04

GAKUEN ALICE

イライラした気持ちで親友の部屋のドアをノックした。しかし、中々出てこない。
もう何回かノックすると、静かにドアが開き、親友はやや顔を俯せて俺を招き入れてくれた。



   ◇◇◇◇◇◇◇◇



いつもとぎこちない二人。こんなコトは、一度もなかった。
何を話せばいいのか分からないまま、気になっていたのを確かめるような台詞が口から洩れた。


「……さっき…どこにいた…?」

「…えっ………」


流架の表情がピクリと変わった。しかし、俯くだけで何も言わない流架に俺は少し治まっていたイラつきが甦ってくる。

気が付けば、流架を睨んでいた。

なぜ、こんなムカついた気持ちで親友の流架を見なくてはならないんだ?
昨日までとは違う気持ちで、眺めている。


なぜ…?

なぜ……?


たかが、流架が水玉にキスをしだけじゃないか…


それなのに…

それなのに……


なぜ、こんなにも血が逆流する位…


俺は彼を 睨んでいるのだろう―――?



しばしの沈黙を破ったのは、流架だった。


「……べつに…棗にはどうでもいいことだろ?」

「…………あぁ、そうだな…」

「「…………………」」


なんで言わねぇんだ?
「佐倉といた」とだけでも、一言あってもいいじゃねぇか?なぜ、隠す?


「…………水玉といたんじゃないのか?」

「!! 見てたのっ?」

「…………お前ら…って付き合ってんのか?」

「ちっ、違うよっ!!……付き合ってはいない…」

「……ふーん…」


少し、ホッとしている自分は可笑しくなった。


「………でもっ……俺は…佐倉のコトが…好きなんだ…」

「………っ!!」

突然の流架の台詞と真っすぐ見据えてくる碧玉の瞳に、棗は圧倒された。
分かっていたはずなのに、言葉にされるとなぜかギクリとする。予感は真実に変化した。
「水玉を好きかもしれない流架」が「水玉を好きな流架」に変化した。


動揺している自分に気付き、流架を見ると彼もまた自分の変化に気付いていた。


「…………棗は…?」

「…………」

「…佐倉のコト…どう思ってんの?」

「………さぁ、……っかんね…」


なぜ、分からないんだろう?
なんで、流架はこんなことを聞いてくる?


「……じゃあ…佐倉、貰ってもいい?」

「………………アイツは…モノじゃないだろ…」



そう言いながらも、体中が叫んでいる



アレハオレノモノダ!

アレハオレノモノダ!!

アレハオレノモノダ!!!!



「…ダメだ……」

「……棗?」

「……水玉は…渡せない」

「棗っ…」

「…例え、流架…お前でも…アイツは渡せない。」

「……俺だって、そんなさらさら退く気はないよ」




心に火が点いた。

新しい気持ちが、沸き上がる。

なんで、今まで気付かなかったのか…

可笑しくて笑いたくなる。


ふと、目の前を見ると先程宣戦布告をした親友が笑っている。

あぁ、そうか…お前は気付いていたんだな…俺の気持ちに……相変わらずお人好しだ。


ギラギラしていた気持ちが治まっていく。


「流架…お前がライバルでよかったよ…」

「なんだよ、それ」

「他のヤツじゃ、つまんねぇだろ!」


そう、流架がライバルじゃなかったら、いつまでも気持ちに気付かずにいたかもしれない。
このままだったら、わからないまま誰かにアイツを取られていたかもしれない。





To be Continued


'04/09/28


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