ知る。
終わり☆
<後書き>
自分でも題名と内容の接点が分かりません。(←おい)
自分の子にこんな名前付ける人いるのかな?
まぁ蜜柑ちゃん、早く誤解が解けると良いね。
では、この小説を貰って下さった方。
また、ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました☆
*これでも、まだ18禁ではありません。(多分)
H17/6/18(土)
PM20:25
箕田美夏