ずっと前から…

GAKUEN ALICE

夢でも見てるような気分だった




いつものように、好きな場所で昼寝でもしようと足を運んだ。
が、そこにはクラスで一番煩く、悩みのない少女が座り込んでいた。
だが、その後ろ姿は、なにやら元気とは言い難い雰囲気を出していた。

だからって
気にする事もなく


「邪魔だ ブス」


そう言い放って彼女の背中を蹴った。
ガクンっと前のめりになるも、少女は後方を見て


「なんや…棗かい…」


いつもより悠に低いテンションで言い返してきた。


…なんだ? こいつ…


そう思い、もう2、3度蹴りを入れても


「やめてーな…」


とかしか言わなかった。
よく見ると目元が赤く、泣いていたというコトに気付く。
眉根を寄せ、すとんっと隣に座ると、こちらを向いた。


「………なんか用なん?」

「…昼寝しに来ただけだ」


呟き、横になると呆れた声で


「なんで隣に座るんよ? 違うトコ行きぃ…」

「ココがオレの昼寝場所なんだよ、どっか行くならお前が行けよ」

「………………」


そう言い放つと、ガサリと立ち上がる音がして、瞳を開けた。
蜜柑は、すまなそうな顔をしていた。


「……そっか…ほなごめんな…」


呟くと、そのまま走り去ってしまった。


「……………なんだ、アイツ…」


その様子にボソリと呟き、再び、横になるも先程のなんとも言えない表情が頭をちらつかせる。
そして、物足りなさを感じ……ふぅ、とため息がちに起き上がり、腰をあげると彼女が進んだ方へと足を向けた。



   ◇◇◇◇◇◇◇◇◇



一方、蜜柑は歩いては立ち止まり、ため息を吐くとまた歩きだす。
そんなぎこちない風で下を向き歩いていた。


……蛍、怒ってるやろか…


蜜柑は先程、愛しの蛍を怒らせてしまったのだ。
不可抗力だったとはいえ、届いたばかりの蛍の両親からの手紙を水浸しにしてしまった。


『ご、ごめんっ!! 蛍っ!!』

『いいから、部屋から出ていって』

『せ、せやけど…』

『聞こえないの? 出ていって』

『………ごめんな…』

『………………』


大切な家族から届いた手紙

濡れて読めなくなってしまっては、誰だって怒ってしまうに決まってる。


「はぁ…」


ため息をついて、また歩きだした。


(どうしたらえぇんやろ…)


グスリと涙で視界が歪んでいく。


しばらく歩いていると、またもや後ろから蹴りを入れられ、前にふっとんだ。


「うぎゃっ!?」


そのまま勢いよく、前に吹っ飛んで地面に手をついた。
いきなりなんなのか?と振り返ると、そこにはポケットに手を突っ込んだままの棗が立っていた。


「な、何すんじゃい!! なつめぇ〜」

「…チンタラ歩いてるんじゃねぇよ、ブス」


フンっとふんぞり反る棗を見て、蜜柑はビシッと青筋を立て、大声を出した。


「誰がブスじゃいっ! だいたい邪魔やからって蹴飛ばすやつがおるかっ! このイヤミキツネっ!!」

「…………元気じゃねぇか…」

「へっ?」


一気にまくし立てたのにも関わらず、返って来た言葉に蜜柑は、ぽかんとして棗を眺めた。


(………えーっと…もしかして、慰めてくれてんやろか…?)

「…な、なつ」

「てめぇは、笑ってる方が落ち着く…バカみたいだけど、ヘラヘラ笑ってろ。じゃないと…落ち着かねぇんだよ………」


蜜柑の言葉を遮り、出てきた言葉に蜜柑は真っ赤になった。
真正面から、しかも棗からそんな言葉を言われるなんて思ってもみなかったのだから…


「…な…つめ…?」


真っ赤になったまま見つめ返すと、とたんに、悪戯風な顔つきに変わり近づかれた。


「あんまり泣いてっと襲うぞ」


そのまま、さわっとお尻を触られ蜜柑は悲鳴を上げた。


「ひぎゃ―――っ!!!?」


棗はニヤリッと笑うと、そのまま寮へと歩きだす。
後ろからは怒りを含んだ蜜柑の罵声を聞きながら。


「なつめのバカ―! 変態! セクハラ痴漢男――っ!!」



ぎゃあぎゃあ、といつもの調子の姿を視界の隅で認めると先程とは違く、口の端を上げた。


ずっと前から気になっていた少女。

元気なお前が好きなんだよ

だから、柄にもなく落ち込むなよ

いつものお前と…ケンカがしたかったんだよ――バカ蜜柑




END

あとがき

……………………………
……………………………
なんじゃっ!?この話はぁぁぁぁ〜Σ(゚д゚)
はい、こんばんわ♪マキです。
なんですかね?このワケわからん話は…
まず何よりも

棗サマが偽者!!

誰だっ!?貴様っ!?
こんな台詞いいません!!
棗サマは!!クール・ボーイですから(笑)


はぁ、ある意味キモイ話でした(爆)
感想いただけたらかなりうれしいです(TдT)

では、お目汚し作品ですがここまで読んで下さってありがとうございましたm(__)m


初出:2005/01/21
改出:2007/06/26


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