02

「彷徨、どこだろう?」
キョロキョロと廊下を見渡しても見当たらず、未夢は屋上へと上がっていった。階段を昇り、屋上へと続くドアを開いてみたが彷徨の姿は見当たらなかった。
「うーん、屋上じゃなかったのかな?」
なんとなくいると思ったのにな。と思いながら、戻ろうとしたら上から声を掛けられた。
「未夢?」
「彷徨、そんなところにいたの?」
見上げると彷徨はトンッと未夢の前に降りてきた。
「何してるんだよ」
「何って彷徨を探してたんだよ? はい、バレンタインのチョコ」
にっこり笑って差し出された物に、彷徨はゴクンと飲み込んだ。
それは、さっき見た三太や光が丘、綾とななみたちに渡した物とは大きさも形も全く違っていた。
「……俺に、?」
「うん。……えと、彷徨のだけ手作りなの、一応、味見したから大丈夫だと思うんだけど……」
顔を赤くして話す未夢に彷徨はそれを受け取った。
「……開けていいか?」
「えっ!?……う、ん……いいけど……」
ガサガサとリボンを解き、包装を解いていくとお世辞にも形が整っていないチョコが現れた。
未夢は真っ赤になりながら、彷徨の反応を見ていた。
「……すげえ、イビツだな…」
「……ううっ…しょうがないじゃない! 大変なのよっ!!」
「溶かして固めるだけにしたって、これはねぇだろ……」
「じゃあ、返してよっ!」
未夢は箱を奪おうとしたが、彷徨はそれを高く持ち上げたのだった。
「もう〜馬鹿にして〜〜」
手を伸ばす未夢の頭を押さえ、彷徨はチョコのかけらを口に含んだ。
「ど、どうかな……?」
「──甘すぎる」
「うそっ!? そんな甘くなかったはずだよ」
「じゃあ、食ってみろよ」
彷徨がそういうなり未夢に顔を近づけて、あっという間に口唇を奪われたのだった。
未夢は驚いて目を見開いていると、離れた時彷徨はにやっと笑った。
「どうだった? 甘いだろ」
「……う、ん………甘い……」
真っ赤になる未夢を抱きしめて彷徨は呟いた。
「他にいうことないのかよ」
「…え、なに……」
「先に言ってもいいなら言うけど……俺が未夢を好きだってこと」
「なっ! えっ……ええっ!?」
「なんだよ……今日はバレンタインだろ」
「でも逆じゃない? 普通は──」
「じゃあ、お前から言えば?」
「…………えと……じゃあ、本命チョコ、です…」
真っ赤になりながらいう未夢を彷徨は可愛いくて堪らなくなった。そして、先ほどよりも力を込めて抱きしめるとすかさずまた口唇を奪ったのだった。
END
あとがき
すいません、時期外しもいいとこです!バレンタインネタって…(汗)
先月中に終わればなーと思ってたのですが、やはり無理でしてようやく書き終える事が出来ました。
なんか、本当に申し訳ございません。全く更新しないでいてしまって。
一応書きかけはあるのですがやる気が今は別方向へ向いてしまったあげく、書きかけの出だしが秋だったりするもんだから余計に出せず仕舞いです。
2007/03/09