重なる想い
ようやく、普通科から音楽科へ移る事を決めた。
あっという間にクラスやカリキュラムなども決まり、香穂子はやや気恥ずかしい気持ちで、今まで着ていたのとは違う白い制服に身を包んだ。
「……う〜、なんだか照れる、かも……」
鏡の前に立ち、見慣れた姿ではないのはこそばゆく感じてしまう。
今まで着ていた制服も愛着があり可愛かった。しかし、明日から着る制服も可愛いが、なんだか似合うのか分からない。
そんな事を思いながら、不意にトントンとドアが叩かれた。
「香穂子、入ってもいいか?」
「あっ、うん! ど、どうぞっ」
そういうとドアがゆっくりと開いていく。
思わず、自分の部屋なのになぜか居心地が悪く感じてしまうのは、この新しい制服姿を彼に見せるせいなのかもしれない。
「…………」
「……ど、どうかな…」
「…………」
なにも言わない恋人になんだか、どうしたらいいのか分からなくなってしまう。
もしかしなくても、やはり似合わない、とか?
「あ、あの……やっぱり、似合わないよね! なんかお嬢様って感じだし……馬子にも衣装っていうか」
なんだか自分で言って悲しくなってしまうが、こう言う他なくて。
「……いやっ、そんなことはない。その……大丈夫だ、似合ってる……」
頬をやや朱く染め、言ってくる彼の言葉に嬉しさと恥ずかしさが込み上げてくる。
「……あ、ありがとう…」
「……いや…」
「「…………」」
もじもじとなんだか、互いに照れてしまい、どうしたらいいのか分からなくなる。
明日からはこの制服に身を包み、同じ教室で一緒に過ごすのかと思うと、嬉しくて、照れ臭くて、でもやっぱり嬉しくて堪らないのだ。
「……その、」
「な、なに……?」
「いや、こういう事言うのは恥ずかしいのだが……明日から一緒だと思うと、なんだか嬉しく思う」
そんな事言われるとは思わなくて、香穂子は月森を見上げた。そこには照れながら微笑み姿があり、
「わ、私もっ……同じ事考えてた…」
「……そうか」
「ちょっ……月森くんっ…?」
いきなりギュッと抱きしめられ、香穂子は慌てたが、それでも抱きしめてくる腕は緩む事はなかった。
とく、とくとやや速い鼓動と自分の鼓動に思わず苦笑すると、ああ同じなんだな、と思ってしまう。
「せっかく新しい制服なのに、皺がよっちゃうよ……」
「別に構わないだろう」
「でも……」
「これからはもっとつくだろうから」
「なっ……!」
そう言われて、香穂子は真っ赤になり、顔を上へと上げると柔らかい笑顔と共に口唇がおりてきたのだった。
制服に皺を残すのは貴方だけでいい──。
END
あとがき
すいません!ロクに知らないくせに思わず書いてしまいました。
当初名前が全く出てきてませんが、相手は月森くんです。
もう、口調やらなにやら訳が分からずコルダ再熱だけで勢いだけで書いてしまいました。
なんつーか、もうどうなんですかね、この話。自身書いててぞわぞわしました(笑)
きっとリハビリが必要ですね。まだまだコルダを知らな過ぎるんだな、と痛感いたしました。
こちらの作品は秋木の実様へ寄贈させていただきました。
2008/03/14