理想と現実
いつの間にか好きになっていた
だから、貴方のために
可愛くなりたい。と思ったの
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
初等部最後の年。最近、蜜柑は【恋】というものを知った。
相手は、学校に入ってからすぐに天敵になった日向棗。いつも喧嘩が耐えないのだが、やはり棗がどんな子が好きなのか気になっている。
もっと、棗に近づきたい
棗の理想の人になりたい
ずっとそばにいたい
そんな思いが駆け巡っていた。
(あー…ウジウジ考えても埒があかんっ!! ココは一気に聞いてみよう)
ドキドキする胸を抑えながら、蜜柑は木陰で本を読んでる棗のそばへ近寄った。
ガサッ…と草の音がやけに耳につくも、胸の動悸が聞こえたらと心配になってしまう。気配を感じたのか、棗は横目でチラリと蜜柑をみた。
「なんか用かよ、ブス」
「なっ!! チ、ブスやないって!! なぁ、ちょっと聞いてもえぇ?」
ちょこんと棗の横に座ると、蜜柑は少し頬を赤らめながら言った。
「……なんだよ」
「な、棗ってどんな人が理想なん?」
「………あ?」
「せ、せやから理想とかってあるん?」
棗は持っていた本を下ろすと、じっと蜜柑をみた。その紅い瞳に見られると蜜柑の胸は一層、早鐘のようにドキドキとなっていた。ようやく、棗の口が開いた。
「うるせー女はキライだ、ブス」
「ちょっ、いーやん別にちょっとくらい教えてくれたって」
「黙れ、ブス」
そのたった一言で蜜柑の胸はズキリと痛んだ。
ずきん、ずきん…
「あ―――…そっか、分かったわ。悪かったな…時間取らせて……」
蜜柑は、俯いたままそう言うと無理に笑いながらその場を走るように離れた。
そんな言葉に胸がズクズクと痛みをましてくる
うるさい女はキライ
そして、ウチはうるさいといわれてしまった。
どーやったらおとなしくなれるんやろ
どーやったら棗の理想に近付けるんだろ
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
とぼとぼと寮へと歩くと、棗が木の辺りに立っていた。気まずくて慌てて通り過ぎようとしると、不意に腕を掴まれた。
「……おい」
「っな、なんや?」
蜜柑は俯いたまま顔を合わせようとしなかった。さっきの言葉が胸に突き刺さったままで、とても棗を直視する事が出来なかったのだ。
そんな様子を伺おうと、棗は蜜柑の顔を覗き込むと切なさと哀しさが交じった表情の蜜柑が口唇を噛んでいた。今にも泣きだしそうな表情が、棗の心を焦らせる。
「……どうしたんだよ、みかん」
「――…っ」
不意に名前を呼ばれ、蜜柑の心中は乱される。
こんな時にばかり、名前で呼ぶ―――
より一層、哀しさが増していき仕舞いには目頭が熱くなっていた。涙が止めることも出来なく、熱い雫がポロポロと頬を伝っていった。
「…みかん?」
涙を拭おうと棗が触れようとしたが、蜜柑はそっと離れた。出された手は空をきり、その場で握り締められた。
「………やさしく…せんといて…」
ぽそりと小声で呟かれ、棗は目を見張った。茶金の瞳がうるうると赤くなっていた。
「…ウチの事……キライなら優しくするな…」
その言葉に棗は先程の事を思い出す。あれは…
次の瞬間、蜜柑は棗の腕の中にいた。
「……な、なつめっ…」
「―――違う…」
頭の上からかかる言葉に蜜柑は呆然としていた。
(…違う?なにが……)
刹那
目の前に棗の閉じた目蓋があった。そして、口唇に触れる柔らかな感触
「……理想と現実は違うんだよ、バーカ」
紅の瞳が開かれ、真直ぐに射ぬかれていた。蜜柑は、また涙を流し
「…そんなん…分かるわけないやろ〜」
「……大体、いつキライなんて言った…」
「っさっき、言ったやん!!」
「………お前を《キライ》と言った覚えはねぇぞ」
「……えっ…」
瞳を見開いて、蜜柑は棗を見つめた。やや棗の目尻が赤いような気がする。
「…な…つめ…?」
「……黙れ」
真摯な眼差しに蜜柑に唖然としながらも、口を塞がれていた。長いキスは次第に哀しかった蜜柑の心を暖かくしていく。
ようやく口唇が離れたとき、耳元でそっと囁かれた言葉に蜜柑は顔を真っ赤に染めていた。
END
あとがき
なんでしょう?この解らない話は。しかも、最後はなんなんだーっ!?まさに尻切れトンボですか?
ごめんなさい、ごめんなさい。
棗蜜柑好きなのにこんな駄文しか書けなくて…(TдT)しかも完成させるのに半年以上掛かるってなんなのよ―っ!!
せっかくなんで、こんなサイトと未だに相互していて下さるサイト様に御礼を込めて、プレゼントいたします。
2006/08/31