07
流架とライバル宣言してから、俺は部屋に戻った。
さっきの流架との会話を思い出した。
「……棗、俺は棗とはライバルだけど…ちゃんと親友だと思ってる」
「……あぁ、俺もだ」
「でも、佐倉に関しては手加減しないよ」
真っすぐな瞳で見つめて、少し戸惑いながらも
「……当たり前なコト言うなよ、それに先に手を出したのはそっちなのに」
フッと笑うと、流架が真っ赤になった。
「そ、そうだけど…だって、アイツ抱きついてくるから…」
焦りながら喋る流架をみて、面白いと思った。そして、同時に悔しく思うのは水玉は俺には抱きついてはこないからだ。
以前、抱きつかれたのはアリス祭でのおばけ屋敷。でもアレは、恐がらせたんだっけな。なんて思いながら
「…じゃ、部屋に戻って着替えてくる。先に食堂行ってろ。」
「分かった、じゃ、あとで」
そう告げて部屋に戻って来たんだっけ。
思い出し、着替えて食堂に下りていくと流架の姿が見えなかった。
「棗さん、遅かったっスね」
「……流架は?」
声を掛けてきたとりまきに聞くと、さぁ、見てないっス。と言われ座って待っているとドアが開き、流架が水玉と手をつないで入ってくるのが、目に入った。
(――――…っ!?)
少なからず、蜜柑の頬がピンク色に染まり、流架の顔も緊張していた。
(…一体、ナニが……)
そんなコトを悟られたのか背後に、蜜柑といつもいる今井蛍が口を開いた。
「さっき、流架ぴょんが蜜柑を連れ出して、告白したみたいよ」
棗にだけ聞こえるように囁かれ、反応するかのように素早く後ろを向いた。
「…てめぇ、ナニ言って…」
「あら、気になっている風だったから教えてあげたのに…」
フッと笑うように上から見下ろされ、腹が立つ。そんなところに
「蛍ぅぅ〜〜」
と声が響き、振り返ると水玉が今井に飛びついた。
「あら、蜜柑。どこに行ってきたの?」
「えっ!?あーー…秘密や!……あれ?棗、おったんかい」
さっきから、そばにいるのに…俺は眼中にないのかよ。そんなことを思いつつ
「…いちゃ、悪ぃのかよ」
「誰もそんなコト言ってないやろ、ホンマ愛想ないヤツやなぁ〜…あ、そやウチ、棗に話あんねん」
「……話?」
「うん、えーっと後で部屋行ってもえぇ?」
「…………別にいいぜ」
「ホンマ!?えぇの!?」
「んだよ、いいっつってんだろ!!」
なんでこんな風にしか応えられない自分が悲しくなるが、水玉は気にするようでもなく
「…えーっと,じゃ後で行くわ。蛍行こ」
と言って、今井と行ってしまった。今井の視線が気になったが…。
そこに流架がやってきた。
「棗……」
くるりと振り向き顔を見ると、やや赤くなっている。
怪訝そうにみると、横に座り
「…あ…の……ごめん…俺…佐倉に……」
顔を見れば、一目でわかる。きっと告白したのだろう。
「………言ったのか?」
ボソリと呟くと、ビクリと身体を強ばらせ頷いた。
「………ふーん…」
そのまま、棗は立ち上がるとパンだけ持ち出ていった。
「…棗っ……」
後ろから声がしたが、手を振り俺はそのまま部屋に戻った。
胸にうずくまる色んな感情と共に……
To be Continued
'04/10/18