関係
最近、蜜柑が可愛くなった気がする。
中等部に蜜柑たちが進学した。前は、初等部だったし、チビだ、チビだと思っていたら最近大人びてきている。
(あのヤキモチ君の所為か?)
なんて思っていると
「つーばーさ先輩♪何しとんの?」
木の上で昼寝していると、下から後輩の蜜柑に声をかけられる。やはり、見る度に可愛くなっているようだ。
「なんだ、蜜柑か。サボりだ、サーボーり♪」
「え〜〜授業行かへんの〜?」
少しがっかりしたような声を出されると翼は
(大概、俺も甘いよな…)
なんて思いながら、起き上がり下に降りた。
「ったく、しょうがねぇなぁ〜特別だぜ?蜜柑」
「やったぁぁ〜vVじゃあ、行こう。」
相変わらず、誰にでも抱きついて来るのは変わりなく、笑顔が眩しい。楽しく会話をしながら、能力別授業に向かうと、途中で棗にあった。
「「「…あっ…」」」
三人で鉢合わせすると大抵、棗はイヤな顔をするが
「あれ〜棗?こんなトコでなにしてんの?」
「……別に…」
蜜柑に笑顔で話し掛けられている時の棗の表情は、見物だった。いつも他人に見せる、刺々しさは消え、優しく慈しむような顔を見せる棗。そして、誰にでも笑顔で話す蜜柑も棗といる時は、一層あどけなくて、そして誰をも惹きつけられる『女』の表情を見せる。
なんとなく…
そんな表情をする蜜柑を
誰かに取られるのがイヤになる時がある。
前は、なにも知らない無垢の少女だったのが
そんな風に変わるのが…
悔しくて…
けれど
束縛をする権利などなく…
嫉妬をやく権利もなく…
ときめきでもなく…
特別でもなく…
でも、なにか…
大切なモノを取られたような
虚無感がある。
しかし、そんなコトを言うモノならば
この彼氏に丸焦げにされるのは必至。
そして、美咲を怒らせるのも必至。
……なんか、間違ってるけどな。
「――パイ…センパイ…翼センパイ!?」
「あっ!?な、なんだ…」
気がつけば、蜜柑が覗き込んでいた。
「どうかしたん?」
心配そうに話かけてくる蜜柑に翼は、頭を撫でてやりながら
「いや…別に考え事だ…」
「…モウロクしたんじゃねーの?」
眉間に皺をよせて言ってくる棗に
カッチーン!!
として、ついつい大人げもなく
「相変わらず、ムカつくなぁ〜そんなヤツには蜜柑は渡さないぜぇ〜」
「あ゛ぁ゛!?」
炎を瞳に宿して睨みつけてくる少年に、思わず笑みがこぼれる。
「冗談だよ、誰かさんは棗くんを大好きだしな♪俺の可愛い妹(分)をあんまり、いじめるなよ〜」
そう言って、横を通ると少年はフッと笑い
「……大切にするに決まってんだろ!!」
「…な、棗!?」
そんな微笑ましさに、また笑いが起きる。スタスタと歩き、自分は彼女の元へと急ぐ。振り返ると、真っ赤になった蜜柑は棗と手を繋いで歩いていく。
(…ったく、お前がサボりかよ…)
燃えるような恋でもなく
ときめきでもなく
でも
いつまでも
出来るなら…
あの少女の特別でいたい
兄と妹のような…
そんな特別な感情
教室に入ると
「遅かったな、翼」
「…あぁ、美咲か……あ〜ぁ、チビ連れてかれた。」
近寄ってきた美咲を抱きしめ、そんな事をいうと
「…まった、蜜柑かよ…お前は…」
呆れた様に話かけてきた。
「…妹みたいなもんだしな…」
―――どうか あの可愛らしいカップルがいつまでも幸せでありますように…
END
あとがき
はぁ〜やっと出来上がった〜!!
先月からずっと書きかけのまま携帯にて放置されてました駄文。
翼視点棗蜜柑。
なんですが、なんか読むと【棗蜜柑←翼】ですね…またかよ。
いえいえ、これはホントは【棗蜜柑+翼美咲】なんですよ。
ただ、モノローグが翼なだけです(言い訳)
まぁ、翼と蜜柑はまるで兄と妹みたいなんで…
妹を思う兄みたいなモノを書きたくて、書いたらこうなりました。
特別でいたい。というのは、恋愛感情ではなく、家族愛みたいな、そんな風に兄として特別に思われたい。という意味です(本当の兄妹じゃないですが)
えーっと…逃げてもいいですか?
お目汚ししてすみませんでした!!
ありがとうございましたm(__)m
'04/10/29