【番外編】平和な世界

ONEPIECE

※注意!!
真面目な話じゃなくて、もう頂上戦争ない話を書きたくて書いたらふざけ過ぎました。最早会話だらけだし、誰視点かも分からない。キャラが迷子ばかりです。
しかも途中で終わります。戦犯はエースです。元凶はエースです!シャンクスは被害者です………多分。
軽い気持ちで読んで下さい!!



〈hr〉

 ガターンッ!と椅子が倒れる音が聞こえ、振り返ったのがいけなかった。

「………ぁ…」

「ま、ま、マリィちゃん……」

 そこには何年かぶりに会った祖父がいた。

「お、おじいちゃん……」

「〜〜〜〜〜〜っ?!」

 祖父が見つめてくる先を見て、マリィは自分がどういう状態だったかを思い出したのだった。
 あわわわ、と逃げようとしたが、うん現役の海兵(しかも中将)に適うわけもなく簡単に捕まりました。

「どういうことか説明してもらおうかのう」

「……こ、ここじゃなんだから住んでる所でいいですか?」

 かつて祖父相手にこんな話し方をしたことはなかった。それくらい怖かった。とりあえず目立つので『正義』のマントは脱いでもらい、ついでに荷物を持ってもらいながら、今住まわせてもらっている場所へと案内する。

(……みなさん、ごめんなさい)

 心のなかで謝りながら『ぼったくりバー』までやってきた。途端、バンっ!!とバーの扉が開くも後一歩遅かったらしく、ドアの前で知り合いが頭を抱えていた。うん、本当にごめんなさい!!

「マリィちゃん、おかえりなさい」

「た、ただいまです……シャッキーさん」

「おや、見つかったか、マリィ」

「は、はい……ごめんなさい…」

「なんじゃ、レイリーにシャクヤク……それに赤髪の小僧までおるとはな」

「ハハハ、まず入れ、ガープ。話はそれからだ。あぁ、シャンクス、船出の準備はしておきなさい。ただし、逃げるのはいかんぞ」

 ハハハと豪快に笑いながら、店に戻るレイリーさんとシャッキーさん、それに続く祖父を見てから、マリィは頭を抱えたままでいるシャンクスに「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」と必死に謝った。

「い、いいんだマリィ……お前が出掛けた時点でこうなるのは予想出来ていたんだ……」

「………へ?」

「いいから……おれは出航の準備をしてくる……またあとでな……」

 ふらふらと歩いていくシャンクスを見つめながら、マリィはシャッキーによって早く入りなさい。と促された。
 店内には祖父とレイリーさん、シャッキーさんと私、そしてもう一人しかいない。
 ゴゴゴゴゴとなんだか一触即発の事態になっていて、ハラハラしてしまう。シャッキーさんは「大丈夫よ」と楽しそうに笑っていた。

「で、これはどういうことじゃ」

「なんだ聞いてないのか?」

「あら、話してないの?」

「え、えっと……私、家出同然で海に出たので……かれこれ会うのは三年ぶりでして……」

「あら!じゃあ、報告してなかったの?」

「は、はい……誰にも言ってなくて……」

「マリィちゃん!相手は…………アイツはどこじゃ!」

「え、えーと……もう、半年以上会ってない…です」

 そう言った瞬間、祖父がブチッ!とキレた。あ、あぁ…だから知られたくなかったのに……!

「レイリー……貴様もちと来てくれんかの……」

「なぜだ」

「貴様んトコの船長の息子のせいで、わしの、わしの可愛い孫娘が知らん内に母親になっとるんじゃ!!ロジャー海賊団副船長として、責任取るべきじゃろう!」

「ロジャーの息子……と、いうことはロジャーの孫なのか、あの子は!!」

「あら、レイさん知らなかったの?」

「シャッキーは知ってたのか?!」

「赤髪のボウヤが言ってたじゃない、忘れちゃったのかしら?」

「そ、そうだったか……ん?しかし何故シャンクスはそれを知っていたんだ?」

「あぁ、そんな事はどうでもいい。とりあえず、白ひげの船に向かうぞ!そこにエースがおるはずじゃ!!」

 マリィは腕に抱かれた赤子を見つめながら、あぁ……とため息しか出なかった。

「お、おじいちゃん!べ、別にエースの所へ行かなくても!!」

「なんじゃ、エースの所へ行ってなにか問題があるのか?」

「………あ、えっと……」

 問題はある。何故ならエースはこの子を知らないのだ。エースの船から降ろされ、既に10ヶ月は経過している。まさか降ろされた時点で妊娠していたとは自分でも思わず、どうにかしようと悪戦苦闘しつつ、時間が経過してしまった。そもそもストレスで生理が来ないかと思えば、まさかの妊娠をしていた。どうしようどうしようと悩んでいた時に島に赤髪海賊団が来たと聞き、港へと走った。そこで彼らに色々と助けて貰ったのだ。
 まさか、それなのに、恩を仇で返すことになるなんて……。

「もしかして、赤ちゃんの父親は知らないとか?」

「ハァん?」

「おいおい、シャッキー、そんな訳……え?」

「………………」

 コクリ、と頷けば、ガチャン!とグラスが割れた音がした。レイリーさんがコップを手で握りつぶしている!!

「ハァ……ロジャーの息子はとんでもないな…」

「え、エースは悪くなくて……そ、その……私が勝手に生んだだけだし……」

 もう捨てられた私がそれでも生んだのはエースが好きだからで……一人で育てると決めたのだから、エースは知らなくてもいいんだよ!と伝えても、おじいちゃんたちは聞く耳を持たないまま、シャンクスの船へと向かった。

「え?おじいちゃんも乗るの?!」

「ふんっ!軍艦で行くとなると面倒臭いんじゃ!赤髪の小僧、乗せてもらうぞ!!」

「ほぅ、シャンクスの船もなかなかのものだな」

「マリィちゃんはこちらに座ってましょうねぇ」

大頭おおがしら……」

「……………なにも言うな……新世界に向けて、出航だぁ………はぁ〜ぁ…」

 シャンクスの覇気のない号令に、ご老人たちは「なんじゃそのやる気のなさは!」「シャンクス、頭としてちゃんとやりなさい」などと言っている。
 どこの世界に現役海兵(しかも英雄と名高い中将)と引退した海賊王の元副船長を乗せて行かねばならないのか。しかも行く先は四皇白ひげの船だ……。一応新参者の四皇としては頭が痛くなる。

「しゃ、シャンクス……ごめんなさい……」

 顔を青くさせながら謝る年下の友人に罪はない、多分。

「マリィは悪くないから、気にするな」

 タイミングが悪かったのだ。
 魚人島を無事に抜け、やってきた新世界。荒れ狂う海ではあったが、操舵手と航海士の腕が良いのか、難なく海を進んでいく。
 ガープは「おっと、センゴクに連絡するの忘れとったわい!」といきなり海軍元帥に連絡をして「あー、わしわし、今から有給休暇取るからの〜」の一言で済ませた。元帥って大変なんだな、と四皇と四皇幹部に憐れまれてるとは思わないだろう。
 破天荒爺たちは、今度は赤ん坊の取り合いを始めた。母親であるマリィは疲れているのか少し休んでる間に赤ん坊が先に起きた。

「レイリー、その子はわしのひ孫じゃぞ!」

「ロジャーの孫娘なら私が抱いてもよかろう」

「貴様みたいな女好きに抱かれたら可哀相じゃわい!」

 ぎゃあぎゃあ騒ぐ二人に、シャンクスは申し訳ないが早くマリィが起きてくれないか、と願った。
 すると、見張りの船員が声を上げた。

「おかしら〜、向こうに白ひげ海賊団が見えます〜」

 え?近くにいんの?とばかりにシャンクスは顔を上げた。と同時に爺二人にも聞こえたらしく、ガープはどこからか拡声器を取り出した。
 どこにあった?!そんなもん!!と言えば、ルウがおれが貸したと言う。馴染みすぎじゃないか?あれ、海兵だぞ、敵だぞ……とシャンクスはガッカリする。
 ガガっ…、ピー!と不快な音を出しながら、ガープは拡声器で白ひげの船に向かって声を荒らげた。



 今日のモビー・ディック号はナワバリの島で補給を済ませ、海を走っている。天候に異変もなく、新入りであり、二番隊隊長になったエースは甲板でサッチやマルコたちと会話をしていた。
 すると見張り台から声がかかる。

「赤髪の船がこっち向かって来ている!」

 白ひげ海賊団と赤髪海賊団は同じ四皇と言えど、大っぴらに敵対している訳でもないし、赤髪は白ひげには敬意をも示している。だからこそ連絡もなしに近づいてくることなど珍しいのだが、なにかあったのだろうか?と隊長たちは思った。
 途端、ガガ、ピー!と拡声器の音が聞こえた。ありえない人物の声が赤髪海賊団の船からしたのだ。

『あ〜、こちらじいちゃん、こちらじいちゃん……エースそこにいるのは分かっとる!出てこんかぁ!!』

「は?ジジイ……??」

 無論、甲板に出ていた連中は混乱した。
 え?じいちゃん?エースの??
 そうした疑問を抱き、皆がエースを見る。
 しかし、次に見張りからもたらされた名に、一気に戦闘態勢になるのは仕方ないことだ。

「な、なんで……赤髪の船に英雄ガープが乗ってんだよぉぉぉ???!」

「「「「「はぁぁぁぁ???!!」」」」」

「し、しかも……冥王…シルバーズ・レイリーもいるぅ???」

「「「「「いや、なんでだよっ?!」」」」」

「グラララララ……どういうこった、こりゃあ」

「お、オヤジーー!!」

 気配を察したのか、甲板に出ていた白ひげは武器を片手に赤髪の船を見る。レイリーはともかくなぜガープが乗っているのか、白ひげも検討はつかない。
 しかし、ガープが指名してきたのは末っ子のエースだ。二人の様子からに知り合いのようではある。

「エース、ご指名だ、出てやれ」

「……ゔ…」

 イヤだが、オヤジに言われた以上は出るしかない。エースは手摺りに足をかけると、声高に口を開いた。

「なんのようだ、クソジジィ!!」

『貴様ぁ!!じいちゃんと呼べといつも言っとるじゃろうがぁ!!』

「いや、だからなんなんだよ……」

 項垂れるエースに、白ひげ海賊団の船員たちは「え?英雄ガープってエースの爺さんなのか?」「は?」と意味がわからずにいる。
 そうこうしている内に、赤髪の船は近づいてくる。白ひげが来るぞ!と言った時には、甲板にドンッ!と厳ついジジイが降りて来た。嘘だろっ!と誰もが思うも、狙いはエースだけなのか凄まじい拳骨が炸裂している。
 そして、スタンっ!とまたジジイが現れた。

「すまないな、白ひげ」

「どういうことだ、レイリー」

「いやぁ、ちょっとした事があってだなぁ」

 ハハハと、愉快そうに笑うレイリーだったが、チラリとガープたちを見るとなるほどと納得した。親子は似るものだな、と。
 そこへ、「レイさん、行くわよ!」と女性の声とともに、スタっ!と軽やかな音とともに女性が女性を抱いて降りてきた。

「シャクヤクまでいやがるとは……何事だ?」

「久しぶりねぇ、白ひげさん。マリィちゃん、彼が白ひげさんよぉ」

「は、はじめまして。突然すみません!!」

 四皇である白ひげ海賊団の船にこんな意図も簡単に乗って来られるなんて……と隊長たちは遠い目をする。本当になにがどうなってこんなことに??となる。
 白ひげはもう一度レイリーに訊ねた、どういうことなんだと。

「いや、まぁ、それはあの二人の会話が終わってからが良いかと」

 見れば、タンコブタワーを沢山作ったエースがガープに説教されている。いや、本当に自然ロギア系の悪魔の実を食べたエースがなんであんな状態になるんだ?!武装色の覇気にしたって、ヤバいだろ!!となっていると、シャクヤクが連れてきた女性がガープを止めた。

「お、おじいちゃん!もう止めて!!」

「「「「「おじいちゃん?!」」」」」

「マリィ?!」

「マリィちゃん、しかし此奴は」

「あぁ、正真正銘のガープの孫だそうだ」

「ガープの孫……」

 白ひげとレイリーは既に酒を飲みながら、信じられないだろ。と会話をしている。

「マリィ!なんで、ここに?つか、いや、なんでここにいるんだ??」

「あ、えっと……ごめん……」

「いや、なんで謝るんだよ……謝るのはおれのほうだろ?」

「で、でも……もう会わないと思ってたから…」

「は?なんで会わないんだよ?」

「え?だって……私、エースに捨てられたし……」

「はぁ?おれがお前を捨てる訳ねぇだろ!!」

「え?だ、だって……船から降ろされたし……置いてかれたし……」

「あ〜〜〜……それは、その……わりぃ……そんなつもりはなくて」

「………?」

 今度は末っ子と話すガープの孫に、船員たちはなんだなんだと眺めている。
 そこへ、ガープが割り込んだ。

「マリィちゃんや、早く此奴と縁を切るんじゃ!エース、貴様は金輪際マリィちゃんに関わることを禁ずるっ!!」

「ハァ?んで、そんなことジジイに決められなきゃなんねぇんだよ!!マリィはおれんだぞ!!」

「貴様!マリィちゃんを拐かした挙げ句、見捨ておったくせに!!」

「拐かしてもいねぇし、見捨ててもいねぇよ!!」

 またしても始まる末っ子と英雄の口論に、マリィと呼ばれた女の子はオロオロしている。なんか、可哀相だ、つーか、会話の内容からして、あの子はエースのなんなんだ??と疑問を抱いていると、どこからか泣き声が聞こえてきた。

「あ……大変!」

 女は慌てて船の端へと走っていく。
 すると、今度は赤髪が乗船して来やがった……いくらオヤジが警戒を解いてるとはいえ、簡単に入り過ぎだ。が、赤髪が赤ん坊を抱っこしているのを見て、目が点になる。

「マリィ〜、俺らではダメだぁ〜」

「ご、ごめんなさいっ!」

 先ほどまでエースと言い合いをしていた女が赤ん坊を赤髪から受け取ると、あやし始める。泣いていたのが嘘のようにきゃっきゃっと笑い出す赤ん坊に、赤髪はほっとしたようにため息を吐いていた。

「おぅ、赤髪……こりゃどういうことなんだよぃ」

「あぁ……マルコか……どうって……どうしてこうなっちまったのかなぁ……」

 ぐったりとしている赤髪を見て、だいぶ振り回されたようだなと思ってしまう。

「まぁ、元凶はエースだな」

「は?エース?」

「あぁ、エースがマリィを置いていくから、もう色々と重なった結果がこれだ……」

「つーか、マリィっていうのは「マリィ?!」うぉい」

 ダダダっ!と走ってきたのは、エースだったが、赤髪共々押しのけて、目の前の女の肩を掴んでいる。

「マリィ?!その子供なんだ?!」

「え、えっと……」

「ま、まさかうわ「こんのバカ孫がぁぁぁ!!」うおっ!?」

 ガープの拳骨が炸裂する。甲板に穴開くってなんだよぃ!?エースの分け前から修理費を出そうとマルコの額に血管が浮かぶ。
 ちゃんと女の子を抱き寄せて、避けるのは構わないがなにしてんだよぃ!

「なにすんだよ、クソジジィ!マリィに当たったらどうすんだ!!」

「わしがマリィちゃんに拳を当てる訳なかろう!!」

 誰か、本当にどうにかしてくれ!と赤髪に求めるも赤髪も赤髪で破壊された板が顔をぶつかっている。
 すると赤ん坊をあやしていた女の子が、すみません、ちょっとお願いします。と赤ん坊を持たせてきた。

「ちょ、」

 なんだ、と言う間もなく、彼女は肩に手を置いていたエースを掴むと投げ飛ばした。

「「「「?????」」」」

 そして、ガープの首をめがけて蹴りを入れたのだ。無論、ダメージはなさそうではあるが。

「もう!!二人共うるさいっ!!黙って!!」

「「…………はい」」

 あまりの剣幕に末っ子が、あの英雄が黙った。これ、覇王色の覇気出てないか?下っ端の下っ端が倒れていくなか、渡された赤ん坊はきゃっきゃっと笑ってる。恐ろしいんだが?!ひぃぃ!と誰かがぶるぶると震えてる。

「マリィちゃんも落ち着きましょう」

「…………シャッキーさん…」

「みんな驚いているわよ」

 フフ、と妖しげな笑いをするのは遥か昔に海賊をしていたアマゾン・リリーの女帝だった奴な気がする。

「…………ご、ごめんなさいっ!!」

 マリィと呼ばれた女は周りを見渡すと、頭を下げて謝罪をしてくる。いや、エースとガープを止めてくれたからまだいい。
 立ち上がろうとするエースとガープは彼女の眼光にまた座りだした。

「あの、本当にご迷惑をおかけしてしまっつて……」

「いや、しかし、なんだって、こんなことに……?」

「…………で、ですよね……」

 彼女へ赤ん坊を渡しながら、訊ねた。いや、本当に赤髪がガープと冥王と赤ん坊たちを連れてやって来たのが意味が分からんのだ。みんな。
 女は赤ん坊を見つめてから、どこか縋るようにシャクヤクを見た。シャクヤクはシャクヤクで笑顔で何かを訴えているようだ。
 覚悟を決めたのか、彼女は赤ん坊を抱っこしたままエースに近づく。

「…………マリィ?」

「えっと……ごめんね、エース……勝手なことをして」

「いや、あの、だから、その赤ん坊って……」

 誰のだよ、と言いたかったであろうエースの頭に踵が落とされる。武装色の覇気を纏ったのが。

「っ、エースの子供だよっ!!なによ、私がそんなすぐに違う男に抱かれる女だと思ったの?!バカっっっ!!」

「………………へ?」

「「「「「「「はァァァァァァァァァ???????!」」」」」」」

 思いがけないカミングアウトにエースは目をまん丸にして、ガープは額に手を当てている、そして、白ひげ海賊団のクルーは声を荒らげた。

「グラララララ!エースの子供だと?」

「そして、ロジャーの孫だ」

「「「「「「「はァァァァァァ???????」」」」」」」

 レイリーの言葉にまたしてもみんなが声をあげる。肝心のエースはポカンとしているし、女はボロボロと涙を流していた。
 うわーん!と赤ん坊を抱っこしたままに甲板を走り出した、船の手摺りへ足をかけるとジャンプして赤髪の船へと飛び乗った。え、すごくない?とサッチがマルコを見る。

「シャンクス!!もう、帰る!!」

「ま、マリィ…少し落ち着け」

 完全に癇癪を起こしている相手に何を言っても無駄だろう。赤髪がどうどうと言ってるが、ありゃ落ち着くまで時間が掛かりそうだ。
 ガープは立ち上がるとガツン!と拳を落とすも、エースと言えば呆気に取られている。

「まぁ、そういうことだ!こんのバカ孫が!わしの可愛い孫娘に手を出し合ってからに!」

「いや、え、ジジイ……」

「ほれ、戻るぞ、レイリー!シャクヤク!」

「グラララララ!待ちやがれ、エースの子供だと言うならそう簡単には帰さねぇぞ」

「なんじゃ、白ひげ!貴様は黙っとれ!!」

「エースの子供なら、おれの孫になるじゃねぇか」

「ならんわ!!マリィちゃんとあの子はわしと楽しく生きるんじゃ!!」

「はぁ?ふざけんな、クソジジィ!!」

 白ひげとガープの言い合いに、立ち上がって叫ぶエースだが、はっ!として船内へと走っていった。

「アイツ、どこ行ったんだよぃ」

「逃げたのか?」

「いや、流石にそれはないだろ……?」

 そんなことをぼやいていると、またダダダダダっ!と勢いよく戻ってきた。

「マリィ〜〜!!」

 エースもまた勢いよく赤髪の船へと飛び移る。

「なによ!触らないで!!」

「嫌だ!!ちゃんと話を聞けっ!!」

 彼女の肩を掴むと、エースは真面目な顔をして小箱を突き出した。

「マリィ!おれと結婚してくれ!!」

「………………ぇ?」

「「「「「おおおぉぉぉぉ!!!」」」」」

 いきなり目の前で繰り広げられたプロポーズに、何故か皆が拍手を送る。
 白ひげの船からはガープが「エース貴様ぁぁぁ!!」と叫ぶ。
 ここで収拾がつくか、と思ったが、女はエースの顔を殴った。

「「「「「「えーーーーー?!」」」」」」

「しませんっ!!」

「ハァ?」

「なにを勝手に決めてるのよ!」

「じゃあ、なんで子供産んだんだよ!」

「そ、そんなの………っ…エースのこと、好きだからじゃない!!でも、もういや!!振り回されたくないっ!!」

「いや、そこは好きで円満にしとけ…」とサッチが呟き、マルコは「よぃ…」としか言わなかった。

「好きならいいじゃねぇか、アホか!」

「そんなこという奴に嫁げるか、どアホ!!」

 誰だ、最初は大人しそうなまともな女だと思ったヤツ……。赤ん坊抱きながら、拳を振り上げてんぞ。
 「そもそも…」誰かが呟いた。「エースはあの女を好きなのか?」「捨てたんだろ?」ざわざわと船員たちが言い出した。が、次の瞬間、火柱が上がる。うちの船を焼くな!

「そこぉ!何言ってんだ!!おれはマリィを愛してんぞ!!」

「…は、…………はぁ?!」

 思いがけない言葉を聞いたとばかりに、女の顔は真っ赤になった。
 「お、なんか可愛いな」ニヤニヤしながらサッチが言えば、「だな」と誰かが同意する。

「ありゃあ、照れてるな」

 くくっと笑いながら、「エース、もう一押しだよぃ」と言ってやれば、「おし!!」と頷き、エースは人前にも関わらず、彼女の顎を持ち上げると食らうように口づけをした。
 マルコが額に手を当てながら「誰がそうしろって言ったよぃ…」と呟いた。
 なにが悲しくて、末っ子のラブシーンを見せつけられなくてはならないのか……しかも長いし深い……。
 見ればガープが殴り込むかのようにして、あのオヤジが止めている。冥王はニヤニヤしてるし、シャクヤクも笑っている。
 赤髪は……もう勝手にしてくれ、と言わんばかりだ。
 ぷはっ!と生々しい音に、エースはにやにやしながら女を抱きしめている。お前のその自信はなんなんだ??女は真っ赤になりながら、半べそになっているし、赤ん坊はなにも分からないだろうにキョロキョロと目線を動かしている。
 エースは女ごと抱きかかえると、白ひげの船へと戻ってきて、そのままオヤジに見せにいく。

「オヤジ〜〜、おれの嫁と子供だ!」

「グラララララ、よくやったぞ、エース」

「エース、貴様!!よくもマリィちゃんを汚しよって!!」

「うるせぇよ!コイツとはコルボ山にいた時からやる事ヤッてんだ!」

「……なんじゃとぉぉぉ!!」

 だから一言余計なんだよぃ、と思った瞬間、ぎゃあぁぁあん!!と赤ん坊が泣き出した。エースがは?え?となるも、女はぐったりと気を失っていた。そりゃ子供は泣くはな……。

「マリィ?!マリィどうした?!」

「テメェのせいだろい!!」

 ゴスッと頭に手刀を落とす。早く離してやれ!と言っても、エースは「えー…」とぼやく。
 船医室で休ませてやるから、寄越せ!と言えば、「変なトコ触るなよ」と言われる。
 ナースを呼び、エースを引っ叩いてから連れて行った。赤ん坊は、誰に渡しても泣くから連れて行くしかない。
 ガープがまたエースを殴っていたが、もう知らん。

 医務室に寝かせると、船医であるデュースが「マリィ?!」と呟いた。知り合いか?と思うも、そういやエースとともに白ひげ海賊団に入ったのを思い出した。確認するように訊ねた。

「この子供、本当にエースの子供なのか?」

「まぁ、間違いはないですよ……マリィがエース以外を好きになるとは思いませんし……」

 デュースに聞くと、さっきの様子とは全然違い二人はラブラブのイチャイチャしまくりだったらしい。ついでに言えば、デュースは彼女の妊娠の可能性を視野に入れていたとか。船を降ろす前から身体を怠そうにしていたし、味付けが少し変わっていたからだという。さすがちゃんとした医者である。
 つーことは、エースの子供で間違いはないということらしい。
 あーう、だっ!と赤ん坊はどんだけ身体が柔らかいのか分からんが、足の指をちゅぱちゅぱ吸っていた。くそ、可愛いな!
 おれが付いてます、というデュースに任せて、甲板に出るも、すぐに扉をしめた。ぎゃあぎゃあとまだ騒いでいるからだった。おれも可愛い赤ん坊を見て癒されたくて、医務室に戻ることにした。


終わり!
この後気がついたマリィさんは素直になれずに、エースから逃げます。エースの嫁と可愛い孫をゲットしたいオヤジが追いかけてきます。
シャッキーは育児疲れの女性を追いかけるなんて……と怒りを見せます。

なんか、書きたかったのはシャンクスの船に乗ってエースを締めにいくガープじいちゃん……面白くないですか??レイリーもいたらいたで面白いかと。空気でしたがwww


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