なんとなく…

GAKUEN ALICE

いままで、この関係について考えたコトなんてなかった。いつの間にか隣にいて、笑っているのが自然になっていた。



   ◇◇◇◇◇◇◇◇◇



いつもの特力の授業(っていっても遊んでばっかだが)ここ最近、よく殿が来るようになった。まぁ、これまたいつもの様に美咲や蜜柑にちょっかい出していた。
それは、いつも通りで気付けばいつも通りにしている俺がいた。


「美咲ちゃ〜ん」

「うわっ! 放せっ!!」

「なにやってんだ! このっ、おっさん!!」


可愛い後輩・蜜柑の親友、今井蛍様からもらったバカン砲を取出し、(一応)先輩に向けて放った。


―バカン!!!!


その隙に、美咲はサクっと放れたから無事だが、殿は頭を押さえながら


「……っテェ…つーばーさ、お前はこの俺にそんな態度でいいと…」

「るっせぇよ!おっさん!!」


そう言うと、またまたバカン砲を再び放った。あわや、というところで殿内は華麗に躱し


「あーぁ、残念だが俺は行くな、チビちゃんまたねぇ〜」


と言って、教室から出ていった。


「サーンキュ、翼♪」

「おぅ!」


がしっと拳を合わせて、翼と美咲は笑い合った。これが、当たり前の二人であった。
しかし、最近なにやらこの関係に疑問を持ち始めたのは何故なんだろう。それまでは、考えたコトなかった。
…たぶん、数日前に同じ中等部の奴らに言われた言葉の所為かもしれない。


『お前、美咲ちゃんと付き合ってのか?』

『はぁ?付き合ってねぇよ』

『じゃあ、なんでいっつも一緒なんだよ!?』

『……はっはーん♪お前、美咲のコト好きなのか?やめとけ、やめとけ、アイツはじゃじゃ馬だぜぇ?』

『……っ!! う、うるさい!!お前、美咲ちゃんのなんなんだよ!?』

『はぁ?そんなもん……ダチに決まってるだろ』

『……じゃ、じゃあさ……付き合ってないってならコレ渡してくれねぇか?』


……なんか、ムカつく


『…そんなモン、てめぇで渡せ!じゃあーな』

『あっ、おい!安藤!!』


スタスタ歩っている後ろから声をかけられたが振り返る気すらなかった。何故か、言われた言葉が気になった。



『美咲ちゃんのなんなんだよ!?』



返事に一瞬詰まったのは何故なんだろう。

同じクラスの『友達』で同じ能力別の『仲間』でそれ以外なんでもない。
ただそれだけの関係なんだ。


そんなコトを考えていると、モノを投げられ顔面にぶつかった。


「なーに、ボーっとしてんだよ!?翼、授業終わったぞ!!」

「〜〜〜美咲、てめぇ〜痛ぇじゃねぇか!!」


気付けば教室にいるのは、ごく少数だった。みんなゾロゾロと歩きながら教室を出ていく。



「……あれ?蜜柑は?」

「あぁ、今日はこれからセントラルタウンに行くんだと、嬉々してさっさと出ていったよ。そんなコトよりうちらも行かねぇ?」

「いいけど、何しに?」

「菓子を買いに行く!!」

「……ガキか?」

「るっさい!!ホラ行こうぜ」



そう言われ、ズルズルと連れて行かれてしまう。



本当に、手に負えない。じゃじゃ馬だよな。



なんて思っていると、セントラルタウン内でこの前の奴が道の向こうから睨みつけてきてる。たぶん、誤解しているんだろう。


こっちは、彼氏でもなんでもないっつーの!あー、めんどくせぇ…


「おい、美咲!!」


前を歩いている美咲を呼び止めた。


「なんだよ?」

「……アイツ…」


通りの向こうにいる奴を顎で差し


「お前に話があるみたいだぜ」

「アイツ?あの店の前にいる奴か?」

「…あぁ」

「…ふーん、ちょっと行ってくるな」

「おぅ」


不思議そうに通りを渡り、あの男に近づいていく美咲。男は、真っ赤になりながら慌てていた。

二人を遠目で見ているとなんだか、自分の中で言い様もなくフツフツと怒りが込み上げてくるのは何故なんだろう。


二人が喋っているのが腹立つような……

男と話す美咲にイラつき

男にはムカついてくる。


『自分で、話してこい。』

そう言って行かせたのにこの怒りは場違いだ。



しかし

なんとなく

他の男と話して欲しくなくて

気付けば美咲の後ろに行き

腕を掴んだ。



「ん?どうした、翼」

「…そろそろ行こうぜ」

「お、おいっ!安藤、邪魔すんなっ!!」


連れていこうとする美咲の腕を取り、自分に向かって言ってくる相手に


「おめぇみてぇな奴に、美咲はもったいねぇんだよ!!手を出すな!!!!」

「なっ!?」

「おいっ?翼?」


スタスタと美咲の手を掴んだまま、翼はセントラルタウンの外れに出た。



「おいっ!!翼ってば!!!!」


美咲の何度目かの言葉にようやく手を放し、翼は美咲を見ずにそのまましゃがみ込んだ。


(なーに、やってんだ?俺…)


「どうしたんだよ?翼っ!?」


ゆさゆさと揺さ振ってくる美咲に目をやり、またため息を吐いた。はあ、なんだか訳が分からないという気持ちで答えもせずにいると、美咲は翼を拳で殴ってきた。


ボカッ!!!!


「てめぇ!いい加減シカトするんじゃねぇよ!!」

「〜〜〜〜〜っ痛!?」

「なに、シカトぶっこいてんだ!?アホ!!」

「………お前ってさー、ホント口悪ぃよな!!」

「…なんだよ、いきなり」


ジッと見上げてくる翼に美咲は聞き返すが、翼は独白のように言葉を紡いでいく。


「手に負えねぇし、気紛れで、調子いいし……」

「てめぇ、ケンカ売ってんのか?」

「なんでモテるんだか…」


はぁ、とため息を吐き、翼は頭をカリカリとかく。


(…そういうコトか…)


何かに気付いた翼を、不思議そうに美咲が眺めていると


「でも、綺麗だよな。お前って……」

「なっ!?」


突然の言葉に赤くなる美咲を眺め、およ?と目を見張った。
珍しく、見るその姿に驚きを隠しながらも心の中では口が緩む。


「すげぇ、真っ赤!!可愛いトコあんじゃん!!」

「う、うるさい!!黙れ!!バカ!!アホ!!腐れ!!」


笑い合う二人はハタから見ればただのバカップル。


だけど


いつも否定していたコトがようやく肯定できるのもあとわずかかもしれない。





END


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おまけ


美咲:「さっきなんで話途中で止めさせたんだ?」

翼:「さぁ、なんか分かんねぇけどムカついたから…」

美咲:「なんだそりゃ……(大概、てめぇも鈍いんだな…でも…)」

翼:「…さぁ?(なんででしょうね、まだ言ってやんねーよ。…でも…)」


翼&美咲:((いまはまだこのままの関係でいたいから…))



おわり



あとがき
サイト開設記念初フリー小説!
ボツにする予定が書いちゃったよ!!Σ( ̄◇ ̄)
初・翼×美咲です。
なんだか、急にイメージが湧いてきて…あと一歩で恋人になりそうな二人を書いてみました。
最後は自分の気持ちに気付いているのにも関わらず『まだこのままで…』としちゃいました。
居心地の良さですね。

はぁ〜分からない話ですみませんでした。
読まれた方には申し訳ないですm(__)m
ありがとうございましたvV


2004/10/10


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