君の優しさ
「…ドコ行ったんだろ……」
流架がキョロキョロとしていると
「どうかしたん?流架ぴょん」
茶金の瞳の少女がひょこっと、首を傾げ覗き込んできた。
「うっわぁぁぁぁあっ…」
「わぁっ!?びっくりしたわっ…」
流架は急に目の前に蜜柑の顔があり、真っ赤になり大声をあげた。
蜜柑も驚いたが、流架ほどではないのは彼が想いを寄せているからだろうか…
「さ、佐倉か……あの…ウサギンがいないんだ…知らないか?怪我してたのに…」
「えぇ!?大変やん!!ウチも一緒に探すの手伝うよ!!」
流架が心配そうにしていると、蜜柑はびっくりして応えてくれた。
流架は、その優しさにほほ笑みながら甘えた。
「いいのか…?ありがとう」
「うんっ♪えぇよ」
二人は、一緒になって教室、飼育小屋、北の森などを探すと…小さな小川みたいな場所の木の枝にしがみついているウサギンを発見した。
「あれ、ウサギンやない?」
蜜柑が指さすと、流架は驚いた。
「ホントだ…!!なんであんなトコに…」
「ウチが助けにいくよ!!流架ぴょん待っててな♪」
「えっ?佐倉っ!?」
またもや、急な言葉に流架はびっくりしながらも蜜柑は流架の言葉など聞かず、河岸までより、枝へと手を伸ばした。
「大丈夫やって♪……ってギャ―――っ!?」
ニコっと笑いながらも、なんとかウサギンに手を伸ばし掴んだまではよかったが……河に落ちないようにしたのか、くるりと身体を回転させてコケてしまった。
「佐倉っ!!大丈夫っ!?」
流架は慌てて近づくと、蜜柑はスクッと起き上がり
「へ、平気。平気…大丈夫や……はい。ウサギン♪」
てへへ…と笑いながら、ウサギンを差し出した。
「………ありがと…」
ウサギンを抱き締めると、くいくいと引っ張られた。
見ると、赤いつぶらな瞳のウサギンが何か言いたそうに見上げてくる。
『ルカ………』
教えられた事に、流架は蜜柑を見ると
「…………佐倉…」
「どしたん?流架ぴょん?」
「ウサギンが言ってた。佐倉怪我したって」
キョトンとしていた蜜柑だったが、焦ったように手をぶんぶん振っていた。
「えっ…平気やよ。大したことあらへんって……痛っ…」
平気な振りをしていたのだが足に捻ったらしく、痛みが走った。
「平気じゃないじゃないか。ほらっ…だからおんぶするよ…」
流架は、背中を向けてしゃがむと言い放った。
「で、でも……ウチ重いし…」
「いいから!!ほら…」
しかし、足がずくずくと痛み歩けるかどうか分からなかったので、蜜柑は恐る恐る近づくと
「……お、願いします…」
「…うん……」
パフッと背中に体重をかけた。
ドキドキドキドキ……
流架は、真っ赤になりながらも顔がみれなくてよかった…と
(…どうか…この鼓動が聞こえませんように…)
願いを込めて、寮へと足を運んだ。
END
あとがき
以前使用していたweb拍手をリニュしました。
つまり、使い回しでございます!!
流架蜜柑はほのぼのが似合いますね。
ほのぼの…かは怪しいですが。
それでは、拙い駄文でしたが読んで下さってありがとうございました。
感想頂けたら幸いです。
'05/09/10