03
あまりにも彼女が無防備で抱きついてきたから…耐えきれず、動いてしまった感情
気付いていたら動いていた自分、恥ずかしくて、耐えられなくて
『ごめん…』
一言残して、あの場から立ち去ってしまった。
後ろから、佐倉が声をかけてきたが顔向け出来なくて走って逃げてしまった。
さすがにバレてしまっただろう…。以前、彼女の親友が「あの子、にぶいわよ」と教えてくれたが、これで分からなければ正真正銘の鈍感だ。
でも 分かって欲しいような
まだ 分からないでいて欲しいような
そんな あやふやな感情が入り交じっていく。
このまま 親しい友人関係でいたい
でも 特別な関係にもなりたい
そんな事を考えているとドアがノックされているのに気付き、ベッドから降りるとドアに近づいた。
ガチャリとドアを開けると、大切な親友が立っていた。
「………棗…」
「…………入っていいか…?」
「えっ…あ、うん…」
「…………」
別に棗が部屋に遊びに来るのは珍しくはない。でも、今は正直会いたくはなかった。
なんでだろう。
大切な親友なのに…でも…なんとなくだけど…理由はわかっている。
でも今はまだ、認めたくはない。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「……さっき…どこにいた?」
「…えっ………」
突然の棗の訪問。やはり、理由があったのだと流架は瞬時に分かった。
きっと、彼は見ていたのだ。と……。
その証拠に、本人は気付いていないが、彼の赤瞳はいつもの自分(親友)を見る穏やかな瞳ではなく、敵対するような瞳であったから。
しかし、彼はまだ自分の気持ちに気付いていないのも分かっていた。
ごめん…棗……
そんな瞳にさせて…
でも…
俺も佐倉が好きだから…
譲ってあげたいけれど…
こればかりは譲れない。
初めての気持ちなんだ…
To be Continued
'04/09/28