こぼれ落ちた砂
それは、突然に―――
「……ウチはもぅ棗の考えてる事は分からん」
「……………」
そう言うと彼女は、部屋から出ていってしまった。
――――…終わった
もう 彼女は
俺を好きではない
そう言った。
出会ってから、付き合い始めてから数年が経った。
出会った頃はお互い天敵で…
でも、あの曇りない笑顔に惹かれていった。
だからこそ『好き』と言われたときは嬉しかった。
大切な親友の流架を傷つけて手に入れたのに……
どうして こんな風に
なってしまったんだろう……
何かを掴むように手を握り締める
あんなにも彼女は
俺に向かって好意を示してくれたのに
俺は……
『なっつめ〜〜大好きvV』
『うるせーブス』
『なんやと〜もちょっと彼女には優しくしたっていいやんか――!!』
『なつめ、なつめ、デートしよう♪』
『あ゙ぁ゙?』
『セントラルタウン行きたい!!』
『勝手に行け』
『なつめ―――……
……………………
……………………』
俺は何もしなかった
告白された事をいいことに
彼女の言葉に甘え
この俺が傍にいるんだから
それだけで分かってるはずだと……
高を括っていた。
次第に 心だって 離れていくのに……
「ウチ…もぅ棗とは付き合われへん」
目の前の彼女は、茶金の瞳を向け言い放った。
俺は、ぐっとなりながらも
「……急に何言い出すかと思ったら…何言ってんだテメェ」
「……急にやないねん…ずっと前から思ってた……」
「なっ…」
「棗は、ウチの事ホンマに『好き』やの?」
「………言わなくてもわかるだろ…」
その言葉に蜜柑は、はぁとため息をついた。
「そうやと思ってる…ってか、思いたい。けどな…ウチだって女やねん、言ってもらいたんよ。せやから…始めの頃は分かろう思ってた。けど…言われないと不安になるんよ…そして……」
「そして?」
「自分の気持ちにも分からなくなった…棗を好きだと思ってた……でも、今はもう違うと思うんや」
「だから、別れたい?」
少し皮肉めいた口調で言うと、蜜柑は顔を上げ
「アンタがそんなんやから…壊れるんや」
「……………」
「キライになった訳やない…ただ、このまま…こんな気持ちで付き合うんていうのは無理なんや。もう棗に向かって、好きって言われへん……棗を恋愛対象としては見れへん…」
「………みかん…」
真っすぐと見つめてくる瞳に棗は、名前を呼ぶしかできなかった
「…………だから流架なのか?」
その言葉に蜜柑は一瞬たじろぐも
「…………ずっと棗のこと、相談しとる内に惹かれてた…ウチは流架ぴょんの事好きやけど……向こうは…分からん…。だからもう……アンタとは付き合えへん…」
涙ぐみながら語る彼女に
自分は悔しくて…堪らなかった。
「……ウチはもう棗の考えてる事は分からん」
彼女は出ていった。
これは自分が犯した罪
ずっと勘違いしたいた。
愛は二人で育むもの
俺は……何もしなかった
両思いになれたからって
努力を惜しんでたら
何も育たない。
―――――ごめん…
―――――ごめん…
今度こそ…
幸せになって……
大好きな君へ
そう願いたい。
END
あとがき
久々の表小説は『悲恋』と来ちゃいました(殴)
でも、こういうことってないですか?
相手から言われるとついつい甘えてしまいますよね(たぶん)
今回は、棗が振られてから後悔する話でした。
読んで下さってありがとうございましたm(__)m
'05/3/10