お金を稼ぐ方法
初等部寮のトリプルの個室である蛍の部屋は、只今プリンターが引っきりなしに印刷をしていた。
刷り上がった一枚を眺めると、傍らのジュースを飲み
「…まぁまぁね。何枚売れるかしら…」
と笑っていた。そう、それはいつもの【商売用】の写真なのだが、いつもと違うのは…ソレは中等部、もしくは高等部用に刷りだしたモノ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
先日、蜜柑の先輩・安藤翼に持ちかけられたのだ。
「あー、いたいた。」
「…こんにちわ、蜜柑なら今、罰当番でいないですよ」
昼休み、中庭で過ごしていると翼が蛍を指差し近づいてきた。
蜜柑がそばにいると勘違いしてると思い、いないことを伝えると翼は笑いながら
「いや、蜜柑じゃないんだ、今日は。」
「……私に用ですか?」
「そう、あのさ、蜜柑から聞いたんだけど、流架ぴょんの写真売ってんだって?」
「(蜜柑たら余計なコトを…)……欲しいんですか?」
突然の申し出に一瞬、親友に怒りがあったが次の瞬間には消えていた。翼は、笑いながら
「んな訳ねぇじゃん!いやな?学祭のときの劇だかで、中等部でもかなりの人気っぷりなんだよ、それで写真のコト思い出してな♪」
ニヤリと笑う中に翼が何を考えてるか、悟った蛍は
「けっこう、高いですよ」
「もちろん、チビにも報酬はいくぜ。乗るか?」
「…そういうコトなら協力しますよ、先輩♪」
初等部・動物には散々売ったが、以前流架にバレて没収されていた。しかし中等部や高等部では、バレる確率は低くなる。蛍は、クスっと笑うと翼と握手をした。
「分け前は、6:4でお願いします」
「ゲッ、そんなに?……でもまぁ、いっか」
「フフ…交渉成立ですね」
握手を交わしながら、翼は思い出したように
「そうだ、ついでに棗のもあるか?なんだかんだ言ってアイツも人気あんだよ」
「…そういうコトでしたら、任せて下されば…」
という事で、写真を刷りだしていく。むろん、中にはお好みに応じて合成写真もある。
(どうせなら、セット販売とか…写真集にしたらもっと儲かるかも…相手は中等部、高等部なんだし…)
なかなかの自分のアイディアに蛍はほくそ笑む。作業に取り掛かると、ハラリと写真が落ちてきた。手に取って眺めると、自分と蜜柑の写真。
蜜柑がとびきりの笑顔をしていた。そして……
(初等部では、あまり儲からないかもしれないけど…これはこれでいけるかも……買う人いるしね♪)
クスリっとまた笑い蜜柑の写真をも刷り始め、アルバムらしきモノを創るとそれを持ち、部屋から出た。
向かった先は、初等部唯一の幹部生室。
―コンコン
ノックをすると、ガチャリとドアが開く。部屋の主は、少しだけ驚いていた。まさか、蛍が来るとは思ってもいない事であるから
「……今井…?」
「ちょっといいかしら…?」
「棗?どうしたの…って今井!?」
遊びに来ていたのか、流架も出てきた。
「あら、流架ぴょん。好都合だわ…」
「「は?」」
声を合わせる二人に、蛍はくすりとまた笑うと
「ねぇ、これ欲しくない?」
先程、作ったばかりの写真集みたいなのを出した。
それを見て、棗と流架は唖然としながらも、流架はすぐに真っ赤になった。棗は棗で、すぐにでも奪いかねないような瞳をしている。
その写真集は、もちろん蜜柑ばかりなのだが……制服、私服、アリス祭のアラビアン風以外にも、チアコス、メイド、ナース、パジャマ、さては水着まであった。
「……コレって…」
「可愛いでしょ?蜜柑アルバム…」
真っ赤になる流架に追い打ちをかけるように
「一冊、一万よ。」
「「高っ!!!!」」
「いらないなら、いいわ。殿内先輩にでも売るから…」
「「Σ買うっ!!!!」」
棗と流架は、『殿内』という単語だけで即答した。
蛍は、ほくそ笑む
親友をも金にしてしまう今井 蛍
なんて恐ろしい女の子なんでしょう…(笑)
END
あとがき
すいませんm(__)m
なんですかね?この話(笑)
最初は、普通に棗や流架ぴょんの写真を売り捌く話にするつもりだったんですが…
なぜかこんな方向へ……(汗)
蜜柑アルバム…間違いなく棗や流架は買うかと(爆)
しかし、本来の蛍なら大事な蜜柑の写真なんて売らないと思います。
この蛍は、別人です!!
読んで下さりありがとうございました
'04/11/1