嫉妬と不安

GAKUEN ALICE

朝、いつも通りに寮を出て、教室に着くと荷物を机の中にしまおうとして覗くと手紙が出てきた。



「…なんやコレ?……(ガサガサ)……えーっと『お昼休みに校舎裏で待ってます。』……?呼び出しかい、なんや名前もないわ……まぁ、ええか。」

「蜜柑ちゃーん」

遠くから野乃子ちゃん達に呼ばれ、蜜柑は手紙をポケットに入れて名前を呼ばれた方へ走っていった。


―お昼休み―

給食を食べ終え、なんとか蛍らに理由をつけて校舎裏に来た蜜柑。実は、呼び出しは初めてではなかった。
最近、棗と付き合い始めてからは色々と反感を持った女子に呼び出しを食らっている。
なんとか切り抜けて来たが、いいかげん鬱陶しい。
前は、蛍も付いてきて庇ってもらったりしたが、いい加減蛍に迷惑を掛けたくなく、独りで来た。

「……人を呼んどいてまだかいな……今日はなんて言われるんやろ…つくづく棗ってモテるんやなぁ〜」

独り言とともにため息が漏れる。とその時、

「…ごめんっ!待った?佐倉さん…はぁ、はぁ…」

現われたのは、中等部の制服を着た男子生徒だった。

「…はれ?えーっと…ウチを呼んだのは先輩なんですか?」

「…はぁっ…そうだよ、遅れてごめん。…よかった来てくれて…」

「はぁ…(なんや、棗のファンかと思ってたから拍子抜けや)」

そんなコトを考えてると、目の前の先輩が真っ赤になっているのに気付き、どうしたのかと見上げていると、突然手を握られた。

「さっ、佐倉さんっ!好きですっ!!よかったら俺と付きあっ……でぇーー!?」

「へっ!?……なっ、棗!?」

驚き、先輩の後ろを見ると先輩の髪の毛をむしるかの様に引っ張っている棗の姿があった。
いささか、不機嫌なご様子。

「………何やってんだ、てめぇ!」

「ひゅ、日向棗!?何すんだよ!!」

「てめぇこそ、こいつに何してんだよ!!」

先輩の腕を捻り上げ、怒りに満ちた紅の瞳は真っすぐ相手を見つめていた。その瞳は、蜜柑に移り

「…てめぇも何無防備に手ぇ握られてんだよっ!?放せっ!!」

「ほへっ?…あぁ、うん…」

パッと手を放し、棗を見るとまだお怒りのようで、ギリギリと腕をへし折るように見え、蜜柑は慌てた。

「な、棗…もう手ぇ放してあげたら…」

「イテテテテ…」

「…………何、言われてたんだ」

「…へっ?……えーっと…好きですとかって……………えぇぇぇぇぇ!?」

言われた言葉に今更ながら真っ赤になる蜜柑を見て、先輩は『可愛いなぁ〜vV』なんて惚けていると、ますますギリリと腕を捻り上げられた。

「おい!てめぇの返事は?」

棗が蜜柑を見ながら返事を促すと、真っ赤なままの蜜柑は先輩に向かって

「…えっと…気持ちは嬉しいですけど…ウチ、す、すすす…好きな人いるんで…そのすいません…」

「……えっ………そうなんだ…………あっ、でも友達にならなって…あぢ――!!」

見ると、髪の毛に火が点けられもずくになっている。

「調子にのるんじゃねえ!さっさと行きやがれ!!」

と言いながら、蹴りを入れていた。走って逃げる先輩の後ろ姿を見ながら、蜜柑は、ハッとして

「な、棗っ!?何ももずくにする事ないんちゃう!!ってなななな、棗?」


気付けば、棗は蜜柑を抱き締めていた。そして、髪の毛を弄びながら

「…ったく、勝手に男に好かれんな!俺が困るだろ…」

「…せやかて、まさかこんな呼び出しなんて思ってなかったし…」

「…うるせぇ!これ以上あんまり不安にさせるなよ………」

「棗……」

不意に言われた本音にきゅんと蜜柑の胸がなったかと思えば、次の瞬間棗はいつも通り

「さって…傷ついた俺の心でも慰めてもらうかな」

「…なっ!?」

そう言いながら、耳元に息を吹き掛けた。
蜜柑は、真っ赤になりながら耳を抑えパクパク口を開けている。
棗は、にやりと笑うと蜜柑の顎を寄せて、口付けをした。

「…んんん――!?」

ドンドンと息が苦しくて、棗の胸を叩くとやって口唇が離れてくれ、ホッとした蜜柑に

「次、こんなコトあったらもっと凄いのしてやるからな!」

「っ!!」


END




あとがき

棗のヤキモチは誰よりも怖い。きっと、独占欲はかなり強いかと…


2004/9/15


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