REASON
「っ…ひっく…うぅっ…」
腕の中で泣きじゃくるカガリ。かける言葉も思いつかず、ただ抱きしめる腕に力を込める。
―いや、思いつかないんじゃない。自分には言葉をかける資格は無い。
そんなキレイゴトを言えるわけない。
自分はかつて…大切な友を殺そうとしたのだから…
ふと腕の中の声が静かになった。
顔を覗き込むと、泣き疲れて小さな寝息を立ていた。泣き腫らした目があまりにも痛くて、見るに耐えられず、強く優しく抱きしめる。
出会った頃から変わらない華奢な体。
自分が二年前から成長したのもあるが、それにしてもカガリは細い。
力を入れると…そのまま壊れてしまいそうだ。
この小さな肩に課せられた大きな使命。
日々どれだけの重圧の中を生きてるか……
眠るカガリを抱き上げ、すぐ傍のベッドに寝かせてやる。目元や頬に残る雫を指で拭っていると
「……ぁす…らぁん…」
虚ろな瞳を薄らと開けたカガリと目が合った。
「悪い。起こしたか?」
だが、話し掛けてもカガリはぼぉーっとしたまま。
『……寝ぼけてるのか?』
少しでも落ち着くように頭を撫でてやる。
「…ほら、大丈夫だから。少し休んで…」
「……ぃうなぁ……」
「え?」
「…くだく…なんて…いうな……あそ…こには……あすらん…の…おかあ…さまが……いる…だろぉ……」
「……!!」
…見透かされた。
そう思い、思わず目を見開いた。
カガリは目を閉じて、完全に眠っている。
一つ小さな溜息を吐き、そっと柔かな頬を撫で、サラサラの金髪に触れた。
「……参ったな…。…本当に…お前には敵わないよ……」
MSはあるがパイロットがいない
……それなら自分には何が出来る?
掬い上げた金糸がサラサラと指の隙間から零れ落ちた。
手のひらに伝わる温もりに触れ、そして立ち上がる。
その拳は心を表すかのように、強く握り締められた……
二年前…自分は父を殺そうとした。
結果として既に死にゆこうとする父を見取ったが…。
そして今……母も殺そうとしている……
欺瞞に固めた正義を掲げた所で、何も得られるものは無い。
生きるのは凄く辛くて、堪え難い程苦しい……
―生きる方が戦いだ!!―
自分と現在(今)を繋げた言葉。
偽りの自分と本当の自分。
そして…過去の自分と現在の自分…
胸元に触れ、守り石に祈る。
そして手のひらに残る温もりをそのままに操縦桿を握った……
「アスラン・ザラ…出る!!」
Fin
あとがき
地震後の復帰第一弾の第5話のアスカガです。
私はこのシーンを見ていて、アスランはカガリを守ることは勿論だけど、自分の為に出撃したと見ました。出撃時に本名を名乗るのは決意の表れじゃないかと思ったんです。ということで、敢えて題名は『理由』としました。…EDと同じだから迷ったんですけどね(^^ゞ
では、こんな拙い堕文を読んで下さって、ありがとうございましたm(__)m
'04/11/19
皐月嬢
管理人より
またまた強引にサイトに載せさせてもらいましたvV
今のトコ、管理人自身運命の小説書けないんですよね…
だって、マリューさん出てこないんですもの(言い訳)
さて、皐月ちゃんのアスカガいかがでしたか?
アスランの考え、切なくなりますよね。
でもあながちこんな心情だったのでは…?と思いますvV
さすが、アスカガは皐月ちゃんに限りますね♪
載せるの許可ありがとうございました(≧▽≦)
マキ(森川沙耶)
'04/11/22
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