03
流架の部屋から出た棗は、流架の事を気にしながらも外へ出た。
外はもう真っ暗で独特の匂いがした。たぶん、雨が降るんだろう。湿った空気と生温い風がまとわりつく。
「散歩でもするか……」
自分に言い聞かせるようにスタスタと森の中を歩いていく。
先程の流架の事を考えながら、結構森深くまで来てしまった。そして、目の前の木の下にツインテールの頭があるのに気付いた。
「……水玉?」
低い声にビクッとしたのか、座り込んで下を向いていた蜜柑は顔を上げた。
「…あ、棗……」
「……こんなトコで何してんだよ」
カサリと草を踏み、棗は蜜柑に近づき隣に腰を下ろした。
「……別に…棗こそ何でいるん?」
「散歩だ………」
そのままなんの会話もなく、時が過ぎていく。それが長いのか短いのか、棗にも蜜柑にも分からなかった。ただお互い、どうしたらいいのか分からなかった。
(なんで…棗がここに……?)
(……いったい…何があったんだ…)
やがて、冷たい雫がぽつぽつと落ちてきた。棗は立ち上がると。
「おい……戻んねぇのかよ?」
その言葉に顔を上げた蜜柑だったが、首を横に振ると呟いた。
「…………今は戻りたくないねん」
その言葉に、棗は少なくとも眉間を動かした。
「……雨降るぞ」
「………んっ…」
何をいってもきかなそうな蜜柑に棗は、イラつき、心配した。
(言い返してこない水玉なんて水玉じゃねぇ……調子狂う)
しかし、次第に風が強く雨も強くなってきた。
台風が近づいているらしい事を思い出した棗は、ベアの小屋じゃないが近くに小屋がある事を思い出した。
「おい……移動するぞ?」
「…えっ?」
ぐいっと腕を引き上げられ、棗は蜜柑を連れて小屋に向かった。
To be Continued
'04/11/11