花占い
「…スキ…キライ…スキ…キライ……スキ…?」
蜜柑は、持っていた花を放り投げてバタンと寝そべった。
「こんなんで、分かるわけないやんか―…はぁ〜」
ふと上を見上げると大きな木をみることが出来る。
その向こうに、チラチラと青い空が垣間見ることが出来た。
目をつぶっていても、光が当たっていることが分かるのに突然何かによって遮断された。
ふと目を開いてみると見慣れた紅い目をし、黒髪の少年が立っていた。
「…な、棗っ…」
「……なんだよ、俺がいちゃまずいのかよ」
「っべ、別にそんな事言うてないやん!」
「………そういう、水玉はこんなトコで何してんだ?」
チラリと花弁が散らばっているのを横目で見ながら棗が聞くと、蜜柑は少し顔を赤らめた。
「は、花占いしてたんよ。なんか、分かんなくて…」
「……何、占ってたんだよ」
いつの間にか蜜柑の横に腰を下ろし、花弁の無くなった花をつかんで眺めていた。
「…い、色々や!そういえば、棗って好きな子とかおるん?」
「……………はっ?」
「いや、せやから棗って意外と結構モテるやんか、せやから…」
身を乗り出して聞いてくる蜜柑の頭を押さえ、棗は聞き返した。
「…そういうテメェはどーなんだよ」
「ウチ?…ウチはぁ〜そのぅ〜……す、少しだけ気になっとる子はおるよ…」
少しだけ、顔を赤らめて、でもどこか幸せそうに笑う蜜柑の顔を見てると棗の中で、何か弾ける音がしたような気がした。
(ムカっ)
「…ふーん、可哀相だな、そいつは……テメェみてーな馬鹿に好かれて…」
「バ、馬鹿とはなんじゃい!!そ、それに気になっとるだけで、好きとかって訳じゃ………」
「違うのかよ?」
「……うーん…?だからよく分かんないねん」
「は?気になるって事は好きって事だろーが!」
「へっ?そーなん?」
キョトンとしている蜜柑に棗は、溜息を吐いた。しかし、蜜柑は何かを考えてるようで、ブツブツと頭を抑え呟いている。
「………おい…」
無意識のまま、棗の口から言葉が出た。
「…ん?なんや?」
「…てめぇの気になってる奴って誰だよ」
「な、なんで!?」
棗は、蜜柑の髪を引っ張りながら聞こうとするが
「そんな事、なんで教えなあかんの!?」
「…………なんとなく」
「じゃあ、別にいいやん。あっ、さっきの棗の答えは?好きな子おるん?」
髪の毛を引っ張り戻して、蜜柑はまた棗に聞いてみた。
「俺の方こそ、なんで教えてやらなくちゃいけないんだよ!」
「えっ、えーっと……なんとなく?」
「………だったら別にいいだろ…」
「まぁ、そーやんな!アハハハハ…」
しばし沈黙が流れた。
「「……………………」」
フイに、棗が立ち上がると座ってる蜜柑に向けて
「おい、水玉」
「水玉言うな!!」
蜜柑は、キっと棗を睨みつけるが別に恐くない。しかし、棗はひどく愛おしそうな顔をして言った。
「………お前だよ」
「…………は?なにが?」
蜜柑は、聞き返したが次の瞬間、いつもの棗に戻りスタスタと歩いていく。
蜜柑は少し考えると顔を赤くして、立ち上がり棗を追い掛けた。
「なーつーめ―!まっ…待って…」
「…………」
「無視すんな!」
やっと追い付いて隣に並び、話かける。
「ウチの気になる人ってな…もしかしたらホンマに好きかもしれん」
「……………ふーん…」
脇目も振らず棗は歩いていくばかり…そして、蜜柑は真っ赤になりながら持っていた花を棗に無理矢理握らせ
「……?」
「っこれが、答えやっ!!」
と言って、寮に向かって走っていった。
その顔は、真っ赤でツインテールはゆらゆら揺れていた。
手にした花を見つめると棗は、口を緩めて笑うと走りだしていた。
END
あとがき
オトメ全開ですね…蜜柑が(笑)
しかし、花占いなんてしたことないなぁ…
棗の「ムカっ」に萌え?
2004/9/10