クッキー・クッキー
前日 能力別授業
「明日、調理実習でクッキー作るから先輩たちにあげるな♪」
「おっ♪そうか、チビ、嬉しいぞ☆」
「楽しみに待ってるからな♪」
そう言っていたのに…
キレイにクッキングペーパーに包んだのに…
無残にも土の上に転がっていた。
「「「「「……………………」」」」」
ふと顔を上げると、いつもと同じ無表情の棗、ハラハラした顔で見守る流架。
そして、同じくハラハラしている委員長と静かに見ている蛍。
蜜柑はキッ!!と顔を睨むと
「………なんだよ」
「…なんだよじゃあらへん!!アンタはごめんなさいとか言えんのかい!!」
「……は?」
「は?じゃ、あらへん!!ウチのクッキー落としよって!!!!」
「何言ってんだ、テメェが自分で落としたんだろーが」
「棗が先にぶつかったんやろ!!」
蜜柑は怒りながら、棗を眺めるも、棗はどうでもよさそうに
「俺の知ったコトかよ」
「〜〜〜〜〜…はぁ…」
蜜柑は、何を言っても無駄だと思い、ため息を吐くと、しゃがみ込みクッキーをペーパーの上に拾いはじめた。
「………せっかく…翼先輩にあげよう思っとったのに…」
「……!!」
くすんと少しだけ、涙目になる蜜柑を見て…というか、
『翼先輩にあげよう思った』
その言葉に胸がチリリと傷んだ。
「そやっ!!蛍、少し分けて……」
「イヤよ。貰ったモノは返さない主義なの。それに食べちゃったもの」
「早っ!!うゔ〜〜〜どーしよー…あげる約束したのに…」
蜜柑は、しょんぼりしながら呟いていると、容赦なく蛍からバカン砲で撃たれた。
―バカンっ!!
「いいから、さっさと拾え!!」
「バイ゙……」
せっせと砕けたクッキーを集めていると、視界が暗くなった。
顔を上げると棗がしゃがみ込み、集めていたクッキーを全部奪い取った。
そして、次の瞬間
――パクッ
最後の一枚を食べると、立ち上がり
「………甘すぎ………行くぞ、流架」
「えっ!?棗っ……」
と歩って行ってしまった。
「……はっ…?」
状況が分からず、呆然とする蜜柑だが、分かるコトは
【棗が落ちたクッキーを全部食べた】
というコトだった。
「………中々やるわね」
「へっ……?」
「……棗…たぶん悪かったと思って、食べたんじゃない?落ちたクッキー」
「…………………ウチ…棗のトコ…行ってくる!!」
そう言って、勢いよく走りだした親友を眺めながら蛍は
「……全く…本当にやってくれるわ」
そう呟いた。
「棗ぇぇ―――っ!!」
「……佐倉…」
振り向いたのは、流架だったが棗はそのまま先に進む。
「棗!!棗ってば!!」
「……ウルセェ…なんだよ」
追いつき、隣に並ぶと棗を見ながら蜜柑は笑った。
「えへへ…ありがとうな♪クッキー食べてくれて…ごめんな。それだけや!!」
「……………フン…」
そばで見ていた流架は、微笑ましいやら、少し妬けるやら…複雑だったが、とりあえずよかったと思えた。
蜜柑は、それだけ伝えるとまた来た道を戻る。
そして、振り返ると大声で
「今度は、翼先輩たちのと一緒に棗たちの分も作るから貰ってなぁ〜〜!!」
手を振り、駆けていった。
(………ついでかよ…)
そう思いながらも口元は弛んでいた。
落ちたクッキーを食べたのは
せめてもの罪滅ぼし
それと…
少しだけの嫉妬
END
あとがき
なんか…よく少女マンガにあるありきたりな話でしたね(笑)
ってか、地面に落ちたクッキー食べるなんて、ある意味凄すぎ(笑)
恋は盲目ですかっ!?
すいません、訳分からずですm(__)m
ここまで読んで下さり、ありがとうございましたvV
'04/12/6