09
棗の事が気になった。
ついさっき、数時間前に互いをライバルとして認めたのに…あっという間に、俺は棗を裏切る様になってしまった。
別に、抜け駆け禁止とかではなかったけどあんなコト言っておいて、すぐ告白するなんて…自分自身、思いもよらなかった。
そして、棗の後ろ姿がすごく気になり、罪悪感を覚えた。
きっと、傷つけたのだろう――
棗の部屋の前に来ると、いきなりドアが開き、佐倉が飛び出してきた。
「佐倉…?」
「!! 流架ぴょんっ」
いったい、なんで…?
棗の部屋から彼女が…?
胸の奥でイヤな感情がわき起こる。モヤモヤとしている。
が、それはすぐに消えた。なぜなら、気がつけば俺の手は佐倉に捕まれ、外へと走らされたから。
「ちょっ…佐倉っ!?」
裏庭に連れて来られて、ようやく手を放された。
さっき、告白したばかりでやはり顔をうまくみるコトが出来なかったが、次のセリフに驚いた。
「流架ぴょんは…なんでウチの事……す、好きなんや?」
「えっ……と…何いきなり…」
「ウチって、煩いし、バカやし…ウチを好きになるヤツはモノズキやって棗が……だから、気になって…」
(…棗のヤツ……自分だってモノズキだろ)
心配そうな顔で見てくる蜜柑に、流架は笑いながら
「うん、モノズキかも……でも俺、佐倉がいいんだ…」
さすがに今度は照れ臭くなる。
「……ウチ…流架ぴょんの事、好きやし、付き合ってもいいよ…」
「Σえっ!?本当に?」
「……うん、ウチでいいんなら…」
次の瞬間、嬉しくて恥ずかしくてその場にしゃがみ込んでしまった。
「流架ぴょん?」
覗き込んで来る彼女を見て、嬉しそうに笑うと、真っ赤になりながらも笑ってくれる彼女がすごく愛しく思えた。
そして…大切な親友は、どう思うのかと考えると少し複雑な気分に陥った。
棗…棗…
ごめん…ごめん…
To be Continued
'04/10/19