おひるね
北の森へと通じる道を蜜柑は散歩していた。
木々がうっすらと紅くなり始め、綺麗だと思いながら空を見上げる。
ちょっとした水溜まりみたいな空を囲む緑の葉っぱと薄く色づき始める黄色や赤の葉っぱが蜜柑の心を弾ませた。
ふんふん♪と鼻歌混じりで歩いているとやや広がった空間へと出た。
(あれ?ここって…)
ふと考えれば、自分のアリスが初めて分かった場所だと思い出した。
(そういや、ここで棗のアリスを止めたんやったな…)
とキョロっと周りを見渡せば、見慣れた金髪の少年の姿。
なんだか、倒れてるように見えて蜜柑は急いで近寄った。しかし、よくよく見てみれば動物に囲まれて昼寝をしていたようだ。
蜜柑の気配に気付いたのか、流架の傍らにいたウサギンがヒョコっと蜜柑の方へ跳ねてきた。
「流架ぴょん、寝てるんやな。静かにしてよな?ウサギン」
抱き上げたウサギンにしーっと指先を口に当て、蜜柑はクスッと笑った。
ウサギンは、また跳ねて蜜柑から降りると流架の横に行き小さく丸まる。
蜜柑もその横へと座ると、隣で寝ている流架の顔を覗いた。
(なんか…こうして見ると流架ぴょんってお姫様みたいやな…)
アリス祭の劇を思い出し、クスッと笑った。
そういえば、あの時、彼は『白雪姫』だったな。と思って今のこの状況は正にラストシーンのように思えた。
ちょっと違うかもしれないけど、こうして動物に囲まれている辺りがそう思えて仕方ない。
ふぁ〜
心地よい陽射しに蜜柑もなんだか、眠くなってきた。
あくびをして、なんとなく横になる。ゆっくりと瞼が落ちてきて、深い眠りへと誘われた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
微かに香る甘い匂いに流架は、まだ眠いゆっくりと瞼を開いていく。
視界には何か遮るように色素の薄い糸みたいなのが映る。
――なんだろう?
そう思いながら、身体を起こすとクラスメートであり、自分が淡い想いを寄せる少女がすやすやと寝息をたてていた。
「さ、佐倉っ!?」
ドキっとして、思わず声を出してしまった。
慌てて口元を抑えると、「うぅん…」と身動きするもまた規則正しい寝息が聞こえてきた。
ホッとして、蜜柑をみるとドキドキと胸が高鳴り、頬が熱くなる。
そっと流れる髪を手で触れると、さらりと滑って落ちた。今度は白いふっくらした頬に手を添えると、躊躇しつつもそっと口唇を落とした。
バクバクと早鐘のようになる心臓を抑え、熱くなった頬をパタパタと手で扇ぐ。
――俺、何してんだろ
そう思いつつ、再び横になると顔胸元てー組まれている蜜柑の手を取り、軽く握った。
ドキドキする心でゆっくりと瞼を閉じる。
――次に目を覚ましたら、佐倉の顔見れるかな?
――佐倉はどんな顔をするかな?
ちょっとだけ、起きた時が楽しみになり流架の意識はどんどん遠ざかっていった。
ちょっとだけ涼しい風が二人の上を通り過ぎていった。
END
あとがき
リハビリ小説でございます。
まぁ、何を書きたかったのか言われれば先日書いた「だぁ!」でのネタの流架蜜柑Verでございます。
大分話は違いますけどね。
思いついたので一気に携帯に打ち込みました。
なんか文法おかしくても見逃してやって下さい。
では、読んで下さってありがとうございました。
2006/10/17