月夜の散歩道

Present

それは…

夜なのにも関わらず

昼間のように明るかった



   ◇◇◇◇◇◇◇◇◇



なんとなく窓を開けてみると、明るい月夜だった。


「ふぁ〜…まんまるお月様や…」


月はかなり高くて、空に吸い込まれてしまいそうになってしまう。
なんだが、このまま寝るのがもったいなくて、しばらく窓辺で月を眺めていた。

時折、雲が月にかかるも眩しいくらいの月光りは【綺麗】という言葉しかなかった。


ふと、窓の下をみると月明かりの中、北の森へ歩いていく少年が目に入った。


「……こんな時間に何してんのやろ…」


散歩かな?と思いつつ、気になって仕方ない。
蜜柑は、なんともいえない気持ちになり、服の上に一枚羽織ると静かに寮から出た。



   ◇◇◇◇◇◇◇◇◇



外は秋だからか、やや寒く感じる。
カサカサと鳴る落ち葉を踏みながら北の森へと足を運ぶ


「…月が出ててよかったわ〜」


ボソリと呟いた言葉は、静寂と供に吸収されていくかのように感じた。
カサカサという音だけが響いていたが、柔らかい月の光りのせいだろうか…不思議と恐さはなかった。


しばらく歩いていくと、人影が見えた。
見てみると、周りに動物が沢山いて彼の金髪の髪は月の光でキラキラと輝いていた。
それは、まるで幻想の世界かのように美しく映った。

カサッ


「誰っ!?」

「……あっ…」




風で落ち葉が靴に当たったのか、物音を発てるつもりはなかったのだが…驚かせてしまったようだった。


「―――佐倉…?」

「…え、へへ…なんか驚かせてしまってごめんな…」

「うぅん…えと…どうしたの?こんなトコで…」

「あ、あんなっ!!窓から出てくの見えてっ…そんで気になったっていうか…えと…何してるん?」


あたふたと答える彼女がなんだか面白くて…可愛かった(笑)
流架は群がっていたウサギを指差すと


「このウサギが昼間怪我してたから…その気になって…」

「えぇっ!!大丈夫なん!?」

「うん、もう平気みたいだよ」

「そっかぁ〜やっぱり、流架ぴょんは優しいなぁvV」

「…っっそんな事…」


にっこりと笑う顔が恥ずかしくて思わず真っ赤になってしまう。
そんな流架に気にもせず、蜜柑はケガをしたというウサギを抱き上げ『よかったなぁ〜♪』などと語り掛けていた。


すると、ウサギたちは流架にお礼を言いと、寝床に戻っていった。
蜜柑が


「おやすみ〜☆」


などと手を振り、くるりと流架の方を見た。


「ウチらも戻ろうか?」


そう流架に言うと蜜柑は歩きだしていた。
流架はなんとなく、二人でいるのにもったいないと思い、つい手を伸ばし蜜柑の手を取っていた。


「…っど、どうかしたん?流架ぴょん」

「さ、佐倉っ…せっかくだから…散歩しないっ…」


周りが静かな分、ドキドキ…と胸の鼓動が聞こえてしまうのではないかと、流架は懸念したが、蜜柑はにっこり笑うと


「そやね、せっかくキレイな月夜やもん。そのまま帰るのもったいないしな♪」


そう返事するなり、キュッと流架の手を握った。
流架は、赤くなりながらも微笑むと蜜柑の手を握り返した。


月明かりの中、二人は寮まで手を繋ぎながら月夜の散歩を楽しんだ。



綺麗な月は、二人をいつまでも照らしていた。






END



あとがき

ようやく書き終える事が出来た携帯に残ってる途中の小説でした。
久々に書いたもんだから、なんか果てしなく文章変ですね(苦笑)

さて、実はこの駄文は
アンケート設置の仕方を教えて下さった渡部蜜架様への御礼小説にしようかな。
って思っているのですが…
もし、御覧になっていたら貰って下さるでしょうか?
ぶっちゃけ、押しつけですので、いらなければそれでいいです(ぇ)
メールで連絡出来ればいいのですが…
PC使えないので連絡出来ないんですよね…ι
ごめんなさーい(>_<)


では、このような駄文を読んで下さってありがとうございました♪
感想頂ければ、幸いです。



2005/11/03


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