01

GAKUEN ALICE

窓辺で、美しく千里眼をもつお妃様がキレイな雪に見とれて呟きました。


「もうすぐ、この雪のように白く、赤い口唇をした子が生まれるわ…」


隣にいた王様は声をかけようとした瞬間、どこかに飛ばされてしまいましたが、お妃様は水晶玉を見て呟きました。


「…大丈夫、生まれる前には戻ってくるわ」


やがて、予言は現実になり可愛い女の子が生まれ『蜜柑』と名付けられました。
しかし、お城の人々は美しく白い肌をしていた蜜柑を『白雪姫』と呼ぶようになりました。
王様もお妃様も、それはもぅ蜜柑を可愛がりました。王国は幸せいっぱいでした。王様の突然のタイムトリッパーさえなければ……

けれども、幸せは長く続きませんでした。お妃様が病気で亡くなってしまったのです。

一年後、お城に新しいお妃様がやって来ました。
そのお妃は、くるくるパーマと自分の美しさが自慢でした。


「パーマって言わないでよ!!」


王がしょっちゅう行方不明になるので、継母女王はやりたい放題でした。


「ホーホッホッ♪」


部屋の壁に不思議な鏡を飾り、毎日話しかけます。


「鏡よ、鏡。この世で一番美しいのはだぁれ?」


そう唱えると、鏡の中に表情の少ない顔をした少年の姿が現われました。


「アハハ〜とりあえず与えられた台詞を言っておくね。『ソレハ オキサキ。アナタガ、イチバンデス。』だって、じゃーね」

「ちょっと!!どういう意味よっ!?」


そう言いつつ、鏡を振るのでしたが、単純なのか


「まっ、私みたいだからいいかしらね♪」


用意された台詞に安心するお妃でした。鏡の中の少年は、笑うしかありませんでした。

やがて、何年かが過ぎました。
白雪姫は、美しく成長し、屈託のない笑顔でお城の中でも人気者でした。
お友達の野乃子ちゃんやアンナちゃん達とよくお花畑で、お花を摘んでいたりします。

ある日、いつものようにお妃が鏡に聞きました。


「鏡よ、鏡。この世で一番美しいのはだぁれ?」

「アハハ、いーかげん気付いたら?アンタじゃないコトは確かだよ。今は白雪姫が美しいよ」


鏡の少年がそう言うと、お妃は、頭突きをかましました。


「なんですってぇぇぇ!!この私より美しい〜?そんなバカなっ!!」


パーマ…お妃は怒り心頭でした。勢いにまかせ、すぐに狩人を呼び付けました。


「あの憎々しい白雪姫を森へ連れ出して、命を奪っておしまい!!」

「その判断はどうかと…」

「命令ったら、命令よ!!さっさとお行き!!」


狩人は面倒くさそうに、ため息を吐きながら準備に向かいました。


「……なんで俺がこんな役…鳴海の方があってるだろ…」


ブツブツ言いつつ、白雪姫を連れて森に行きました。



「はぁ〜やっと出番や。なぁ、岬センセ?なんでウチお花集めせなあかんの?」

「ここでは先生ではなく、狩人だ」

「へっ?なんでセンセって言ったんや?」

「…………さぁ?まぁ、とにかくあんな女王のために集めてくれ…」


とりあえず何も知らず小鳥に囲まれ、花摘みをする白雪姫に狩人は


「こんな可愛い姫を殺すなんて…できん!!ってか意味がわからん!!」


そう思うと白雪姫を森の中へこっそり逃がしました。


「へっ?なんで?」

「あの女王が君の命を狙っているからだ、さっさと逃げた方がいいぞ」


淡々と話す狩人に、白雪姫は素直に従い森の奥へと入って行きました。


「もうお城に帰れない…野乃子ちゃんやアンナちゃんと会えなくなるやなんて…」


白雪姫は、泣きながら恐い森の中を走りました。
途中で小さな小屋を見つけて近づくと、中からテディベアが現われ、蜜柑はボコボコにされました。
またまた泣きながら逃げて、森の奥深くに、かわいい小さな家が見えてきました。


「…今度は変なモン出ぇへんやろな?」


すると動物たちが、大丈夫だよ。と言わんばかりに白雪姫を引っ張っていきました。
家の中を覗いてみると、誰もいませんでした。


「誰かいませんかー?」


ノックをして入ると、小さなテーブルにもっと小さなお皿が七枚。


……ぐぅぅぅぅ〜


お腹がすいていた白雪姫は、顔を赤くしながら


「…ちょっとずつなら……」


七枚のお皿から少しずつ食べ物を取って食べました。
一安心したのか、白雪姫はふぁ〜と欠伸をしました。眠くなったようです。



   ◇◇◇◇◇◇◇◇◇



空が夕焼けに染まる頃、楽しそうな歌声が聞こえてきました。ただし、歌っていたのはただ一人・ナルだけでした。


「よく、恥ずかしげもなく歌えるものね…」

「「(蛍ちゃん・今井)………」」

「アハハ〜♪なんで楽しいから歌おうよvV」

「「「「「「…………イヤだ!!」」」」」」


七人の小人(?)が仕事から帰って来たのです。
家の中に入り、蛍が異変に気付きました。


「…誰か家に入ったわね」

「どうして?蛍ちゃん」


通称・委員長が聞くと蛍はテーブルの皿を指差し


「私(たち)の食べ物が減っているわ…(蛍」

「はぁ〜なんだって!?こっちはハラペコだっつーの!!(美咲」

「一体、誰が……(流架」

「じゃ、俺は美咲ちゃんを食べ…(殿」

「黙れ!!変態!!(翼」

「……………(委員長」

「…とりあえず、家中で変わったことがないか調べてみよう(ナル」


蛍はお怒りで、二階へ上がると寝室のベッドの上で寝ている白雪姫を見つけました。
気持ち良さそうに寝ている姿は可愛くて、委員長・流架は見とれていました。


「可愛い子だねぇ!ね、流架くん」

「…えっ……あぁ…」



委員長が呟くとシャイな流架は、真っ赤になりました。鳴海が


「せっかくだから、朝まで寝かせてあげようか?って殿内くん!?勝手に横に入らない!!」

「え〜添い寝v添い寝vV」

「バーカ!!やめろってんだろ!!おっさん!!」

「あ゙ぁ゙!?誰がおっさんだ!?」

「アンタだって」

「静かにしないと起きちゃいますよ!?」


委員長のことばに静かになったのも束の間、蛍のバカン砲が飛び出した。――バカンっ!!バカンっ!!バカンっ!!


「ヒギャーー!!!!!!!?」

「人の食事とっておいてそのままにする訳ないでしょ」

「……蛍ちゃん…」


バカン砲で撃たれた白雪姫は、頭を押さえながら目覚めると目の前の……小人?にびっくりしました。


「はわわっ!!すいませんっ!!勝手にベッド使ってしまって…」


七人の小人?達は、じぃ―――っと白雪姫を見ました。代表でナルが話し掛けました。



「えーっと、君はだれ?どうしてここにいるの?」

「う…ウチは蜜柑。でもみんなからは『白雪姫』て呼ばれてます。黙って入ってしまってごめんなさいでした。」


しょんぼりとした様子に小人達は心配そうに


「女の子が一人でこんなトコまで来るなんて、なにか訳ありだね。話してごらんvV」


優しい小人に白雪姫は、経緯を説明しました。


「そんなっ!?女王は何を考えてるの!?こんな可愛い白雪姫の暗殺だなんてっ!!(委員長」

「…っていうか、変な問題を持ち込まないでほしいわ(蛍」

「………今井…(流架」

「でもよぉ〜ここまで聞いといて追い出すってのもよ〜(翼」

「まぁな…(美咲」

「俺、反対!!白雪姫ちゃん可哀相だ!!(殿」

「う〜〜ん…(ナル」


小人たちが話しているのを聞き、白雪姫は頭を下げた。


「あ…あのっ!!ココに置いてくれませんかっ!?なんでもしますからっ!!」


必死に頼み込む姿に、蛍は


「……アップルパイ…」

「「「「「「「…………………ハイ?」」」」」」」

「…作れるかしら?」

「作れ…ます…料理は特意ですから…」


白雪姫の答えを聞くなり、蛍は


「じゃ、ナル。この子は今日からウチの子よ。ベッドの準備よろしく」

「へっ?今井さん…?」

「そういう訳だから…よろしく蜜柑」


フッと見せられた笑顔に白雪姫は、真っ赤になりました。



他の小人は呆然としていましたが、いち早く現実に戻った殿が白雪姫の手を握りながら


「よろしくね〜v俺、殿内って言うの♪」


言いながら、白雪姫にキスをしようとした時、バコン!!と音がして、振り向くと、帽子をかぶった男性がいました。


「や・め・ろ!!変態オヤジめっ!!」

「おらっ、やめろよ!!てめぇら!!引いてるだろうが!!ごめんな、私は美咲、そしてこの帽子ヤローが翼、そして、このおっさんが殿」

「おっさんとか言わないでよ〜美咲ちゃぁぁんvV」

「いちいちモノ投げるな、美咲…」


三人が騒いでいるも関わらず、他の小人も…


「僕は鳴海♪」

「僕は、飛田裕です。なぜか委員長って呼ばれてますが…で、こっちが乃木流架くんと…」

「………よろしく」

「今井蛍よ、蛍でいいわ」

「以上、七人の小人です★歓迎しますvV白雪姫vV」


それぞれ自己紹介しました。白雪姫は、呆然としながらも


「…じゃウチ…ここにいていいの…?」

「もちろん、ずっとここにいていいよvV」


それを聞いた白雪姫は、心から嬉しそうに笑いました。
次の日、早速男の小人は、白雪姫の白いベッドを作り、白雪姫は、みんなのために家中をキレイにし、ご馳走を作ります。

こうして、楽しい日々が始まりました。


-120-

学園アリス top