02
やがて、かぐや姫の噂を聞いた帝はすぐに家来を差し向けました。
かぐや姫が帝にお仕えすれば、おじいさんを身分の高い貴族にするというのです。
「おれが貴族〜?」
でも、蜜柑は泣きだしました。
「お願いや、ウチを一日でも長く、そばに置いて下さい!!」
それをみたおじいさんとおばあさんは、驚きました。
「おれが悪かった。蜜柑が幸せなら、他になにもいらないから…」
そんな風に帝の求婚すらもはねのけましたが、それでも諦め切れない若き帝は怒りを露にかぐや姫の家にやって来ました。
「貴様かっ!?この俺の誘いを断るとは」
「なんやねん!!アンタ、勝手に部屋に入ってくるなーっ!!」
二人は最悪な出会いをしました。
それでも、帝のプライドかはたまた蜜柑に惹かれていったのか、帝は暇さえあれば蜜柑の屋敷に通うようになりました。
貴族や官僚たちは、異例の事だと帝を止め、かぐや姫に出仕を促すが蜜柑がそれを聞かない為、帝が足しげもなく通って来ました。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
3年が過ぎると蜜柑は月を見ては一人で泣いています。
おじいさんとおばあさんは心配になり、尋ねました。
「蜜柑。わけがあるなら、話してくれないか?」
蜜柑は、悲しそうに言いました。
「……実はウチは、地上の人間やないのです。」
すぅっと月を指差し、続けました。
「ウチはあの月の世界の人間なんです。次の十五夜に月に帰らなければやらんのです」
それを聞き、おじいさんとおばあさんは驚愕しました。そして、ちょうど来た帝の耳にもその話は入りました。
「それは本当なのか!?」
ばさりっと几帳を押し出して、帝が部屋に入って来ました。
「なっ!?帝!?」
「今の話は本当なのかと聞いている!!」
物凄い剣幕で睨まれ、蜜柑はしぶしぶ頷いた。
「…お前が仮に本当に月の世界の人間だとしても、なぜこの地上にいる!?」
「そ、それは…」
「「「それは?」」」
「罪を犯してしまったから…地上に落とされたんや……濡れ衣やけどな」
蜜柑が呟くと帝やおじいさんさんたちは気になりました。
(((いったい、どんな罪だ?)))
しかしあえて聞かない事としました。
そして、とうとう8月15日の夜になりました。
帝の命令により「月の世界の者など追い払ってやる」と屋敷の周りには兵士がいっぱいです。
真夜中になった時、眩しい光がさして、天女たちが舞い降りて来ました。
光の洪水により兵士たちは動くことが出来ません。
蜜柑は天女たちに近づきました。
「迎えに来たわよ、蜜柑」
「ほーたーるー…」
一人の天女が羽衣を差し出しました。
蜜柑はそれを羽織ると、くるりと背を向けおじいさんとおばあさんに別れを告げました。
「蜜柑…本当に行くのかよ…」
蜜柑は涙ぐみながら頷き、今度は帝をみました。
「…本当に行ってしまうのかよ」
「うん…これあげるわ…『不死の薬』や。ごめんな、嫁になってやれんで。」
そういいながら薬を手渡すと、ゆっくりと車に乗り込んだ。
それは優雅に天へと上がると月の光の中へ吸い込まれていきます。
「蜜柑っ…」
「…どうか…お元気で…」
車はあっという間に月の都にて去っていきました。
「…本当によかったの?」
「うん、ええんや…ウチは間違いで落ちたのやから」
「あら、そうなの?」
「そうなのって…もともとは蛍が大根摘み食いしよってからに!!それがウチのせいになったんやで!!」
「…逃げ遅れたアンタが悪い」
「アンタなぁ〜〜」
車の中では、蜜柑はぷぅっと頬を膨らませながら下界を眺めた。
(さよなら…おじいさん、おばあさん……そして、棗…)
END
あとがき
なんか、今回はオールキャラじゃないですね。
本当は5人の貴公子たちを誰かに当てはめようとは、考えていたのですがあまりにも哀れなのでやめました。
誰にも合わなかったし…
ちなみにかぐや姫が下界に落ちたのは、罪を犯したからだった気がします。
しかも畑で大根を盗み食いしたとか…ι
さすがにどこまで本当なのかは分かりませんが、帝までも魅了した姫が大根盗み食いは厳しいものがありますよねι
でも、まぁ、それはそれで楽しいかもしれません。
こんな無駄に長い話を読んで下さって頭が上がりませんm(__)m
ありがとうございましたvv
分かってるとは思いますが配役〜☆
・かぐや姫………………蜜柑
・帝…………………………棗
・おじいさん………………翼
・おばあさん……………美咲
・お迎え天女………………蛍
・5人の貴公子……誰でもOK
こんなんで本当に申し訳ないです。
本当にありがとうございましたm(__)m
'05/06/25