あさきゆめみし

GAKUEN ALICE

『…………水玉……』


いつもの様に名前を呼ばれ、振り向いた蜜柑の瞳に映ったのは…黒髪の少年のキレイな赤の瞳。
それは、まるでスローモーションのように、ゆっくり近づいてきて柔らかい感触が口唇に降りてきた。



   ◇◇◇◇◇◇◇◇◇



ジリリリリリ!!


バンっ!と目覚まし時計を叩いて、蜜柑は真っ赤な顔をしてベッドから起き上がった。

(…な、ななな…なんちゅう夢見てんねん!?
な、棗とウチがキ…キスなんて…今日…棗の顔みられへん…)

そう思いながら、ベッドからノソノソと降り、学校の支度を始めた。
着替え、食堂に下りていくと早速、棗と流架に会った。

「…あ、お、はよう、流架ぴょん!つ、ついでに棗っ…」

思わず、流架に目線は合わせつつ、棗には顔を背けて挨拶する蜜柑の姿に、流架も棗もその場にいた者は不思議に思った。

「?…おはよう、佐倉…どうかし……」

「あっ、野乃子ちゃん達やっ!そ、それじゃーねっ」

不思議に思い聞こうとしたが、言葉を遮って逃げるように行ってしまった蜜柑の姿を見て、流架は傍らに立つ親友に問い掛ける。

「どうしたのかな?佐倉のヤツ…」

「…………拾い喰いでもしたんじゃねぇのか…」

「ハハ…まさか…」

口調はいつも通りだが、棗の瞳はやや怒っていたのはいうまでもなく、その後、挨拶に来たパーマはとばっちりを受けたのだった。


学校についてからも、何げに避ける蜜柑に最初は棗も気にはしていなかった。
むしろ、静かでいいと思っていたが、だんだんと妙な違和感が立ちこめてくる。
さすがに昼休みになる頃には、棗もイライラしていた。
ちらっと蜜柑をみて、目が合えば、なぜか逸らされる。自分から無視することはあっても、されるとなると気になってしまう。

(………水玉の分際で…)

ガタリと椅子から立つと、蜜柑や蛍達がおしゃべりしている輪に入っていく。

「棗?」

流架も気になった寄って来た。
おしゃべりが止まり、棗は蜜柑の前に立つも蜜柑は蛍の後ろに隠れ、目を合わせようとしない。

「……てめぇ…なんのつもりだ?」

「べっ…別になんでもあらへんよっ!」

棗の問い掛けにやはり目を合わせず、返す蜜柑にますます棗はイラだっていく。
こんなに大っぴらに避けておいて、なんでもない訳がない。
棗の表情をみて、蛍はこのままでは炎を出しかねない。ましてや自分は、バカの前にいる。


「…このバカ貸してあげるわ。棗」

「えっ!?ちょおっ…ほた…??」

「…………オラ、こいっ!!ついて来るんじゃねぇぞ!!」

ぴしゃりとみんなに言い付けて蜜柑を連れて出ていった。
だが、そんな脅しが効く連中ではなかった。
蛍は、カメラを用意し流架と委員長を連れていく。もちろん、心読みくん、キツネ目くん、野乃子ちゃんらも一緒だ。

「なぁ?なんで佐倉、棗を無視してたんだ?」

「…さぁ?聞いても頑として話さなかったわ。」

「心読みくん、読めなかったの?」

「それが、無効化のせいか読めなかったんだよね。」

ひそひそ話をしながら、みんなは棗らの後を見つからない様に追った。



蜜柑は、棗にズルズルと引きずられて人気のない階段まで連れてこられた。

「…で、なに無視してんだ?てめぇは」

真っすぐ見てくる瞳に今朝の夢を思い出されて、頬が熱くなっていく。

「…だ、だから別になんともあらへんよ…」

しょうこりもなく、目を合わせない蜜柑の顔を押さえると、蜜柑は恥ずかしくなって目をつぶった。


顔を真っ赤にしたまま、そーっと目を開けると、どアップの棗がいて、意地悪風に笑っていた。

「…なんだよ、キスされるとでも思ったのか?」

ニヤニヤ笑う棗に対し、蜜柑は涙目になりながら

「……う………ん…」

「………………はっ?」


冗談で言ったつもりのハズが思いがけない返事により、呆気になる。
しかし、今目の前で涙目で真っ赤になる、蜜柑を見て可愛く思えた。

「…お、まえ……何言って…」

「せ、せやかて…け、今朝…夢で……の……」

――そうか。と棗は納得した。
つまり、夢で【俺とキスする夢】をみて、恥ずかしかった。というわけか……。
と、聡明な棗は蜜柑の考えが分かり、その上嬉しくなっていた。

こんな風に意識されているコトを。

そして、真っ赤になって焦っている蜜柑のツインテールの片方を持つと、優しくキスをした。
その行動に、蜜柑はゆでだこのようになっていく。

「…な、ななな…棗っ…!?」

「……それ、正夢だな…」

「…へっ?…んんんんんーーー!?」

「…………な?正夢だろ♪」

深く口付けをし、にやりと笑う棗の姿に蜜柑は目眩を起こし

「っ!?おいっ、水玉っ?」
「……きゅー…(@。@)」

思いがけない出来事に嬉しくて、でも恥ずかしすぎて蜜柑は、そのまま倒れ込んだ。
それをみた棗は、いつもと違う笑いをしていた。




FIN

〜おまけ〜

蛍「中々やるわね、どーするのよ?流架ぴょん」

流「…な、べっ、別に…悔しいけど…」

蛍「あら、素直ね。」

流「う、うるさいっ!」

委「……ほ、蛍ちゃん?そのカメラ…」

蛍「あぁ、これ?…フッ………」

皆『『撮ったのか!?』』

蛍「フフ…いくらで買ってくれるかしらね、彼」

皆『『……………』』


デバガメしていた方達は、ばっちり現場を目撃してました。
会話もばっちり♪(蛍の盗聴器により/録音可)



END

あとがき

突発的妄想にて…すいません
棗、棚ボタです。

'04/9/26


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