02
いつもの木の上で、昼寝をしていた。
気付けば、向こうの木の下に親友がクラスメートの女と立っていた。
目撃したのは、ほんの一瞬。
親友は、引き寄せられるかのようにその場にいた彼女に近付き顔をくっつけていた。見ていると、親友は真っ赤になり走って寮に戻っていった。
何故か、俺はショックを受けた。
親友の流架があんな事をするなんて…あんな水玉を相手に…。
しかし、そこに生まれた感情は驚きと共に、大事な親友に向けての怒りだった。
木から飛び降り、彼女に近づくとその場に座り込んでいた。
顔をやや赤くして見上げてきた彼女を押し倒したくなったのは何故なのか…?
じーーっと眺めていると
「…な、なんや?」
「………さっき…ルカといなかったか?」
「えぇっ!る、るるる…流架ぴょんっ?っ別に…」
真っ赤になりながら、下手な否定をするが棗にはすぐに『いた』という事実がわかった。そもそも、いた事自体知っていた。見ていたのだから…。
そう、流架が蜜柑にキスしていたのまで実はバッチリ目撃していたのだから。
「…やっぱ、いたんだな…」
「ひょへっ!?」
「…日本語喋れブス」
「っな――!?」
ぎゃあぎゃあ、騒ぐ蜜柑を無視し、棗はため息混じりで寮の方に目を向けた。
(本当にアレは流架だったのか―――)
と思うと、確認によって疑惑は真実に変わり、驚きとまた嫉妬が入り交じった感情が沸き上がってくる。
なんせ、親友はこの隣でぎゃあぎゃあとわめき煩い女に興味があるらしく、彼女に話しかけられるといつも顔を赤くしていた。
そして、それを眺める自分は何故かいつもイラついていた。はじめは、この女に対して煩くてイラついているんだと思っていたが、今は親友に対して腹を起てていた。
キスしてる所を目撃したせいだろうか……?
ますます、親友に対してムカついてきて、目の前の彼女にも腹が立ってきた。
気付けば、彼女はさっきまで騒いでいたのに自分が反応しなかったのを心配してきたのか、顔を覗き込んできた。
「…棗?…棗!?…どうしたん?具合でも悪いん?」
「……………お前…無防備すぎ!」
そう言って彼女の柔らかな髪を引っ張り顔を近付けた。が彼女は痛いらしく、涙目になった。
それを離し、棗はスタスタと寮に向かって歩きだした。後ろから叫んでくる彼女の声を聞きながら
(…あんまり、無防備だから簡単にされちまうんだよ………バカ)
しかし、胸に沸き上がったイライラはまだ収まっていなかった。そのまま、親友の部屋に足を向けた。
To be Continued
'04/09/28