『お兄ちゃん』と呼ばないで?!

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問題の多いアリス学園初等部B組である提案が上がった。
それはまぁ・・・ちょっとしたお戯れの話。
アリス祭での熱が冷めないという事によりセントラルタウンの人々を招待して何かしよう!
といった計画だった。
あっさり校長も許可しそれぞれ何をするかを話し合っているのだった。
そして決まったのは・・・

「では一番賛成票の多かった『劇をする』という事でいいですか?」
「「「意義なーし」」」

「それじゃあ劇の内容についてですが
小説のアリスを持つ品李央(しな りお)さんの書いた
『休日ミステリー劇場 血みどろの家族愛!
政略結婚と今晩のおかずはなんだろう?の狭間で揺れる乙女の心!
そんな中殺人が?!犯人はこの中に居る!なんか小学生出てきたぞオイ?!
いや俺らも小学生じゃん?!ってかタイトル長すぎだろ?!』
・・・・・・ふう。で、いいですか?」

ちなみにこのベリーロングなタイトルは品さんのつけたものではなくあれこれと
全員がタイトルの意見を出してそのほぼ会話をタイトルにしたものであった。
決して品さんのタイトルセンスが無いわけでは・・・無い・・・ハズ。

「「「これも意義なーし」」」
「それでは配役を決めましょう」

「はーいっ!!私哀れで可愛そうなヒロイン!!」
「あははは。パーマはどう考えてもヒロインじゃないだろー」
「なんですって〜??!!?」
「わーパーマに殺される〜」
「じゃあパーマと心読みはヒロインの家の隣に住む仲いいんだか悪いんだか
分かんない夫婦役ね」

ケンカをしているうちに勝手に役を決められてしまった正田&心読み。
この決定に気づいてないらしくその後もほぼ一方的なケンカは繰り広げられていた・・・

「他の役は籤で決める事にしましょう」

結局行き着く先はこんな結果。
籤によって決まったのは・・・

悲劇のヒロイン・・・今井蛍
ヒロインの妹・・・・乃木流架
ヒロインの婚約者・・日向棗
婚約者の妹・・・・・佐倉蜜柑
隣の夫婦・・・・・・正田&心読み

以下省略

「私がヒロイン・・・面倒だけどいいかもしれないわね。
それに妹は・・・さぞ姉思いなんでしょうね・・・?」
「あ、ヤバ・・・俺胃が痛くなってきたかも・・・
ってかなんで妹なんだよ・・・」
「大丈夫?ルカぴょん」
「え、あ、うん」
「くだらねー」
「また棗はそういう事言う!みんなでせな意味ないんよ〜?・
そして聞こえた。自分を呼ぶ声。

『・・・ちゃんっ!お兄ちゃん!』

あお・・・い?

葵まで見せるのか?随分な品揃えだな・・・

自分の罪の大きさは知ってる。

今更それを知れっていうのか?・・・ああ、望むところだ見てやるよ。

幸せが絶望に変わるのを―――――

そして静かに眼を開けた。


「あ、起きた。さっきからずーっとおきひんから・・・」


見えたものは予想と違った。

覗き込んでいたのは茶色の瞳。
ツインテールが顔にかかりこそばゆい。

そしてなぜかさっきから棗のことを「お兄ちゃん」と呼んでいた。

「お兄ちゃん風邪ひくでー?」
「・・・なんだよその呼び方」
「え、だって鳴海センセいっとったやん。
『役になれる為に普段から心がけよう!』って。
せやから棗の事お兄ちゃんって呼ぼかなおもて・・・・」



ボフン




蜜柑が言いかけたときだった。
それを遮るかのように棗が蜜柑を抱きしめた。
それはまるで愛しい何かを感じるかのように。
恋人の感情とは違う何か。

「理由なんて・・・いい・・・葵・・・」

この言葉に何かを感じた蜜柑は眼を瞑って、心を込めて言った。

「・・・お兄ちゃん・・・」



****


「あーなんや恥ずかしい事してしもうたなー・・・」

寮への帰り途中、蜜柑が呟いた。

あの後は暫くあの状態だったあとに棗が蜜柑を離し、無言で出て行ったきりだった。

「お兄さんってのがおるの・・・あんな感じなんかなぁ・・・?」

ひとりっこだった蜜柑にとっては兄弟というものが分からない。
もう一つ、しきりに棗が呟いていた『葵』という名も気がかりの一つだった。

「気になるけど棗が話さんのやったら聞く権利・・・無いよなぁ・・・」

気になってはいるが何か踏み込んではいけない気がして聞けずにいた。

「でもま、ええか」

棗の口から直接聞くことができるのを信じて。



****





〜次の日

「あ!棗君劇の練習してくれる気になったの?」
「別に・・・流架も居るし。居るだけだ」
「そうなの?あ、じゃあその気になったら言ってね」

次の日から棗もクラスの練習場に行くようになった。
それから暫くすると少しずつ台詞の練習をしたり・・・

心読み翻訳によると何か蜜柑へ何かお礼の気持ちも合ったらしい。
劇に出ることが棗なりの感謝の気持ちという事で・・・

劇は大成功に終わったとか。




**ごめんなさい**

時間かかりすぎな挙句自分の文章力のなさがよく分かりました・・・
場面飛びすぎだし・・・
妙にシリアスだし・・・

返品書き換え要望心よりお待ちしております・・・
それでは16000キリ番おめでとうございました。
(こんなのでおめでとうとは言えませんね、はい・・・)

罪償いにもう一つつけます・・・→『休日ミステリー劇場血みどろの家族愛!
政略結婚と今晩のおかずはなんだろう?の狭間で揺れる乙女の心!
そんな中殺人が?!犯人はこの中に居る!なんか小学生出てきたぞオイ?!
いや俺らも小学生じゃん?!ってかタイトル長すぎだろ?!』


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