シャンプー

GAKUEN ALICE

その香りはいつもと違っていた…


とても過ごしやすく天気の良い日に蜜柑は、蛍、委員長、翼、美咲とでベアの小屋に近い場所でお茶会をしていた。
和やかなムードの中、高等部の制服を身に纏った、長髪の一見見目麗しい男子生徒がやってきた。それに気付いた蜜柑は、とても嬉しそうに走りだした。


「あ〜〜殿先輩やっvV」


蜜柑の言葉に翼は振り向くと、一瞬にして嫌そうな顔をした。


「ゲェ〜おっさん、こんなトコになんでいるんだよ」

「なんだよ、来ちゃいけなかったのかよ、なぁ?チビちゃんvV」


そばに寄るなり、よっと蜜柑を抱き上げチュッチュッと頬にキスをする。その行為に少なからず、蛍は、ジャキンとバカン砲を取り出そうとしていた。が、次の瞬間


ボッ!!!!


殿の制服の裾に火が勢いよく燃え広がったので急いでかき消した。
見れば、ちょうど通りかかったのだろう。黒髪・紅玉の瞳の少年と金髪・碧玉の瞳の少年が立っていた。
金髪の少年が顔面蒼白になっているのに対し、黒髪の少年は、ものすごい形相で殿を睨みつけていた。が殿はニヤリと笑いながら、見せ付けるように蜜柑にベタベタと触っていた。
抱っこされたままの蜜柑は、彼らの存在に気付くと笑顔で迎えた。


「なんや、棗と流架ぴょん、おったんかい。一緒にお茶していかへん?」

「あ…えと…」

「……うるせーブス」

「――なっ!!」


言い返そうとした瞬間、殿内が言葉を遮り


「チビちゃん、いつものシャンプーの香りと違うね♪いい匂いvV」


ふわりと片方の髪を持ち上げられ、キスをするかのように香りを嗅いでいた。その行為に、棗はドス黒いオーラを発していた。


「あっ…えとな――」


蜜柑が返事もする間もなく、殿内はわざとらしく言葉を続けた。


「さては、誰かの部屋で誰かさんのシャンプーでも使ったのかな♪」

「へっ?」


ちらりと横目で、棗を見るも『何言ってんだ、こいつ』という顔をしている。そして、そばで見ていた翼たちも呆れたように


「おっさん!!何言ってんだよ!?頭イカレたか?」

「っていうか…バカ?」

「バカだと思うわ…」

「ほ、蛍ちゃん…」

「……………」


皆、一斉に殿に突っ込んだ。小学生相手に何を言っているだとばかりに。しかし、殿内は棗を指しながら


「いや、絶対こいつ(俺と似て)手ぇ、早そうじゃん」


(((それは当たってる……)))


初等部の3人は思わず、頷いた。
数々の棗の蜜柑へのセクハラを見れば、手が早いのは一目瞭然。が、棗は機嫌悪そうに蜜柑を眺めた。


「……てめぇはいつまでソイツにひっついてんだ」

「ほへっ?いつまでって…」

「いつまでもだよなぁ〜vV」


会話に入るかのように、殿内は蜜柑にべったりくっついて、蜜柑は嫌がりもせずむしろくすぐったそうにキャッキャッと笑っていた。その光景に面白くない棗は、ペラッと蜜柑のスカートを捲った。


「…相変わらず色気ねぇパンツだな。チェックかよ」

「〜〜〜なーつーめぇぇーー!!」


蜜柑は、殿内から降りると飄々としている棗に、向かって怒鳴りつけた。


「お、お前はパンツ捲らんと息でも出来んのかぁぁぁ!!!!」

「……じゃーな、チェック柄。行くぞ、流架」


そう言うなり、さっさと歩っていってしまった。真っ赤になっている流架は、呆然としていた。蜜柑は、棗を追い掛けて行ってしまった。



見事、殿内から蜜柑を離した瞬間だった。



「あーぁ、行っちゃった…チビちゃん…」



殿は、口惜しそうに蜜柑を見送り、他の者はやれやれと嘆じながら、二人を見送った。



やがて、彼女が彼の部屋で彼のシャンプーを使うのはまだ先の話。



END




あとがき

久々でもないのですが、穏やかな気分で書いたのは久々ですの新作です。
本当は4日に出来てましたが、寝て起きたら5日に変わってました(笑)


さて、出しちゃいました!殿!!
この役は、最初翼にしようかなぁ〜と思ったのですが、コミックに殿も出たし、いいかな?って思い殿にしました♪
ネタはシャンプーなんですが…最後訳分かんない終わり方しちゃいましたね…
アハハ(笑ごま)ごめんなさい!!

ネタ思いついたのは、単にシャンプー変えたからなんです。
変えたというより、試供品貰ったんで…『ハー〇ルエッセンス』を。
香りを楽しむとかなんとかがキャッチコピーだった気がして、一気にネタが出たんです♪


では、ここまでお付き合い頂きありがとうございましたvV

'04/12/4


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