Ridiculous syndrome -another story-
とある平日
キーンコーンカーンコーン♪
とチャイムと同時に入って来たのは
「…み、みなさん…おはよう…ございます…」
「なんでぇーナルじゃないのかよ」
「な、鳴海先生は風邪を引いたので今日はお休み…」
おどおどした副担の言葉を聞くなり、いきなりB組は
「うっそ!?じゃあ、今日の国語自習じゃん♪」
「やっりぃ♪」
などと一層騒がしくなっていた。ちょうど廊下を通った岬先生は
(あいつら…ナルがいないからって喜んでやがるな…)
と思い、ここは教師として注意をしようかとも思ったが
(まぁ、あの副担に任せるか…)
などと思い、保健室から貰った風邪薬を持ち(不本意だが)ナルの自宅へと向かった。
その頃の教室では――授業などにならず、副担をイジメたり、何かを食べる者、昼寝する者、本を読む者様々だった。
そんな中、唯一ともいえる鳴海を心配する生徒がいた。
「なぁなぁ、蛍ぅ〜鳴海先生大丈夫やろか?」
そわそわと落ち着かない態度の蜜柑をみて、退屈だった蛍は、クスッと笑うと
「蜜柑…ナルは風邪とか言っているけれど、本当は『痔』なのよ…」
「じ?」
「そう。きっと、今頃死にそうなくらい苦しんでいるわね…」
その言葉を聞いた蜜柑は慌てて
「そ、そんなん大変やないかっ!?う、ウチ…鳴海先生んトコ行ってくるっ!!」
そう言って蜜柑は教室を飛び出していってしまった。そばにいた委員長は、唖然としながら
「ほ、蛍ちゃん…何言って……」
「ふふっ…あの子からかうと面白いわね…」
と笑っていたが、ガシッと委員長を掴むと
「ココもやばいわね…逃げましょ委員長…」
「えっ?なん……でぇぇ!!!?」
きょとんとしていた委員長だったが、後ろを振り向いた瞬間うねうねとくねった黒いしめなわのようなモノが視界に入った。よく見ると、それは副担の髪の毛で暴走していた。生徒は散り散りと教室から逃げてしまっていた。
とりあえず、外に出た蛍と委員長はベンチに腰掛け、蛍が膝の上に小型TVを置き電源を入れたとき目の前を流架と棗が通りかかった。
「今井に飛田……あれ?佐倉は…」
「…そんなに蜜柑が気になるの?流架ぴょん…」
「た、ただ…珍しくいないからっ…」
クスッと意味ありげに笑われ、流架は真っ赤になりながら反論するとまたもや―クスッと笑われてしまった。
「な、なんだよっ…」
「別に…蜜柑ならナルの家に行ったわよ」
「えっ……」
「………………」
その一言で微動だにしなかった棗の瞳が、一瞬揺らいだのを蛍は見逃さなかった。蛍衛星からの映像を見ながら
「…あら…蜜柑が寝ちゃったみたい…」
蛍の呟きに、流架と棗は画像を見ようと後ろに回るも、画面を閉じられ
「視聴料…\500よ」
と手を差し出した。
「「「………………」」」
「払わないならそれでいいけど…あら…ナルが蜜柑を抱き上げてベッドに連れていくみたいね…なんだか、息も荒いみたい…」
「「………!?」」
棗と流架の顔つきが変わるのを、また口の端を少しあげ笑った。
「………フン、行くぞ流架」
「あら…ドコに行くのかしら?ま・さ・か…ナルの家?」
「んな訳ねぇだろ…」
フンっと顔を逸らす棗に蛍はまた、画面を見ながら
「あら…ナルが蜜柑にキスしたわ…」
「「!!?」」
そこまで聞いてしまった棗と流架は、なぜか猛ダッシュで走っていってしまった。
「こんな面白いモノを見逃す手はないわね…行きましょ委員長」
「ほ、蛍ちゃん…本当にキスしてたの…?」
「ふふ…おでこにだったけどね…クスっ」
「…………蛍ちゃん…」
そんな事を言いつつ委員長も走っていた。
バタバタバタバタ…
蜜柑を客室に寝かせるとナルは、ぞくぞくする身体を擦りながら自室に入ろうとしたその時
「「こっっっの…変態教師っっ!!」」
と共にあっつい炎が寝間着の裾に着いた。
「うぎゃっ!?な、棗くんっ!?流架くんっ!?」
「………死ねっ…」
「恥知らず教師っ…」
次々と出される炎を躱す鳴海だったが、元々熱があるため、目の前がまわり始めた。
(〜〜〜あ〜目が……)
と思っていると、真っ暗になり
バタンっ!!
とそのまま倒れてしまった。
「「…………………」」
さすがに棗と流架は、驚き顔を合わせるとそこへ再び岬と蛍と委員長がやって来た。
「お前らまで、なんでこんなトコに……って!?どうしたんだ!?こいつは」
岬が倒れてる鳴海を指差すと、棗はいけしゃあしゃあと
「……………勝手に倒れた…」
「…………棗…」
と知らんぷりをして、そのまま出ていった。すれ違い様に蛍から
「…なかなか面白いモノが見れたわ…」
とクスッと笑われ
「…………フン 行くぞ流架」
「な、棗……」
と流架を連れて出ていった。後に残った岬と委員長は、倒れた鳴海をベッドまで運んでいた。
蛍は、棗たちの後ろ姿を眺めそれはそれは、愉しそうにほくそ笑んでいた。
翌日、ナルは熱が下がらず蜜柑にまた誤解されていたらしい。
END
あとがき
この作品は先日、大事な友人皐月ちゃんから頂きました『Ridiculous syndrome』の番外編になります♪
あの作品を読んだ後に、この時の棗などを想像しちゃった☆
なんて言ったら
『面白そう〜vV許可しますから書いて〜vV』
なんて言われてしまい、調子に乗って書いちゃいましたvV
ありがとう、皐月ちゃんvV大好きだ!!(笑)
'05/2/2