星降る夜
急にお前に会いたくなったんだ。………俺は。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
夜中に目が覚めてしまった。いつもなら、すぐに寝ようと思うのに(授業をサボって)昼寝をしたせいか中々寝付けない。
窓際に立ち、窓を開けると少し涼しい風が吹いてくる。
窓辺に座りながら月を眺めていると、色々と記憶が巡ってくる。
あの頃…アイツが……蜜柑がまだパートナーだった頃。
いつまでも続けばいいと願った穏やかな日々。だけどそれが、脆く崩れさったペルソナの一言
『毛色の違った小猫についても知っておこうと思ってね』
『せいぜい気をつけるんだな…』
だからこそ、距離を置いた。
俺のそばにいれば危険に晒す、俺が離れればお前が安全ならば、構わないと信じた。
でも、距離を置こうと思えば思うほど…心の奥で気持ちが溢れだす。
抑えようとすればするほど、こんなにも求めてしまっている。
『――蜜柑――』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
気がつけば、部屋を飛び出していた。まっすぐにアイツの部屋を目指す。
会いたくて…無償に会いたくて…部屋のドアノブを回すと不用心にも開いていたが、ベッドはもぬけの空だった。
「………チッ」
いないのか。と舌打ちをして、部屋から出ようとした時窓が開いていることに気が付いた。
「―――外?」
そう思うと、自然に窓から外に飛び降りていた。外に出て、必死になって捜し回っていた。
どうしても、今夜、今すぐに顔を見たくて…びっくりした顔でも、怒ってる顔でも、どんな顔でもいいから会いたかった。
どこをどう探しても見つからず、いつも昼寝をする木のところに行くと、月明かりの下、会いたくてたまらなかったアイツがいた。
――ガサッ
近づくと、草むらの音に気付いたのかこっちを見た。
――ドキリっ
心臓が跳ねた。
どんな顔で俺を見る?ずっと突き放していた俺を……?
そのまま近づくのを躊躇った。怖くて…拒否されるかもしれない。
『お前全部キライなんだよ』
『近寄んな』
「……な、つめ…?」
戸惑った顔をした瞬間
「あー、びっくりしたやん。タカハシさんかと思た〜〜。なになに?こんな時間にどーしたん?」
にこりと笑って近寄ってきた。気付けば、嬉しくて蜜柑を抱きしめていた。
「…ちょお、な、な、棗?どないしたん!?」
「………黙ってろ!」
―その顔が見たかった。怒ってる顔でもびっくりした顔でもよかったけど、本当は……
自分に向けられた【笑顔】が見たかった――
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
蜜柑は、顔を紅くしたまま黙りこんだ。微かに震えてるような気がする棗の背中をゆっくり撫でてやった。
離れていてもそばにいても気持ちは何ひとつ変わりはしない。大事なのは、今。
逃げてては、何ひとつ守ることは出来ないならば………ならば…もういっそのことそばにいたい。
ずっと、守っていきたい。
もう迷わない!!
俺が守るから!!
だから……そばにいてくれ!!
月明かりの下、願いを込めて棗と蜜柑は抱き合っていた時、頭上では、大量の星が降っていた。
END
あとがき
2作目は、とある曲を聴きながら書きました。
なんか、棗が弱さを見せたような…でも大事なモノがわかったような…そんな話ですね。
すいません、訳わかりませんね(汗)
こちらも、なつみかん同盟に送らせて頂きました。
2004/9/3