05
なんで、流架ぴょんはウチにキスしたんやろ…
なんで、ウチは棗に知られたくなかったんやろ…
そんなことを考えながら蜜柑は、ふらふらと寮に戻ってきた。
あれから大分時間が過ぎていて、すっかり夕食の時間になっていた。
なんで?なんで?と繰り返す内に辺りは暗くなっていて、寮の前に来ると蛍が立っていた。
「あっ!蛍ぅぅ〜」
手を伸ばして走りよってくる蜜柑に、蛍は一言
「…遅いわよ、バカ」
と言い放つと、携えていたバカン砲で足元を狙い撃ちした。
「ううっ…ちょっと、色々あったんよ…」
元気ない蜜柑を確認すると、蛍は何事かと感じたがあえて言わず、手を取り食堂へと一緒に向かった。
蛍のこういい優しさがめっちゃ好きやねん!
そう感じながらも、食堂に入った途端恨めしくなるのはなぜなんだろう。
「あ、…佐倉……」
「…流架ぴょん……」
さっきのコトが思い出され、すかさず俯いて顔が赤くなるのを隠した。
(…うひゃー、なにを喋ったらいいのかわからへん…)
真っ赤になっている蜜柑を見て隣にいた蛍は、流架を眺めるとこちらも真っ赤になっていた。
フッと笑う蛍に、流架は居たたまれなくなり蜜柑を掴んで食堂から飛び出した。
「る、るるる、流架ぴょん!?どこ行くんっ!!」
「…いいからっ!!」
掴まれた腕が熱くて、恥ずかしくなる。また外に出て、寮の裏に出た。
◇◇◇◇◇◇◇◇
向かい合うと、蜜柑は恥ずかしくて俯いたままだった。
「…今日は…その……ごめん…」
呟きが聞こえ、顔を上げると流架が蜜柑を真っすぐ見ていた。
恥ずかしくて、目を逸らしてしまった。
(…顔が熱くて…流架ぴょん見れへんよ)
なんて思っていると冷たい風が吹き、ブルルと体が震えたと思った瞬間、なにか暖かい温もりが肩にかかった。
見ると、流架のパーカーが肩に掛けられていた。顔を上げて、流架を見ると少し照れたように微笑んでいた。
―どきんっ
鼓動が早くなる。なんでだろう、今までこんなことなかったのに…。
「…寒いから、中行こうか…」
歩いてく流架に蜜柑は、立ち止まったままでいると流架が不思議そうに振り向いた。
「……佐倉…?」
「……なんで…あんな事したん…?」
分からない。
この胸の奥で早まる気持ちが…
分からない。
なんで…キスをされたのか…
分からない。
なんで…ドキドキするのか
分からない。
なんで…謝られると……
分からない。
なんで…涙が出そうになるのか…
この気持ちは一体なんだろう?
To be Continued
'04/10/05