November Rain
「てめぇには関係ねぇだろ!!」
「……さぁ、それは分かんないぜ?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
すっかり、寒くなった11月にしとしとと降る雨。雪じゃないだけマシだが、吐く息は白い。くしゃりと前髪を拭う少年は、苛立ちと後悔さに加え、苦手な雨に心乱れていた。
つい先程の事が蘇る。
「なんでっ!!いちいち、そんなに怒るんよ!?」
「うるせーな!!怒ってないって言ってるだろ!!」
「その態度が怒ってるっていうんや!!棗のバカっ!!……なんで…そうやって……」
涙混じりの声で『頼ろうとしてくれへんの…』と消え入るような言葉を残して去っていった彼女が…
切なくて…
棗は、すぐに追いかけたがったが自分のプライドみたいのが許せず、ただ雨に濡れていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一方、蜜柑は棗の役に立ちたいのに頼ってもらえない悔しさに涙したまま走っていた。
「……棗の…アホ…」
立ち止まり、涙をごしごし擦り呟くと
「チビ〜?こんな雨の中何やって…お前……早くこっち入れ!!」
気付けば、ベアの小屋の前にいて翼から声をかけられた。翼は、蜜柑の泣き顔に眉間を寄せ、とりあえずベアの小屋に入れた。
ベアは翼にタオルを渡すと、暖炉に薪をくべていく。翼からタオルを受け取り、肩には毛布をかけて貰うとパチパチと火が揺らめくのをみて、蜜柑はポツリと呟いた。
「なんで…ウチ棗と付きおうてるんやろ…」
「はっ?」
たまらず、翼は聞き返すが耳に入ってないのか蜜柑は続けた。
「アイツ、ちっともウチを頼らんし…ウチ、淋しくなる…。考える事さっぱり分からんし……もう、イヤやわ…」
はぁ〜とため息を吐く蜜柑に、翼は苦笑いしながらポンポンと頭を軽く叩くと
(なーに、言ってんだか…ん!?)
ふと窓の外の方を見ると、見慣れた黒髪があった。
(ははーん…そういう事か…)
ケンカでもしたんだろうと思っていたら、予感は的中。翼は、なにか考えると
「じゃあ、棗やめて俺と付き合うか?」
「へっ?翼センパイ…?」
「イヤなら、別れて俺と付き合おうぜ♪蜜柑」
突然の言葉に、窓の外にいる黒髪はぴくりと動いた。が、蜜柑は笑いながら
「アハハ、そうやね。翼センパイとなら楽しそうやね」
「付き合ったら楽しかったかもな☆あ、俺、用事あるから行くわ。お前は雨止むまでいろ!風邪引くかもしれないからな」
「…はぁ〜い」
毛布に包まり、返事をした蜜柑はベアからカップを渡され、ごくごくと飲んでいた。手を振り、外に出ていくと物凄く睨んで来る黒髪の後輩にニヤリと笑った。
「…てめぇ…何のつもりだ…」
いつにも増して、睨んでくる少年に翼は引くどころか挑戦的だ。
「…別に、ありのままの気持ちを言ったまでだせ。アイツをあんまり泣かせるな!!」
「てめぇには関係ねぇだろ!!」
「……さぁ、それは分かんないぜ?俺は蜜柑の事好きだし…あっちも俺の事、好きみたいだし?あんまり泣かせてっと、頂くよ〜」
「………燃やすぞ、てめぇ!!アイツは渡さない!!!誰にもな!!!!」
真剣な眼差しで言われると翼は笑い、しかしどこか真面目な口調で
「…だったら、気をつけるんだな。大事にばっかしてっと、逃がす場合もあるんだよ」
ヒラヒラと手を振ると、翼は歩き始めた。棗は、そんな翼の後ろ姿を睨むと小屋の中に入っていった。
「…棗」
「………悪かったな…頼らなくて…」
「………棗…聞いてたん?」
「……あぁ…」
手を伸ばして、ギュッと抱きしめると棗は続けた。
「でもお前といると…救われてるから…役に立ってるぜ。蜜柑」
「ほんま!?」
「……あぁ」
棗の言葉に嬉しくて蜜柑は、笑顔になるとそれを見て棗も微笑む。二人の口唇は引き寄せられるように重なった。
歩きながら翼は
「…やれやれ、世話がやけるカップルだよな。まぁ、また泣かせたら、本気で奪いに行くぜ?棗……」
霧雨の中、小屋を振り返りながら翼は呟いた。
誰にも聞こえない。
宣戦布告を。
END
あとがき
9000番おめでとうございます☆知葉矢サマvV
【甘くない・棗×蜜柑←翼】でしたよね?
こんなのでよろしかったでしょうか?
なんか、訳わからなくてすみませんm(__)m
駄文ですが、お納め下さい。
しかし、今回もノって書いた割りにはすっごく訳ワカメ…
本当、すみません。
タイトルも意味分かんないし…お手上げ
逃げます!!
ありがとうございました。
'04/10/31
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